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【日記】セルフねぎらい4年分

月曜、出社。上司と退職の流れについて改めて話し合う。有給消化日数を人事の人と算出したら、逆算して明日の午前勤務で最終出社にしなくてはいけないらしい。アルバイトでも使用可能なはずのアニバーサリー休暇についても「任意だけど、できれば消化してほしい」と言われしまったのがこちらの計算外でおお、承知、となった。上司にそう言われたら断れないでしょうが。

今日のうちにデスクの荷物をまとめておく。引き継ぎも残務も未完どころか手付かずだが、もう今月末で退職の形をとらないと今後すべてのスケジュールが遅延するので仕方がない。新卒の女子には申し訳ないと思いながら、清々しい気持ちが若干勝つ。色々あったが、何もかも明日出社すれば「この会社にいる自分」の像はもう見なくなる。定時退勤して副業先へ。ショートコースで一人接客した。終電前に帰宅して、ほたてバーとサラダチキン食べ、寝た。

火曜、最終出社。新卒女子に最低限の引き継ぎ。困り果てないように、「何かあったらいつでも連絡してください」と負担を与えない口調で伝えた。自分が逆の立場であったときに、ただ押し付けて去るだけの辞職者にはなりたくないと思った。Slackで最後の挨拶を済ませ、午後3時に退勤。上層部には口頭で挨拶をしたかったのだが、あいにくMTG中で機会を逃してしまった。直前に自分がトラブルを起こしてしまったのもあり、少し歯切れの悪い退職になったが、それでも四年間奔走した自分のことは褒め称えてやりたい自尊心が先行した。

上司に見送られて会社のビルを出ると、昨日とは打って変わって日がさしていたのもあり、外に出た瞬間「世界が明るい……」と無意識に声が漏れた。肩の荷がすべて降りて、人ひとり分軽くなったようだ。もう何も今まで担当してきた業務に際して責任を負わなくていい(実際にはそんなことはないのだけど)と思うと、嬉しくてたまらなくなった。もう必死こいて各所にへりくだったり、さも音楽編集者のふりをして新譜をディグらなくてもいいのだ。まあ自分はある時期からXのbioに「ディガーではない」と記しているのですが。

軽くスキップをするような気持ちで、原宿にできた新しい商業施設「ハラカド」内にある小杉湯へ行った。高円寺小杉湯のファンであることを番台の若い女性スタッフに伝えると、そうなんですねと嬉しそうに返してくれてこちらも嬉しくなった。銭湯は平日の昼間ということと、皆ショッピングフロアは賑わっていてもなかなか風呂まで来ることはなさそう、という感じで空いており、ミルク風呂の中で思いっきり足をのばしてしばらく湯の中で働き続けた自分をねぎらった。熱湯と水風呂、ミルク風呂を交互に繰り返し浸かって、一時間ほどで退出し、山手線に乗って代々木駅へ。

WateringHoleでセルフ退職祝い。Yuyaさんが先日始発に乗ろうとする自分を最寄り駅のホームで見かけたと言っていて、そういえばあの長髪は確かにYuyaさんっぽかったな…と思い出す。が、始発の時間に話しかけてもお互い頭が回らず微妙な空気になりそうなので、何もアクションがなくてよかった。退職祝い(ではない)に店のデザイン担当の方が作った蛍光のラバーブレスレットをもらいラッキー。隣席の男性に話しかけたら、これからルミネtheよしもと行くんですと言っていて、好きな芸人の話でしばし盛り上がった。2杯飲んで会計。最寄り駅に戻って、肉麦に寄り「退職しました!」と我ながら清々しい顔で伊藤さんに報告。仕事やめて即銭湯入ってビール。なんて良い日なんだろう。全てに感謝モード突入。

夕飯はフレッシュネスバーガーのパクチーバーガーをテイクアウトして食した。インスタ相互の美容師の方が激推ししていて、いつか食べたいと思っていたのだ。パクチーのことは好き寄りだと思っていたけど、毎回食べるとそんなに好きではないかなという感情になる。けれども普通においしかった。退職したことは素直に自分お疲れという気持ちでいるが、終盤はプライベート含め怒られる機会がままあった。気の緩みかもしれないし、そういうターンが来ていただけかもしれない。でも今日ですべて終わり。0時頃に寝た。

