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肥満はどこまで自己責任か?
メンタリストDaiGo氏は、以下のツイートに対して「この腹は乱れた食生活が原因」であり、「自分の不摂生を正してから、偉そうなことを言うべきかと… 」とツイッターで発言し、そのツイートに4930人の方が「いいね」した。(ツイートは削除されたが、アーカイブで確認できる)。
富裕層や大企業に、もっと応分の負担すれば、社会保障は削減ではなく、拡充できる。医療だけでなく、今度は介護の負担増が計画されている。皆さんと一緒に声をあげよう。
— 中央社会保障推進協議会(中央社保協) (@chuo_shahokyo) September 6, 2022
#75歳医療費負担2倍化やめて pic.twitter.com/AWxxyenwXC
続くツイート:
とりあえず断食して、週4以上の運動をして、野菜中心の食生活にしてください。
— メンタリストDaiGo (@Mentalist_DaiGo) September 7, 2022
話はそれからだ。
一方で、双子研究の権威ティム・スペクター教授は、以下のように言っている。
双子と家族に関する複数の研究から、体重、BMI、体脂肪率のどれで見ても、肥満はしっかり遺伝することがわかっている。推定される遺伝率は60パーセントから70パーセントだ。一卵性双生児のほとんどは、体重の差が数キロ以内で、それは年をとっても変わらなかった。
「遺伝率」というのは、ある特定の形質がどれくらい遺伝によって説明できるか、ということ。
実は、「遺伝率は60%から70%」という数字は、ダイエットにかける情熱を減退させるほどの迫力がある。
なぜかというと、一般に、性格・行動などの特徴の多くは遺伝率がだいたい50%前後なので、60~70%というのはかなり高い部類に属するからだ。
なんで60~70%が高いのかというと、残り30~40%の全てが努力で決まるわけじゃないからだ。
それらは環境要因だが、環境のうち本人の努力で変えられる部分は一般に思われているよりもかなり小さい。実家が細い人は、努力次第で実家が太くなったりはしないからだ。
というわけで、この数字は、「努力の余地少なすぎだろ……」と、ため息をつきたくなるような数字なのだ。
ここで、「双子は育つ環境も同じだから、環境が原因なのか遺伝子が原因なのかは分からない」と思う方もいると思う。
しかし、当然、双子研究者たちはそれを考慮に入れていて、以下のケースを区別して分析している。
●一卵性双生児の片方が、養子などでもらわれていって、別々の環境で育った。
●一卵性双生児が同じ環境で育った。
スペクター教授によると、別の環境で育った一卵性双生児のほとんどは、あまり体重が変わらず、それは歳を取っても変わらなかったということだ。
しかも、彼の本では、片方はめっちゃダイエットに努力していて、もう片方はたいしてダイエットしていないにもかかわらず、肥満度がほとんど変わらない双子の例などが紹介されていて、「お前は、俺の心を折るつもりか!」と言いたくなる。
とはいえ、僕個人は、ここ1年、体重が順調に減り続けていて、ダイエットに成功しつつある。
DaiGo氏は「とりあえず断食して、週4以上の運動をして、野菜中心の食生活にしてください。話はそれからだ。」と言うが、僕は意志の力が激よわなので、とてもそんなことはできないし、やりたいとも思わない。
ぼくは、「痩せるために、やりたくないことをやる」なんてことはできないし、一時的にやれても、どうせ長くは続かないのである。
そこで、僕は、逆に「やりたいことをやることで痩せる」という戦略を採った。
僕がやってるのは、「必要以上に食べたくなった瞬間、問答無用で、秒で夢中になれる遊びを始める」、これだけである。
たとえば「何かお菓子でも食べたいな」と思ったら、間髪入れずに、大好きなVRゲームを始める。具体的にはSuper Hotとかを始める。
![](https://assets.st-note.com/img/1662932732011-lzUUK00MeX.png?width=1200)
すると、プレイしているうちに、エンドルフィンとかアドレナリンとかがいっぱい出るせいか、「何かお菓子でも食べたいな」という気持ちが、いつの間にか消えてしまっているのである。
あるいは、現在執筆中の小説の原稿を読み始める。すると、あちこち直したいところが見つかって、今すぐ直さずにはいられなくなり、直しているうちに一瞬で何時間も経ってしまって、いつのまにか「何かお菓子でも食べたいな」という気持ちが消えているのである。
この戦略は、「タバコを止めると太る」という現象を逆向きに応用したものだ。
喫煙者は「脳が即時の快楽を欲する → タバコを吸う」という行動パターンをしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1662933694672-TRDTB4k5Xg.png?width=1200)
タバコを止めると
「脳が即時の快楽を欲する → 何か食べる」という行動パターンに置き換わるので太る。
![](https://assets.st-note.com/img/1662934693154-DtEDKdj6Dm.png?width=1200)
ということは、
「脳が即時の快楽を欲する → 何か食べる」という行動パターンは、
「脳が即時の快楽を欲する → 脳に即時に快楽を発生させる行動ならなんでもOK」に置き換え可能なはずだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1662934824046-l8rpk6J9pI.png?width=1200)
そこで、それをSuper Hotや小説原稿の推敲に置き換えたわけである。
![](https://assets.st-note.com/img/1662934875182-vMBKTuPyKh.png?width=1200)
ちなみに、「食べたくなったらセックスしろ」という人もいるが、
![](https://assets.st-note.com/img/1662935665048-ryzpVqiNMx.png?width=1200)
僕は、これは無理があると思う。
「必要以上に食べたくなった瞬間、問答無用で、秒でセックスを始める」というのは、相手の都合もあるので、現実的ではないからだ。
結局のところ、食べたいから食べてるわけじゃなく、脳が即時に快楽を欲しているから「脳に即時に快楽を発生させる行動=食べる」をやっているだけということが多いので、「脳に即時に快楽を発生させる行動」さえ別に用意できれば、「必要以上に食べる」という行動自体は、わりと簡単に抑制できるのである。
あれ?
遺伝によってほとんど決まっているはずなのに、なんでダイエットが成功するの?
と思う方もいるかもだが、それは遺伝率という数字の意味を取り違えている。
遺伝率というのは、あくまで、現状のデータがなぜ散らばっているのかの説明でしかない。
遺伝率が高いということは、その散らばりを作り出している主な要因が遺伝だというだけで、遺伝とは別の要因によって自分個人の肥満度を変えられる可能性は、ちゃんと残されているのである。
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※この記事は、文章力クラブのみなさんにレビューしていただき、ご指摘・改良案・アイデア等を取り込んで書かれたものです。
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