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【日記】サカリのついたメス猫

月曜、積雪予報のため在宅勤務。都心にも大雪警報が出ているとやらで、この冬一番といっても過言ではない寒さだったから、暖かい部屋で温かい豆乳を啜りながら作業を進められてありがたい。冬は毎日在宅でいいのに、と思うけど、反面で本当にそうなってしまったら毎日引きこもりが捗って仕方ないので「基本出社、時々在宅(なお申請許可必須)」の今の会社の規則スタイルぐらいがちょうどよい。

昼すぎにぱっと窓の外を見れば大粒の雪。暖冬だと言っていたから今年は降らないものだとすっかり思い込んでいた。時間が経つにつれて粒が大きく、激しく降り積もる。ドカ雪とはこのこと。こんなに降る?と一人引き笑うほど降っていた。終日京王線が常に数分遅れの表示になっていて、在宅に切り替えた自分にいいね押した。

業後に雪景色を直截的に感じたくなり散歩がてら肉麦へ行く。降り出して数時間経った地面はベチャベチャとツルツルをブロック状に繰り返してトラップ塗れ。groundsのスニーカーの厚底のおかげでなんとか濡れずに店に辿り着く。さすがにノーゲス、伊藤さん曰く「予約も午後になって全部飛んだ」とのこと。

トートピアのサワーエールは可愛らしいピンク色でガムみたいな味。食事と合わせるには不向き。甘いビールは好きではあるもののちょっとしつこい感じがした。ちまちま飲み進めているうちにスタジオ終わりの彼氏が入店。強風だからと前髪下ろしていて犬みたい、よく来たね〜と褒めてやる。11%もあるひみつビールのサワーエールをパイントグラスで頼んでいて、大丈夫!?と聞いたら「これくらいハイアルの方が早く温まるから」とすとんとした顔で答えていた。さすが。

一緒にスーパーに寄って帰宅。寒いのでパパッとシャワーを済ませ、彼氏のシャワー中に簡単な肴を作っておく。野菜のオムレツ、ひとくちメークインと焼いた玉ねぎとシャウエッセンを味噌とチーズで和えたやつ、惣菜の春巻き。食べ始める頃には22時をすぎていた。一番搾りで飲み直しながら、水ダウ観て、週始めなのにだらだらして床に就く。正直彼氏は家事スキル(特に料理)がなく、洗い物に関しても自炊に関しても「やることある?」とは聞いてくれるものの、自分一人でやった方が確実に早いので、大丈夫大丈夫座っててくれと答えてしまう。プライドを傷つけるつもりはないのだけど。それにうちのキッチンは二口コンロではあるけど激狭い。自分も掃除は苦手。明日会社行くのやだなあと愚痴をこぼして1時頃寝た。

火曜、朝どうしても起きれず。寒いのと低気圧と雪道を歩かなければいけないのが辛いのと。30分遅れで家を出て、駅で彼氏と解散した。週末は晴れますように。出社してからは淡々と仕事。転職活動じみたことは引き続き行ってはいるものの、やっぱり置かれた今の場所で自分はまだまだ咲き誇るべきなのではないか…といった思いも本心として芽生えてきて、表裏一体の状態になりなかなか腰が重くなっている。メディアの拡大化。これまで国内外問わず様々なアーティストを取り上げてきたけれど、運用面ではまだ全然弱小規模である。27歳を目前に、自力でこれをやりましたと誇れるような実績が欲しい。そのためには学ぶことが必要だし、学ぶためにはもう少し生活にゆとりを持たせないといけないのだけど。睡眠が一番大切。0時頃にパウチのごぼうサラダと卵、サラダチキンを買って、1時すぎに寝た。

水曜、出社。2時や3時に寝入る日と同等ぐらいの猛烈な眠気。朝、セブンイレブンでマウントレーニアのさくらラテを買う。毎年毎年、学生の頃から全飲食店・全飲食ブランドのさくらラテを網羅する気で買っている。大人になってからは全然甘いものを欲さなくなったけどこれだけは別。15日からスタバとドトールでもさくらラテが始まる(チェック済み)。なので、この時期だけはやたらとテイクアウトカップを片手に出社する率が高くなる。ちなみにカルディのそれも非常に美味しい。吉祥寺に住んでいた頃、常にうすら寒いボロアパートで豆乳に混ぜて飲んでいた記憶が蘇る。

朝の企画会議で「それは本当に施策としてベストなのか」と疑問が浮かぶ提案を出され、けれども「僕はこうしたいんで」と年上の圧に負かされてしまう。認知を高めるなら「手っ取り早さ」よりもある程度遠回りしてでも「AとBの関係性」を重視した方が効果的だと思うんですがどうなんですかね。昼、ビスケットサンドアイスとコーヒー。今自分の血液検査をしたら脂質と糖に針が振り切っている自負がある。水を飲む習慣付け、胃下垂ゆえにどうしてもちょっと怖い。でも常に持ってはいる。夕方の会議でとあるブルワリーとのコラボビール醸造が決まる。バーイタリアの来日も決まってガッツポーズ。取材申請を出した。これが叶えば26歳最後の、そして一番の大仕事になる。

