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【日記】大切にするという使命

金曜、仕事終わり高田馬場。シクロさん、ありさん、日記。さんと新年会。すっかり顔なじみのメンバーという気がして嬉しい。少し早めに会社を出たのに遅れそうで、5分遅刻しますと連絡して駅に着いたら10分遅れそう。少しでも巻くために走る。疲れて止まる。また走る。一本道をひた走って止まる。

店に着く手前で肩を叩かれてギョッとする。誰!?と思い振り向いたら日記。さんで、自分の少し後ろを箱根駅伝の給水係バリに走っていたらしい。呼んでくれていたらしいけどイヤホンしており気付かず申し訳ない。あと自分のヘナチョコ走りを見られていたのは結構恥ずかしい。

高田馬場はブイプラス。インスタの都内ビストロまとめ、みたいな投稿でよく見かけていたので来訪でき嬉しい。しかも大切な方々と。ショーケースにBREWSKIとかインクホーンのBUNCHOとか。何が合いますかね、これどんなビールですか、と聞いてもらえて、知識ひけらかすわけではないけど頼りにしてもらっている感がありちょっと誇らしい。前菜のプレート、色々な味覚が乗っかっていて話しながらゆっくり食べる。煮しめやいくらがちょっと正月っぽい。ひとり一個の焼売。でっかいチーズとサーモンのソテー。中華なのにハンバーグ。中華の域を超える中華。ありさんとシクロさんおすすめの白ワイン。カパカパ飲んで、会話のBPMが速くなる。

お腹いっぱいになるねなんて話していたのに、時間があるので二軒目。高田馬場ビール食堂に行こうとしたけど気が変わって鳥貴族。メガジョッキのレモンサワーに安いからと言って一軒目並みのフードを注文。先のハンバーグと焼売と、トリキのチーズつくねと、新年から致死量のあいびき肉。マグカップからミスドの話。会話を巡らせているうちに視界がぐらつく。皆さんの終電前に会計して、店の前でありさんと日記。さんにサンドイッチされて思わずニコニコ。自分の表面以外を知ってくれている、心から信頼できる人々のぬくもり。シクロさんが撮ってくださった写真もどこか暖かく優しい。タクシー配車して帰宅。車中、旅行中の彼氏に電話して「あんた酔っ払ってるでしょ」と指摘される。おっしゃる通りですわ。だってこんなに楽しかったんだもん。最近また酒が弱くなった自覚はあるものの、彼氏然り、大切な人々と過ごせているからだろうなと思う。帰宅してシャワー浴びずに部屋着姿になり、氷結ひと口飲んで寝た。

土曜、用事があったもののリスケ。年末年始の食生活で身体が重く、体感5kg増えたような気がする。普段ストイックに自分を制している分、こんなに好き勝手してちゃダメなのに、と思う。昼前に酒が抜けるもダラダラと。メイク系YouTuberのハウスダストにハマっていて延々と動画観る。言葉を選ばずに言ってしまうけど、芋顔のすっぴん晒した状態から神的な技術でダイソーコスメも武器にしながら顔面工事に挑む姿がすごく親近感があって好き。自分も整形級に顔が変わるうちの一人なので。いつも5分ぐらいで終わらせてしまうから、今年はメイク頑張りたい。高校生ぶりにアイライン引いて外に出る。

夕方にコーヒー屋へ。新年初営業、あけましておめでとうございます。アマクサのカシオレスムージー飲んでると、外から来たとある女性が健さんに「馬場のブイプラスって知ってる?」と話を振っていて、!?と思い、自分昨日行きましたよと無理くり会話に入る。お酒が飲めない方らしく、でもブイプラスのオーナーは雰囲気的にノンアル客NGそうですね…という話をする。インスタ経由で「バズる」店、酒もろくに飲めない写真メインの若い層が単価安く帰ろうとするので店が困っており、予防策としてSNSのbioに最低◯杯は頼んでください、という但し書きをしているのをよく見かける。「フード目的で行きたいけど酒が飲めない人」の主たる人たちにとってはとんだとばっちりだと思う。飲める人も飲めない人も等しく空間を共有できるフォーマットが必要。夜、焼いたささみと雑オムレツ。胃が苦しくてゆっくり咀嚼する。旅行及び帰省から帰ってきた彼氏が気遣って電話をかけてくれたけど、眠たくなって反応薄いまま切る。ごめんねと思った。23時半頃寝た。

日曜、予定あって朝起きる。空き時間でまたハウスダストのチャンネル観る。インスタのおすすめ欄がアルゴリズムでグルメ一色からメイク一色に変わる。食に執着しないためには食に触れる機会を自主的に減らすこと。20時半頃解放されて吉祥寺。彼氏が駅まで迎えに来てくれて、セブンでサンドイッチなど買って家まで行く。一週間振りなのに、年末年始4日間会っていたせいでやたら懐かしく、家に着いて互いの匂いめちゃくちゃ嗅ぐ。スーーーーー、と吸われてつい「それはきもいよ」とw多めで返してしまった。遅めの夕食と土産ビール。WCBのバレルエイジのサワーエール、目が冴えるうまさ。豊かな桃の香りと濁り、ホップ控えめで鼻に抜ける酸味。安くないのにありがとねと礼を言う。DD4Dのドン・ハラペーニョはあんまり辛くなく、苦味のきりっとしたIPAだった。最後に自分氷結、彼氏はマルエフの黒生で締める。鼻炎でくしゃみと鼻水が止まらない彼氏。アレグラ飲んでもらって、0時頃寝た。

