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嫌煙家がタバコを吸い始めた理由

こんにちは、またはこんばんは。
題名の通り嫌煙家であった私Frommが、タバコを吸い始めた理由とそのリアルな感想について述べていきたい。
私の話はほとんど科学的な根拠のない個別の体験であり、喫煙を誰にでも勧めるような内容では断じてないことはご留意いただきたい。

結論から言うと、大抵の人間にとってタバコは一般の認識通り百害あって一利あるかないかだが、一定の人間にはタバコのメリットのほうが相当に大きい可能性もあるという話になる。

寝不足で思いつくままに書いた文章なので読みづらい部分は多分にあると思うが、興味のある方は是非読んでいただけたらと思う。



タバコが嫌いだった理由

最初になぜタバコが嫌いだったのかについて、過去を振り返って考えてみたい。
一般的にタバコを嫌う理由は、1980年代から進められてきた禁煙文化による影響と、近代以降から一般に広まった(表面的な)合理主義や科学信仰の影響が大きいと考えられる。

文化による影響

禁煙文化については言わずもがな、タバコのパッケージから喫煙可能スペースの減少、タバコの有害性のみを強調して伝えるメディア等のこと。
私は2000年以降に生まれた人間のため、物心ついた時から「タバコは百害あって一利なし」という言葉を繰り返し教え込まれ、信じ込んでいた。

実際にどんな害があるといわれているかと言えば
一番大きな問題は依存症。常にタバコを手放すことができず、お金もかかるし、依存の度合いが高まるほどタバコの弊害も大きくなってくる。
その弊害というのは
・がんのリスク上昇
・糖尿病歯周病など様々な病気との関連
・口臭やタバコのにおいの問題
・イライラして性格が悪くなる
・外向性や開放制(創造性などと近い意味)や社会性が低下する
・神経症傾向になる
などなど、上げてもきりがないほどのデメリットがあることが調べるとすぐにわかる。

逆にどんなメリットがあるのかと調べると
・リラックスできる作用がある
・集中力が上がる
・一部の病気を改善する効果がある
ということを書く記事がみられる。

しかしこれよりも多い主張は、「これらの作用は、タバコによる負の作用を、タバコを吸うことによって0に戻しているだけだ」という主張だ。
つまりは、タバコのメリットというのは喫煙者の詭弁であるというのが社会のマジョリティの認識なのである。

ともすれば、非喫煙者から見れば喫煙者というのは理解不能の間抜けであり、見下すべき対象であるというのが文化に基づく現代的な「正しい考え」という事になる。
実際に私も高校生のころまでは、喫煙者を某メンタリストのように見下していた時期があった。

近代合理主義や科学信仰の影響

現代の人間は近代以降の資本主義の発展に伴う合理主義的な思想を大なり小なり植え付けられている。
深く話すと本が書けてしまうのでものすごく簡単に述べると、近代より多くの人間は資本主義社会の労働者として最適になるよう「真面目に生産的に生きるべきであり、無駄なこと、非生産的なことに傾倒してはならない。ついでに言うと社会の流れに反抗してはならない」というような型に当てはまるよう社会から圧力をかけられており、実際そのようになっている。
現代における正しさの根拠は社会と科学である。
パワーバランスとしては社会>科学となるだろう。科学的に正しくても、社会が間違いだといえばそれはなかったことになる。科学的に正しくないとされる事象については言うまでもない。
しかし、ここで科学的に正しいというのがどういうことか再考したい。
論点としては
・科学は平気で矛盾するという事
・今現在科学的に証明されていない≠科学的でないという事
・科学は「一般性」を求められているという事
の三点

一点目「科学は平気で矛盾するという事」について。
一つの事柄について、全く矛盾した研究結果が出ることは珍しいことではない。例えば筋トレ業界ではあるサプリの効果について、ある研究では劇的な効果があると述べられ、またある研究ではそのサプリには全く効果がないという研究結果が出されるということが本当に頻繁に起こる。
この背景には、単純な研究ミスもあるだろうが、主には研究者へ資金を提供する人間への権益の問題、学会の権益の問題などがある。
つまり研究者は、資金提供者や時代や文化、その他権益に流されて平気でうそをつくのである。

