角餅が誕生したのは「生産性向上」のためだった・・・
【fao's store log 2021Jan】
新年あけましておめでとうございます!
元ボーイング’737メカニック・天草の柑橘生産者の筒井洋充です。
正月のために年末に餅をつきました。といっても餅つき機で。
東京出身の私は、雑煮には角餅(切り餅)じゃないとしっくりときません。九州のスーパーにあるものは丸餅が多く、 角餅はほとんど置いていないので、我が家でつくことにしています。
なぜ九州は丸餅なんだろう? のし餅の方が作るのが楽でしょうと思いつつ、丸餅と角餅の由来について調べてみました。
あなたはどっち派? 丸餅と角餅の勢力図
あなたは、元日のお雑煮で「丸餅」と「角餅」のどちらを食べましたか?
調べてみると、丸餅と角餅の勢力図が農水省のWebサイトに載っていました。
もしかすると、ざっくり言って西日本は丸餅、東日本は角餅だということをご存知の方もいるかもしれません。
その境目は、天下分け目の「関ヶ原」辺りのようです。
【出典:農林水産省 W E Bマガジン「aff(あふ) 】
ちょうど境界線上にある、岐阜・石川・福井・三重・和歌山の5県には、角餅と丸餅の2種類を食べている地域もあるとのことです。
もちろん、例外的な飛び地もあります。
日本中のさまざまな地域の人が集まる首都圏には、西日本出身の方も多く、アンケートをとると丸餅のお雑煮を食べている家も多いようです。異なる地域の出身者で結婚して、一年ごとに角餅と丸餅を交互に食べる家庭もあるかもしれませんね。
角餅が生まれたわけは
国内での丸餅・角餅の分布が分かったところで、なぜそのような分布になったのかが気になりました。
お餅自体の歴史を遡ると長くなります。まとめると、日本のお餅は丸餅が先だったようです。角餅が生まれた由来は、諸説あり。
それまでちぎって丸めていた丸餅を、平たく伸ばして餅を切り分ける製法は、江戸時代に生み出されたものでした。
【我が家ののし餅(らしく作れました)】
角餅が生まれたわけは
① 角餅の方が運搬に便利なことから、江戸から徐々に広まっていった。
② 江戸では人口が増加し、長屋住まいも多く、かまどが共用だった長屋では物理的な制約があり各家庭で餅をつくことができず、購入することが増えたため、大量生産のためにのし餅(角餅)が広まった。
③ 幕府のお膝元では、戦を前に「敵をのす」の縁起担ぎから、のし餅を四角く切ったものが食べられるようになった。
江戸幕府が始まったころ、江戸の人口は15万人程度だったようです。その頃、京都は30〜40万人、大阪は20万人。(人口数値の出典:ライブドアニュース)
それが、1721年には110万人となった。
人口増加のペースを考えると②の説がうなずける気がしますね。
つまり需要の増加に伴い生産性の向上が必要不可欠な状況になったのだろうと推察できます。
もちろん①も有力な説で、物流を理由に江戸から地方に広がっていったとも考えられそうです。③の縁起担ぎは、後付けのような気がしますね。
縁起担ぎというと、丸餅にも「角が立たず円満に過ごせるように」との意味が込められているそうで、そのため包丁で切ることはしない。だから鏡餅も割って食べるのですね。
ついでにお雑煮を調べてみた
我が家の雑煮(カバー写真)には、焼いた角餅をすまし汁(昆布・鰹節出汁)に入れます。具は、鶏肉、大根、人参、青菜(目の前の畑から春菊を採りたてを入れました)です。熊本県在住ですが、関東風から抜け出せないです。
全国には、多種多様なお雑煮がありますが、大きく分けて5種類に分類できます。
・すまし汁 + 焼き餅
・すまし汁 + 煮餅
・白みそ仕立て
・赤みそ仕立て
・小豆汁
【出典:WEBマガジンTABIZINE】
変わり種としては、香川県の味噌仕立てに餡入りの餅を入れるものが有名です。私も小豆島に2年弱住んでいますが、小豆島ではそうでは無かったので、香川県全域ではないようでした。
でも、香川では年越し蕎麦ならぬ「年明けうどん」が多くのうどん店で提供されていて、あん餅がのっているうどんには挑戦しましたよ。
正月といえばあれ
豪華な食事のほかに正月の楽しみと言えば、「福袋」ではないでしょうか?
新しい年が始まったワクワク感と、いつもよりお得に買い物できるウキウキ感。
今年は、コロナ禍でもあり店頭の行列ではなく、ECでの販売も多くなっているようですね。
「福袋」も意外と歴史は長く、角餅と同様に江戸時代との説が有力です。原型は「恵比寿袋」が始まりで、日本橋の呉服店の「越後屋」で販売されたのが始まりとされています。
私が運営するふぁおのお店でも、福袋ならぬ福箱を2020年から販売しています。2021年も販売していますので、よかったらのぞいてみてください。
今年は明るく過ごせる2021年にしていきましょう!
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