月曜、祝日。朝から親友の一人にLINE経由で縁を切られる。自分が悪いことは認めるけど、自身がしてきたことは棚に上げるんだ、と思う。優先順位をつけたくなくても、忙しない日々で同性の友人より彼氏との時間を大切にしたいと思ってしまう自分の管理能力のなさをいたく実感する。時間が三倍、自分が二倍いればこんなことにはならなかったのにね。修復するのも面倒になって投げる。去る者追ってても仕方ない。「もう仲良くできない」と言われて、こんな簡単に切れてしまうんだと思う。あんたの頑張ってる姿に感化されてこっちも頑張ってこれたのにね。

彼氏とヒルズ巡り散歩を決行するはずが、彼氏の鼻炎及び風邪を軽くもらってしまったのと、昨日までと段違いに寒く取りやめに。二人して鼻を垂らしながら八幡で初詣。おみくじを引いたら半凶、彼氏は凶で幸先悪い。ってか半凶って何…?一度うちまで行って荷物を置き、身軽になってコーヒー屋へ。彼氏はインクホーン、自分はうちゅうのラスト缶を開ける。この日は岩崎さんだったので、岩崎さんにもあけましておめでとうの挨拶。常連の、グーグルで働く金持ちイギリス人が結婚するらしいとかなんとか。一杯飲んで店を出る。やっぱり刺さるほど寒い。

六本木はTOHOシネマズで『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』やっと観る。ティモシーがひたすらにイケメン、上向きの青い目がウィリー・ウォンカの素っ頓狂な風貌に合っているなと思ったり。あとやっぱり歌が上手いし、張った声も伸び伸びしていて聴いてて気持ちがいい。登場人物が多く、それぞれのアナザーストーリーも展開していて予想以上に見応えがあった。確かにオリジナルと別モノだったが、ラストのシーンで浮かび上がるチョコレート工場が原作ママの構図でグッと来た。ティモシーの一件を抜きにして、久々に良い映画を観たと思う。

虎ノ門ヒルズへ移動。できたばかりのせいか、どこを見てもまだまだ新しい店舗が入りそうな余裕が十二分にあって、敷地と店舗の数が見合っていなかった。鼻水が止まらず、虎ノ門ヒルズ内のファミマでポケットティッシュを買う。得られたものがそれだけになってしまいそうだったけど、中川政七商店で彼氏と家飲み用のグラスを2つ買うことで回避した。

18時半頃から夕食開始、T-MARKETで梯子酒。コンセプトは「大人のフードコート」らしい。まずは大目当ての牡蠣を、ということで『pon coe bon』に。立ち飲みスタイルでいただくお高いレモンサワー、彼氏は辛口、自分はスパイスの利いた甘めのものを頼み、大粒の生牡蠣と一緒に流し込む。都内で生牡蠣がおいしいところなんてそんなに…と思っていたけど覆されるほどの大当たり。うますぎてぶっ飛んだ。二人して目を丸くしながらこれはヤバいと大興奮。ウフマヨはヨーグルトの酸味の利いたソース。彼氏に「今まで連れてったなかでどこが一番良かったか」と聞いたら『キッチンかねじょう』だった。確かにかねじょうのウフマヨも絶品。ビールの種類をもう少し増やしてくれたら我々にとっては完璧なのだけど。というかウフマヨって絶対に一個じゃ足りなくない?3つぐらい食べたいよな?と会話して、じゃあ今度家で作ろうとなる。ボウルに卵1パック分抱えて食べて死ねるなら本望。

二軒目、ブルワリー兼レストランの『dam』へ。彼氏はセゾン、自分はIPA。IPAって絶対に食事ありきじゃないと苦味が目立って飲めないのだけど、グレープフルーツの柑橘味で緩和されてとても飲みやすかった。恐竜の卵みたいな色とりどりのオリーブをちまちま食べ、完飲。

ラスト三軒目、『crazy pizza』。ショーケースにひみつビールが陳列されていたので絶対に行こうと見た瞬間に決めていた。フードはL.O.後ということだったけど、ピザのみOKらしく、ハーフアンドハーフで頼む。マリナーラと山利シラス。彼氏はプラムのサワーエール、自分はひみつビールのイングリッシュビター。何度か飲んだことがあるけど、スタウトまでいかないモルト感とカラメルの濃さがおいしい。もちろんピザも絶品で、辛いオイルをたっぷりかけてもぐもぐ食べる。軽すぎず厚すぎずベストな生地感。食べ終わって会計。21時半頃に施設を出た。虎ノ門なんてなかなか足を踏み入れるには敷居が高いけど、どこも魅力的な店舗ばかりだったので絶対また行きたい。

23時に二人で帰宅。洗って冷やしたペアグラスでDD4DのIPAを飲む。スマホの画面で動画を流し見。ちょうどいい酔い心地で楽しく帰れたのに、親友の件がちらついてしまい彼氏に吐露する。ついでに自死を選んだ昔の親友のことも、話しておかなければいけないと思っていた節は長くあって、このタイミングで明かしたけど、結局話しているうちに堪えきれず泣いてしまった。自分が守れると思っていたのに、結局今でもこうして周囲のことを大切にできていない自分のダメさが浮き彫りになるということは、いずれにせよ守り通せなかったということだ。

今泉監督のポストを反芻して二度泣く。自分がいたから一日でも長く生きてくれたのだ、と思うこと。それでも、最後に連絡をくれた日、這ってでも予定を取り付けて会いに行けば良かったと思う。あの時の自分の行動を反面教師にしているくせ、全然未だに自分中心で生きていて恥ずかしい。彼氏に背中をさすられながら「大丈夫だよ」と声をかけられる。こんな弱虫で申し訳ないけど、君のことは何に代えても手放したくないと思う。全部大切にできるほど器用じゃないのかもしれない。楽しかった連休最終日、じっとりとした物悲しさと自責に包まれながら、0時半頃寝た。