二つ目「現在科学的に証明されていない ≠ 科学的でないという事」
「何を当たり前なことを」と思うかもしれないが、多くの人間は無意識のうちに、現在証明されていないものを科学的でない間違い≒悪と考えている。なぜ間違いが悪なのかと言えば、近代合理主義に基づいて無駄なことはしてはいけないからだ。
ここで述べておきたいが、この合理主義と科学というのは非常に相性がいい。何も考えたくない人間にとって、科学的に正しいか正しくないのかは社会的に約束された絶対的な基準になるのである。
歴史的には天動説を信じていた人たちがそうだし、宗教を信じない我々も何か間違えているのかもしれない。時間がたてば神の存在が証明される可能性があるし、ただ信仰することが幸せに結びつく理屈があるかもしれないからだ。
水素水やらアルカリ水やら、その他もろもろのサプリやらの疑似科学とされるものも、今のところ効果の理屈が判明していないだけで何らかの原理で何らかの良い作用を起こしている可能性は誰にも否定できないのである。
だからこそこういった商売はなくならないし、陰謀論もなくならないのだが。
私は科学的に証明されているからそうだと無暗に信じ込んでしまう「科学信仰」に陥っている人間は、一番科学的態度から遠い人間だと考える。
そういう人間よりは、何であっても疑ってかかる陰謀論者のほうがまだましである。もちろん程度の問題でもあるが。

話は少しそれたが、現在科学的に証明されていることはいくらでも覆るという事。現代人の科学に対する態度というのは信仰じみたものがあるという事だ。

三つ目「科学は「一般性」を求められているという事」について。
これも当然のことではあるが、科学は論文として発表する以上一般性を求められる。一般性があるという事は、あるサンプルのなかですべて、またはほとんどの場合においてそれが成り立つという事。
これはタバコに関して言うと、タバコが1%の人間にとって劇的な薬であったとしても、99%の人間に対して毒であれば科学的にタバコは毒であるとしか言えないという事。
あえてその1%の人間を特定して研究の対象とすればタバコは薬であると科学的に認められる可能性もあるが、現在はそうなっていない「可能性」があるという事。

可能性に括弧を付けたのは、もちろんそれが妄想や陰謀論に過ぎない可能性があるからだ。



タバコを吸い始めた理由

嫌煙の考えを変えたのは、大学で出会った中で尊敬できる人物がアルコールとタバコにかなり依存していたことがきっかけであると思う。

その人は部活動の先輩として知り合ったのだが、知的な人で、今の文系の大学生には珍しく読書やプログラミング、囲碁や将棋、格闘技など様々な活動に熱心な人であった。
同時に重度のアルコール依存症かつヘビースモーカーで、複数の精神疾患を患っている様子でもあった。
恐らくは何らかの発達障害も持っていて、当然学業を順当にこなせるようなタイプではなく、現在は留年を重ねすぎて三十台に突入しそうな勢いだ。
世間的には間違いなくダメ人間なのだが、私はこの先輩に今まであった人間には感じたことのない可能性や魅力のようなものを感じた。
正確にその先輩の魅力を文字で伝えるのは難しいが、要は歴史的な偉人によく言われるような「めちゃくちゃ凄いけど、めちゃくちゃダメな奴」の空気を生で感じられたのだと思う。

例えば、音楽界の伝説たるモーツァルトは重度のアルコール依存症で、そのほかにもギャンブルや精神上の問題を多数抱えていたというのは有名な話。
日本で言えば、太宰治や芥川龍之介、夏目漱石といった日本文学の巨匠はみな愛煙家であり、これらの人物もどうも精神がおかしかったのではないかと言われている。

私は大学の先輩の例と、歴史上の偉人たちが何らかの脳の異常があることとドラッグ常用をしていたことから私は、端的に言えば「もともと頭のおかしい人間(特にクリエイター)にとっては、アルコールやニコチンなどのドラックがよく働く、つまり創造性や行動力や集中力を増進させる可能性があるのではないか」という仮説を立てた。

