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【日記】地上波の音を割れ

月曜、変な夢にうなされて起きる。嵐のメンバーが2人加入したのに収録中他のメンバー2人が連絡なく欠席する夢。なぜか視点がカメラを回している収録現場だった。場面変わって、実家の裏道。公民館の場所が共通テスト(旧センター試験)の試験会場になっていて、世界史の試験のみを受けに行こうとするも教室がわからず、見知らぬ美女に「ここは成績優秀者だけしかいないから、一般は上の階に」と案内される。おそるおそる教室を開けると、教壇にコーヒー屋で親しくさせてもらってるカメラマンの兄貴。小学生の頃、ガキ大将みたいな位置付けだった不真面目な男の子が満点をとっていて(なぜかすぐに点数が掲示されていた)、下唇を噛むところで目がさめた。全く異なる時系列で出会った色々な人が登場して目まぐるしかった。夢なのに。

小学生の頃はこれでも進学塾に通っていたので成績優秀な層にいた。悪いことだが、同じ層のそれぞれ違う塾に通っていた男子たちとテストの点数でお金を賭けたこともある。テストギャンブル。無口で真面目な子、というのが当時の自分が生み出した第一印象だった。実際、中学受験をする関係で塾か図書館にしかおらず、ほとんど友達と遊んだ記憶がない。

勉強をやめてしまったのは母親の母校を退学して行き場がなくなってからだった。両親の期待になんとかしがみついて応えられていたのは小学生までで、あとは負けっぱなしの学生時代だった。学ぶことに賭ける熱意は闘志を燃やせる仲間がいて、テストの点数が良好だとわかりやすく機嫌を良くする親がいるからだった。自分のためではなかったから、自分の所在が得られなかった。そうして全ての栄光(うまいこと言ったようでかえってダサいけど、当時通っていたのは「栄光ゼミナール」だった)を捨てた結果が、高卒・摂食障害・タトゥー持ち、といったあきらかにダメそうなスペックの20代後半女性である。ただ、今は親の理想を振り切って全力でカルチャーに傾倒していて、編集者の一人としての矜恃が十分にある状態にいるので、別にその辺は汚点だと思っていない、というか、「本当お前、目を覚ませて良かったよ」と言いたいくらいだ。自分が変わらなければ、自分の弱さをさらけ出していなければ、両親も取り巻く環境も一生変わらなかった。

お腹が痛くて午前休をとる。生理痛と言えたら良かったけれどあいにくもうしばらくちゃんとした生理が来ていない。事あるごとに母に心配されてきたが誤魔化している。彼氏は将来子供が欲しいらしいが、自分の力だけでは多分無理だろう。ここまで来てしまって、なおも体重を増やしたくないと言い張る自分はなんなんだろうと思う。それだけ、今より20kg太っていた頃に味わったあらゆる苦い体験が憎い。褒めそやされていないと生きている意味がないのではと本気で感じて恐怖を覚えてしまう。事あるごとに、悪気なく「細くて綺麗だよ」と言ってくれる、食べても太らない彼氏。その実体は食べたら食べた分だけ肉が付き、今まで何百、何千錠と下剤を服用してきた数字依存症の彼女。どう考えても自分が頑張らなくちゃ釣り合わない。

夜、原宿さんと虫眼鏡の動画の続きを視聴する。虫眼鏡の「自分自身が大人になりきれていないのに子供を育てられる自信がない」「(子が成人の年を迎える)20年後に自分がしてきた教育の答え合わせをさせられるのが怖い」という話にブンブンと大きく首を振って頷く。生きてきた時間の大半を摂食障害に吸い取られてしまったので、自分が「子供大人」になっている自覚は正直かなりある。し、自分の両親が不正解の教育を施してきた人だった(父は出張でほとんど家を空けていた)からモデルにできる像がなく、後戻りのできない「躾」という手前、手探りでやるにはあまりにもリスキーだと思う。一方で原宿さんは「子供には自分の思うことを言う、結果が分からないのは当たり前」と振り切っているのがカッコよかった。「ダメな自分を救う本」、読んでみたいな。

1時すぎにサラダチキンと練り物バーを食べた。やっぱりどこか不調なのか、アイコスを吸うといつもより苦味が増して不味く感じる。午前休をとって療養に努めていたからか全く寝付けず、2時半頃になってようやく入眠できた。彼氏は近所の立ち飲み屋で2時頃まで飲んでいたらしい。すっかり完治したようで良かったが、反面で月曜から気にせず酒が飲めて羨ましいなと思った。自分も彼の年齢の頃は散々やってきたのだから、ジェラシーを抱えても仕方がないのだけど。

火曜日、4時間程度しか眠れず6時前に目が覚める。起きて早めに出社するか、いや寝ねば、しかし眠れん、そして寒い、と思い至りながらスマホを触る。先日の関ジャムで放送されていた2023ベストアーティスト、Khakiはまだわかるとして、lilbesh ramkoが選出されるの早すぎるだろと思った。本人の言葉を借りるなら「地上波の音を割れ!」である。らむこが10位ということはPAS TASTAも来るのでは…?

乾燥肌、手も肌も砂漠化し堪える季節。ロクシタンのハンドクリームをいくら塗り直しても足りず。昨年の夏の写真を見返して、あのうんざりするくらいの暑さの中でビールを飲んでいた頃が一年の中で一番楽しかったなと思う。ロンドンにもパリにも行きたいけれどドイツにも行きたい。トランジットで10万ちょっと。旅費トータルで見積もれば40万ぐらいにはなるだろう。同棲費用のことも考える。自分が今稼げる金額にはどうやったって時間的・体力的な限界がある。しかしどちらも達成したいというのは本望だ。湯水のように万札が湧いてきてほしい、もう疲れたので。

自分の拒食脳は「必ず◯時になったらこれとこれを食べる」というルールから来ているし、過食行動はその反動と極端な冷え性(身体が本能的に代謝を上げようするSOSのサイン)が由来している。拒食はともかくとして、過食はどうにか卒業したい。もう冬が明けるまでは外食を断つしかないのか。

どこでもいいからとにかく遠くへ行きたい。観光しなくても、一泊できればそれで構わない。最近の個人的な銭湯ブームは現実逃避の意味も無意識のうちに兼ねている気がする。漠然とした疲労だけが重なっている。これも季節性のものだと思うので、騙し騙しやっていくしかないのだけど。本当は山形で豪雪が観たいがこの際奥多摩でも厭わない。露天風呂を独り占めして、他人が用意してくれた滋味深い食事で腹を温め、他人が敷いてくれた布団で長い時間眠りたい。


*長くなったので月曜と火曜の半日分で切りました。