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結紀はるか
2018年1月13日 23:01
無色透明な炭酸がグラスに注がれる。しゅわしゅわと音をたてて無数の泡が弾けては消えてを繰り返す。やがて泡がおさまり、向こう側の景色が薄らと透けて見えるようになった。「子どもみたいだね」彼女が笑う。窓から射し込む光が彼女の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせる。「きれい」思わず口からこぼれた本音に彼女が目を見開く。「……ばか」沈黙の後、彼女は悪態をついて目を逸らした。言葉の割には声色は柔らかで照