水曜、有給消化初日。午前中にずっと受け取れなかった美術関連の書籍3冊をやっと受け取る。どれも期待大だ。正直めちゃくちゃ体がスリープモードに入っていて、行きたくなかったが店Aへ。フリーで付いた客がパン屋勤務で、自分もパンが好きという話をそこそこの熱量で話すと「本当に好きな子じゃん!」と喜んでくれた。のちに「うちのパン持ってまた絶対会いに行く」とメッセージをくれたので、多分本指になりそうな気がする。パンギークでよかった。

夜は店Bをはしごするつもりだったが、もうちょっと休ませてくださいの気持ちになって休んだ。申し訳ないけども、さすがに失速したい。帰宅して、夕飯食べ、23時頃寝た。間に何をしてたかは忘れてしまった。

木曜、全休。昼に家を出て、原宿の、通いのところではない美容室へ行く。いつも担当してもらっている美容師さんは、もう4年以上お願いしていて毎回魔法みたいなカラーとデザインカットを施してくれるのだが、人気かつ店内が狭いので予約がとりにくいことと少しお高いところがネックだった。ホットペッパーの新規割を使って、さらにワンランクリーズナブルな価格帯のサロンへ。表参道の美容室、なんて字面だけで場違いではと緊張してしまうのだが、担当してくださった男性の美容師さんがおそらく同い年か少し下で、親近感をもたせるような接し方をしてくれて、こちらも肩の力を抜いて猫を被らずに話すことができた。ブリーチ毛は一面真っ黒に。黒染めだが、傷みにくく次のカラーにも影響せず、さらに2、3ヶ月は持ってくれる薬剤らしい。そんな夢みたいなカラー剤があるなんて知らなかった。とても居心地良かったので次の予約もその場で入れておいた。いつもの美容師さんには後ろめたい気持ちはあるものの、乗り換えの時期かもしれない。

その足で原宿駅前のDig The Lineへ行った。もう初夏のように暑くて、圧倒的に昼ビール気候だった。タップて繋がっているセッションIPAを飲む。少し青っぽくて爽やかなのどごし。1杯で会計して、コーヒー屋へ直行。ケンさんに「早いねえ」と言われて「退職したんです!!」と満を辞して返答した。もうそんなところまで来たか〜、と感心される。ケンさんの本職にまつわるビッグニュースを聞いた。まさかそことそこが!?と驚いたが、異質性に興味を見出して飛び込もうとする40代のパッションがやっぱり好きすぎるし、心底リスペクトしている。帰宅してからは本を読んだりして過ごし、夕飯食べ、23時頃寝た。連日令和ロマンや金属バットやオモコロの動画ばかり観る。怠惰だが、有給消化中なので大目に見られたい。少なくとも、月末まではそうやってのんびり過ごしたい。

金曜、朝起きて店Aへ行く。店に着いて予約ページをチェックすると、なんと平日には珍しいことに完売していた。しかも全員新規のロングコースだ。12時から18時までせっせと働いた。偶然にも、受けた客の全員が仕事の午後休をとっていて少し笑ってしまった、そんなことあるんだ。最後の客は一週間前からメッセージでやりとりしていた人で、ビールと氷結を差し入れに持ってきてくれた。スタッフから「背の高い方でした」と聞いていたが、実際会ったら188cmの大男でびっくりした。18時をすぎて精算し、一度自宅に帰って、そのまま実家へ帰省するための電車に乗る。タイミング悪く、帰宅ラッシュに巻き込まれながら。

立川で飲もうかなと思っていたけど、何も食べておらず空腹が勝って(かつ直通運転があったので)そのまま実家へ。改札を出るとやはり都心より少し寒い。実家最寄りのスーパーは一生年齢確認をしてくる。今回はきちんとパスポートを提示できたので事なきを得られた。実家について、母と会話しながらセブンで買ってきた惣菜をつまみにビール開け、0時すぎに母が敷いてくれた布団で寝た。藺草の匂いが懐かしく、ひんやりしていて気持ち良かった。

