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【渋沢栄一】お札になった土木偉人〜土木スーパースター列伝 #24

本日2024年7月3日は、新紙幣の発行日ですね。
一万円札の新しい顔は「福沢諭吉」から「渋沢栄一」に!実物を見るのが楽しみです。

1万円札見本:国立印刷局ウェブサイト参照

こんにちは。土木広報センター土木リテラシー促進グループ長の鈴木三馨です。土木リテラシー促進グループ活動で作成した「土木偉人かるた」が完売しまして、ただいま第2弾を鋭意製作中です。
第2弾に、今回の土木スーパースターである渋沢栄一も入れたいと思っています。約500もの企業に関わったとされる渋沢栄一ですが、鉄道、ガス、電力、セメント、建設業など数多の複数の公共事業も支援しました。

渋沢栄一(イラスト:広野りお)

そんな渋沢の都内のゆかりの地を巡ってみました。

渋沢栄一が大好き 縁起石の赤石

まずは、日本のウォール街と呼ばれた兜町。
KABUTO ONEのエントランスにある赤石からご利益をいただきます。

おしゃれなKABUTOONEのエントランス

この赤石、渋沢が佐渡からわざわざ持ってきたものなんです。縁起石として生涯愛していたとか。佐渡と言えば、金山ですよね。この赤石も金銀鉱脈が作られたときの火山活動に伴ってできたとされています。金脈の副産物なら金運も期待できそう!
ちなみに、なぜ赤いかというと赤鉄鉱が含まれているから。赤鉄鉱というとかっこいいですが、実は鉄が錆びた酸化鉄です。え、錆なの!?

これが渋沢栄一が愛した赤石。

渋沢栄一が晩年過ごした飛鳥山

JR京浜東北線王子駅のそばにある飛鳥山は、渋沢が晩年過ごした場所で、自ら手掛けた製紙工場が見渡せる立地にあります。そこには、渋沢史料館、青淵文庫、晩香盧の3つの渋沢関係の建物があります。
公園内にはおしゃれなレストランや子供の遊び場もあり、人々の憩いの場所になっています。

飛鳥山公園ウェブサイト:
https://www.city.kita.tokyo.jp/jutaku/koen/asukayamapark/index.html

渋沢史料館
青淵文庫
ステンドグラスが素敵!
カーペットもおめでたいとされている蝙蝠の絵柄です。
晩香盧を眺める渋沢栄一の像

青淵文庫のそばに芝生の庭園があるのですが、ちょっとくぼんでいる箇所があるの、わかりますか?
ここで集合写真を撮るときに、背が高い方がくぼ地に立つと身長差が気にならないとか?
来賓の外国人と一緒に写真を撮るときにさりげなく誘導していたかもしれません。

芝生のくぼ地

イノベーションの中心には旧渋沢邸

各地にある渋沢邸ですが、そのひとつ旧渋沢邸を清水建設が東京都江東区に移築したって知ってました?

移築先は、温故創新の森NOVARE。
NOVAREはノヴァーレハブ、技術研究所潮見ラボ、ものづくり至誠塾などからなるイノベーションを創出する場だそうです。

温故知新の森NOVARE

温故創新の森NOVAREウェブサイト:https://www.shimz.co.jp/novare/

なぜかというと、旧渋沢邸は清水建設の二代目店主である二代清水喜助の設計施工の建物だから。擬洋風建築を生み出した創意工夫の二代清水喜助の精神に、渋沢は数々のチャレンジの場をさせたのでしょう。

旧渋沢邸

近年では、建設のイノベーション技術として、建設用3Dプリンティングの開発・実用化が急ピッチで進められています。
NOVAREにも3Dプリンティングの研究拠点があり、あちこちに3Dプリンティングで作られた外壁、机などがありました。これは何でしょうか?

3Dプリンティングで作ったなんでしょう?

ベンチなのかなあ?と思っていたのですが、座るとごつごつして痛い。
実は自転車置き場だそうです。なるほど。
これまでのコンクリート構造物とは異なり、型枠いらずで自由な造形ができるようになりました。
渋沢の精神が現代においても、あちこちで受け継がれているのですね。

赤石もすりすりしたし、渋沢栄一の一万円紙幣にご縁がありますよーに。

文・写真:鈴木三馨
土木酒場女将。土木広報センター土木リテラシー促進グループ長。fromDOBOKU編集委員。オフィスドボク代表。
土木偉人を”偏愛”してます。
note:https://note.com/dobosaka_mk2020/