この仮説を思いついてから、タバコと脳の問題について調べてみたところ、
タバコによってADHDの症状が改善する可能性があるという記事を見つけた。
ADHDやその他発達障害や精神障害では脳の「覚醒度合い」が低くなることで、認知能力が落ちたり、意欲が欠落するといった問題が起こりやすい。
それをタバコを吸うことで一時的に覚醒度合いを上げることができるのではないかという事だ。

タバコを吸うことで最初の数分間はリラクゼーション効果が得られ、その後数時間は覚醒作用が主となる。
一般の人は元から覚醒状態が高いのを、リラックスするためにタバコを吸うため、タバコの恩恵が少なく感じられ、逆に元から脳の覚醒度が低い人間にとっては一本の煙草でも長く覚醒によって恩恵を得られるためタバコとの相性が良いのではないかと考えられる。


私の状況

結果を話す前に私の状況を話す必要があると思う。
年齢は現在22歳。
私も検査はしていないが、例の先輩と同じようになんらかの発達障害を持っている可能性が高い人間で、恐らくはうつ病などの精神疾患も複数経験してきた人間である。(病院に行ける状態ですらなかったので診断はされていない)
診断された病気としては、5年ほど前から腰椎椎間板ヘルニアで腰痛と下肢痛がある。
自覚症状はあるが、診断されない(してもらっていない)症状には、慢性的な体のだるさやこわばり、認知能力の明らかな低さ、体力の低さ、血圧や血糖値の不安定さ等々。

今回の話に関わる症状である、認知能力と体力の話について、もう少し深堀したい。

認知能力が低いというのは正直説明が難しい。正確には偏りがあるといったほうが正しいし、集中力という言葉に置き換えたほうがわかりやすいのかもしれない。
単純に言うと、私は昔から勉強はずば抜けてできたが、人の話を聞いたり、目でものをとらえるという能力が低いことを感じていた。
なぜかというと、視覚情報であっても音声情報であっても一つものにピントを合わせることができないのである。

このことについて、例えば男女間でも視機能には差があることが知られている。女性は比較的一点に集中視る視機能が強いが、男性は視野の全体をなんとなく見る視機能が強いといわれている。女性が「一般的に」スポーツやFPSなどのゲームが苦手なのは、この視機能の違いによる部分が多いといわれている。
逆に女性が人の顔をよく覚えていて、男性の中には全然顔を覚えられない人間がいるのもこのせいだと考えられている。

一部の発達障害の人間にはさらにその程度が大きい人間がいると推測され、
文字が読めない学習障害の場合、視野の全体を認識してしまうために一つ一つの文字を追えないのではないかという理解が少しづつ広まっている。

これは私の体験からも正しいと思えることで、私の場合は数行の文章を見た時に相当集中して読まないと一行ずつ一文字ずつ読むことができなかった。視野の全体を使って大体5行ずつくらいを流し読みしてしまうのである。

音声についても同様で、普通の人間は二か所で同時に話されても脳が重みづけをすることで自分の意識している方の音に集中することができるらしいが、私にはそれができなかった。

例えばバイトで接客をしている場面で、隣のレジで会話が始まった状態で目の前の客が喋っていても何を話しているのかわからない。
私の脳では隣のレジの会話と、目のまえの客の声は等価であるが、同時には処理できないのである。
当然のようにバイト先では不適合者扱いされた。

これについては指向性の問題と同時に、脳の覚醒度が低いせいでワーキングメモリが低下している要因も考えられる。

体力の問題についても同じで、私は平常時のバイタルが異様に低く、これも最近になって脳+体の覚醒度が低いことが問題だと考えるようになった。
例えば私は鼻の通りが悪いことによって酸欠になり疲れやすいという問題があった。
これはどうも起きているのに脳みそが半分寝ているせいで起きていなければならないのに、勝手に寝る準備をしだしている節がある。
寝るときには鼻やのどの通り道が狭くなって、酸素レベルが低くなるのが正常なのである。
さらに言えば、椎間板ヘルニアや体の疲労の問題も、バイタルが低いせいで各組織が酸欠になり異常がでたり、限界を迎えたとも考えられる。