土曜、4時に起きる。兄と母が昔のように大喧嘩している夢を見た。トイレ行ってまた寝て、8時頃おはようと両親に声をかける。だらだらと支度を済ませ、9時半にスタバへ。アイス抹茶ティーラテにホイップクリームとダブルエスプレッソショット追加、の甘くしたいんだか苦くしたいんだかよくわからないバランスのカスタムにハマっている。12時の電車で奥多摩へ。青梅駅のホームでAちゃんと合流して、終点の奥多摩はバテレを目指す。

奥多摩駅が近づくにつれて胸が高揚する。最高の天気と最高のロケーションを大好きなビアギークの友人と共有できる嬉しさで。タップルームは予想通り混んでいたが、20分ぐらいでテラス席に着席できた。待っている間も飲めたので全然オッケー。NZ IPAをひと口飲んで、うますぎる……!と唸った。田舎と自然と水のおいしい地域のビール。ハイアルめのラインナップで気をつけなければ、と思いつつガバガバと飲んでしまう。プルドポークのサンドイッチやピクルスなどをシェア。2時間半ほど居座って、15時の電車で帰路へ。

帰りの電車では爆睡して、隣の人の肩にもたれてしまい目の前の男性に肩を叩かれた。申し訳なくなって、すみません…と陳謝。青梅駅でAちゃんとは解散、実家につくまではドア横に立つことにした。一度家に帰り、まだ若干酔っていたが、気合いで朝Googleマップで検索していた徒歩5分の新しいタップルームへ。マジで幼少の頃から馴染みのある商店街の軒先にあってすごかった。

女性二人で経営されていて、サワーエールが柑橘系でものすごく美味しかった。空腹でぐびぐびといきたかった。サイズが日本で出るパイントよりもいくらか大きかった気がするので、もしかしたら基地のある土地柄海外のサイズ感に合わせているのかもしれない。卵のピクルスと辛味ソースのチキンを頼んだら、予想以上にチキンが辛くて汗をかいた。すっかり酩酊し会計。まだ19時ぐらいだったが、せっかく地元に戻ってきたし……とラーメン屋に入って一番搾りの大瓶とつけ麺を頼む。ギリギリ自意識を保っているので過食ではないけど胃バグ。こういうときに水を飲めないので理性を欠いてしまう。本当学んでください。けどつけ麺美味かったな。フラフラで家に帰るなり、両親に声もかけずそのまま気絶するように寝た。

日曜、明け方に頭痛で目が覚めてから何度も水を飲みに立つ。やりすぎた、と少し後悔。大人しく実家のテレビでTHE SECONDリアタイすればよかったものを。しかし地元の水がやっぱりおいしすぎる。甘くて水道水でも全然飲めるので、持ち込みのいろはすの中身を棄てて地元の浄水に入れ替えた。昼にまた来るねと言って実家を出て、高尾にある某病院へ祖母の見舞い。イケメンの看護師さんに案内され、おばあちゃん来たよと伝えると、自分に気づいてくれてそれだけで何だか胸が締め付けられてしまった。94歳の祖母はもう長くなく、主治医によると8月がヤマらしい。それでも自分といてくれる間はよく喋ってくれ、「〇〇ちゃんは美人コンテストで優勝できるね」と4、5回目を見て褒めてくれた。出ちゃおっかな〜、などと返しながら、おばあちゃんの血筋だからね、と伝える。20分ほどでバスの時間になって退室。また来るねと言った。あと何回大好きな祖母と話せるだろうか。

高尾から新宿までは中央特快で一本なので、氷結飲んでから乗車して帰りの電車は金属バットのラジオ聴きながらほとんど寝た。家に着いて荷物を置き、そのまま近所のLUGへ行き、肉麦スタッフ&常連数名にまざってクラフトロックブルーイングのTTOに参加。一杯だけ飲んでコーヒー屋へ。ケンさんに木曜日と同じ会話を繰り返されたが初聴のふりをする。1日何人もと会話しているので仕方ない。帰宅して、夜はパチモンではない本物のブルダック麺と納豆を用意し、カルボだとあんま辛くないな……と思いながら食べ、THE SECONDの見逃し配信を途中まで観て、23時頃に寝た。