夜中にコンビニへ寄り、来た道を戻ろうとしたら横断歩道中央にある突起(?)に足を引っ掛けてそのまま頭からアスファルトに身体を打ち付けた。こういう時に冷静でいられるのは幼少期から転ぶ頻度が高かったからだと思う。レジ袋の中の缶ビールが漏れていないことと、周りに何も落としていないことを確認し、青信号のうちに立ち直って渡り切る。死なないで良かったが、そこそこの大怪我を負った。まだ彼氏には報告していない。1時すぎになり、倒れるように寝た。

木曜、8時20分頃自然と起きる。なんだか忘れてしまったけどとにかく最悪の夢を見た。今ある生活がすべてブチ壊されてしまった世界線の夢。悲しかったのか起きると目元にツーと涙の粒。悪夢だったが熟睡できたっぽくて謎。口角炎の赤ちゃんを放っておいたらぱっくり痛みを伴ってきて、明日は業務中に皮膚科行きますと上司に伝える。というか、昨夜の怪我が結構な痛みで辛い。よく見たら顎にデッカい青痣ができている。髪もうまく巻けていないしなんか余計に疲れてボロボロだ。どうしてこんな。

夜、退勤して、「はあとぶれいく」聴きながらコーヒー屋へ。冒頭の歌詞がまさに今の自分を表していて笑えるほど泣ける。

なーんか無性にささくれ立っていらいらしてる
サカリのついたメス猫みたいに
かーきむしって破れたヒフが真っ赤な血で滲む
サカリのついたメス猫みたいに

木曜に訪れるのは久しぶり。インクホーンのピルスナーが開栓されていたのでパイントグラスで飲む。軽やかな口当たりでちょっと草っぽい。ぼろ雑巾みたいな状態ではおそらく真っ直ぐ帰った方がいいのだけど、ここに来ることで救われる命もある。うちゅうのスムージーサワー(バブルガムみたいなジャンク感のある甘さ。あまり好みではなかった)を飲んでいたら常連のYさんに、この近隣にあるおすすめの整体を教えてもらった。保険適用が効くらしい。よく転ぶ原因は骨盤の歪みと上司から指摘された背景もあって、この週末で絶対行きたいと思った。21時に帰宅して簡単に夕餉をこさえながら彼氏と通話。正直彼氏とのLINEもストレスになるくらい疲弊していたけど、シャワー後でさっぱりしたのと心地良い酔い加減で少し機嫌が直った。23時半に通話を切って、1時半頃寝た。もっと早く寝たかった。

金曜、目が覚めたら9時過ぎ。頭痛かと思ったら先日の転倒で首から上をやってしまったらしく起き上がれない。おまけに内容は忘れたけど(ホラー的な)怖い夢を見て気分が悪い。猫を堕ろすの新譜を流しながら支度。

昼、フジロックの第一陣発表があった。第一弾にクラフトワークとノエル・ギャラガー(隠しコマンド)、期待かけられっぱなしのThe Last Dinner PartyにYin Yin。クラフトワークは誰も予想していなかっただろうし、TLDPは来るのが早すぎる。早上がり予定だったのと、苗場の地へ想いを馳せるばかりで正直全然仕事が手につかなかった。

17時頃退勤して家の近所の皮膚科へ行くも、診療終了時間を30分見間違えていて入れず。湿疹が日に日にひどくなり、傷みたいになっている。連休明けまで処方薬を塗布できないのが歯痒い。仕方ないので肉麦で一杯だけスムージーサワーを引っかけて、電車で下北沢へ。ロンドンから無事に一時帰国したYと、親友のSと飲む予定。いつも行く喫煙可の居酒屋に振られて反対口の『イイダ』に行く。下北沢って正直あまり良い居酒屋がないイメージがあるが(家の周辺が良店に恵まれすぎている)、料理もお酒も美味しく店員のオッチャンも気さくで、久々の対面での会話に花が咲いた。Yから「お前もロンドンに来い、あとYMS使えるチャンスは数年しかないんだから」と言われて結構本気で悩むなど。確かに、彼氏もまだあと2年間は学生の身なわけで、一生涯の経験になることを踏まえると今行くのはベストだしチャンスはラストまでのカウントダウン状態だ。好きな店に行けないとか、仕事ガーとか家族ガーとか自分に言い訳つけてないで行くべきだろうか。悩む。

店を出てから寒空の駅前でタバコ吸いつつワンカンし、23時頃に解散してタクシーに乗り込んだ。会話が弾んだので、酩酊ほど酔ってはなく、比較的正常の範囲内でいる。家に着くなり部屋着になって化粧も落とさずそのまま寝た。