つまりは、脳の問題と体の問題両方とも「覚醒度」が低いことが問題であり、私はタバコがその薬にならないだろうかと考えたのだ。

実際にタバコを吸ってみて

2023/12/3
以上の考えに基づいて、実際に自分の体で実験してみることにした。
参考までに吸った銘柄はメビウスのスーパーライト(タール6mg、ニコチン0.5mg)


メビウススーパーライト

何も知らないで勢いよく吸い込んだため最初はむせこんだが、三回ほど吸って肺に煙を入れるのにも慣れた。
肺に煙が入った瞬間、肺や心臓の当たりに感じたことのない痛みや違和感を感じたが、それと同時に何かの成分が肺を通してからだ中に回るような快感のようなものも感じた。
燃焼剤が入っているためかあっという間に燃え尽き、吸殻をケースに入れて屋外から部屋に戻ろうとしたが、頭がくらくらする。
俗に言うヤニクラで、一酸化炭素を吸い込んだために意識がもうろうとしていたのだろうが、なかなか気分がよかった。

ふらふらとしながら部屋に戻って数分リラックスした後は、覚醒作用が出てきた。
その日は二日連続のフルタイムのバイトの後で疲れていたはずなのに、それを全く感じない。疲労を感じる脳の部分が全くマヒしてしまったようだ。
それと同時に、いつもの鼻詰まりがなくなっていることに気付く。

酸欠が解消され、あらゆる意欲が沸いてきた。
読書にも集中できるし、この気持ちを同じように苦しむ誰かに伝えたくてこの文章も書きだした。
最近はヘルニアの問題もあってあらゆる意欲が落ち込んでいたが、久しぶりに筋トレをする意欲も湧いてきた。
私にとっては、それだけで効果は劇的だった。

ただ、その後は少し問題があった。
タバコを吸ったのが5時過ぎで11時には布団に入ったのだが、全く寝れない。それまでは11に寝て7時に起きる習慣になっていたのにもかかわらず、朝の5時過ぎまで眠ることができなかった。
11時頃に目を覚まして起きたが、睡眠の質が悪いせいかタバコの離脱症状なのか、体はなかなかだるかった。
元から常に体調は悪かったから、そこまで気になるほどではない。

その日(二日目は)起きて一本と、15時くらいに一本の計二本を吸った。
依然吸った後はずっと体調がよく、意欲があふれた状態だった。
しかし、この日も寝れない。11時には布団に入ったが、5時になっても寝れないので、12/5 6:41現在、この文章の作成を終わらせてしまおうとしている。

この不眠の問題について、ネットや書籍でいくら調べても出てくることはなかった。タバコの興奮作用はせいぜい二時間程度というのが、科学的な認識であるためだ。おそらく自分は個別特殊な例、体質なのだと思う。
15時にニコチンを摂取した影響で大体7時現在になっても覚醒作用が続いているので、すでに16時間以上効果が持続していることになる。

これをどうとらえるかは人によるが、私にとってはうれしい誤算だと思う。
なぜなら私はより少ないニコチン、より少ない化学物質の摂取で興奮作用を持続させ、太く、多少長く生きられる可能性があるからだ。

まとめ


一部の人間、発達障害や精神疾患と診断されるような人や、脳や体の覚醒度合いが低いことで様々な問題が起きている人間にとってはタバコが文字通りの覚せい剤として有用な可能性がある。
特に私のように一本の煙草で丸一日興奮を持続させられる人間であれば、メリットがデメリットをはるかに上回る可能性が十分にある。
ただし現在は吸い始めて三日目であり、これから依存度合いが高まるにつれデメリットが上回ってくる可能性もある。誰にでもタバコを勧める内容では断じてない。私のような症状で人生が先細り、行き詰った人間は一度試してみてもよいと思った次第だ。

この文章が一人でも絶望に瀕した人間を救ってくれたら、限りなくうれしく思う。


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