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【チーズプロフェッショナル】タイプ別製法3

今回はプロセスチーズ等その他のチーズの製法について見ていきます。
プロセスチーズといえば6Pチーズ等が有名ですね。
さけるチーズはプロセスと思われがちですが、実はパスタフィラータで造られたナチュラルチーズなんです。

引用はチーズの教本2019です


1.プロセスチーズ

・プロセスチーズとは?

まず、プロセスチーズとは何か?というと


ナチュラルチーズを粉砕し、
加熱溶融し、乳化したもの

と、乳等省令において定義されています。

・プロセスチーズの歴史

1911年
スイス人
ゲルバーとシュテトラー
クエン酸ナトリウム溶融塩として初めて製造

1916年
アメリカのクラフト社
が特許を取得

1917年
クラフト社がチェダーを原料
軍用プロセスチーズを製造

1929年
ドイツのヨハン・アダム・ベンキーザー社

ポリリン塩酸溶融塩としての有用性を発見
特許を取得

1930年
溶融塩
ヨハ(joha)塩の名前で販売

諸外国でも質の高いプロセスチーズの
製造が始まる

1934年
北海道製酪販売組合連合会

プロセスチーズの販売を開始

・プロセスチーズの工程

原料には主に加熱圧搾・非加熱圧搾タイプ
ナチュラルチーズを使います。
これを「粉砕」乳化釜に投入し、「乳化剤」(溶融塩)を加えて、「加熱」「溶融」「乳化」の工程でトロトロに融かし
容器に充填し冷却させます。

日本の食品添加物の分類では、
製造の際に使われるクエン酸塩リン酸塩
乳化剤としての一括表示が認められています。


しかしプロセスチーズの製造技術者の間では乳化剤ではなく「溶融塩」と呼ばれています。

その理由は

リン酸塩クエン酸塩には
水に不溶性のたんぱく質(パラカゼイン)
水溶性する働きがあるから。

「溶融塩」によって水溶性となった、たんぱく質は脂肪とも水とも交わる性質を持つため
乳化剤として働くことができます。

つまりプロセスチーズとは

ナチュラルチーズに「溶融塩」を加えて加熱し、 溶けたたんぱく質を「乳化剤」として
水と脂肪を「乳化」させたもの

となります。

高温での加熱溶融をするので、
チーズの微生物は殆ど「死滅」し、
酵素は「失活」するため保存性が
ナチュラルチーズよりも高くなります。

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