月曜、店Aから店Bを梯子。店Aは絶望的に暇だったがBの方では指名が入りそこそこ稼いだ。前の在籍にいた頃から自分を知ってくれていたとのことで、差し入れにプレミアムモルツと一番搾りをもらってラッキーだった。家に帰り、一日何も食べていなかったが体重を戻すためサラダチキンとほたてバーだけでしのぐ。THE SECONDの続きを観て、1時頃に寝た。

火曜、オフ。9時頃起きてがっつりシンク下収納の掃除。10時半頃家を出て、証明写真を撮ってから新宿ルミネのスタバへ。令和ロマンのご様子の最新回が更新されていたので聴く。ちょうどTHE SECONDの振り返りをしていて、まだ準決勝で止まっているのでその辺りの話題は聴き流すように視聴した。スタバに着いて、また抹茶ティーラテのダブルエスプレッソショットとホイップ追加を頼んで、数年ぶりに履歴書を書いた。履歴書はもとい、久々にボールペンで字を書くという行為をしたので、変にこわばって肩や指先に力が入る。途中途中で息を止めながら、3枚目でようやくすべてミスらずに記入できた。下書きをしたかったけれどシャーペンがなく、誤字をしたり、職歴欄が思っていたより少なかったり、アクシデントに見舞われつつ買い足す必要なく書ききれてよかった。証明写真を貼って折らないようにしまい、一時間ほど読書をして、ルミネtheよしもとへ。

退職してからやりたかったことの一つが「昼帯のお笑いライブに行く」だった。言わずもがな令和ロマン狙いでチケットを買い(もちろん他の演者も好きではあるのだけど)、ご様子ライターとステッカーを購入してから劇場に入る。令ロはまさかのトッパーで、若干どよめきに近い歓声が響いた。くるまが演じる人格の使い分けとケムリの適切なツッコミのバランスが面白く、ようやく生で観られて感動した。横澤夏子や2丁拳銃も面白かったのだが、令和ロマンを越してこの日トータルで笑ったのはZAZYだった。正直メディアを通してのZAZYはあまりツボに入ることはなかったのだけど、生で鋭角六角の下りを観てこんなに面白いのかと思ったし、散弾銃というかマシンガンというか、観客を休ませる気がさらさらなくて文字通り抱腹絶倒した。兄の影響で音楽同様そこそこお笑いカルチャーにのめりこんできたけど、あんなに涙目になってヒクヒクするほど笑ったのは26年間生きてて確実に初めてだった。トリの中川家で終演を迎え、15時すぎに劇場を出た。

山手線で新大久保へ。暑い。駅徒歩すぐのところにある某眼鏡販売店で、新規オープン店舗のアルバイトスタッフの面接に。全然今の店AとBだけの勤務で収入面は事足りるのだが、カモフラのためにも普通の接客業を持っておこうと思った。飲食は過去何度もやってきて「あくまでサービスを受ける側でいたいんだよなあ」という感じだし、それでも自分の人懐っこさと会話力を活かした、人と関わる仕事がしたいと感じた部分も大きい。にこやかな経営層のおじさんと、ラフな兄ちゃんみたいな雰囲気の店長を前に自分のこれまでの経歴を簡潔に話す。アルバイトでも適性検査を受けるって今時主流なんだな。今日の夕方か明日の夜に合否連絡をしますと言われ、店を出てそのまま恵比寿へ。IBREWで労りの「神の飲み物」をパイントでぐびぐびと飲み干し、18時頃に帰宅した。

少し日記書いて、THE SECOND完走して、夕食の支度。といっても冷蔵庫の余り物を出すだけで、札幌で買ったソーセージを茹で焼きにして、群馬で買ったクラフト粒マスタードを添え、買い置きしていた洋風オムレツとベーグルを皿に盛った。見栄えは満点、これが冷蔵庫のものだけで揃ってしまうならばあまりにもコスパ・タイパの良いご馳走だ。客からもらった一番搾りをあけながら、セカおじ緊急生配信を視聴する。もうTHE SECOND完走した身なのに、くるまの分析トークが早口かつ雄弁すぎて9割理解できなかった。ビールを3本と氷結を1本あけて、BURGER NUDSのサブスクが解禁された旨をXで知り、明日聴こうと思って0時頃に寝た。