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【過去記事】代表ブログ:「アイツ(あの会社)は使えない」と連呼する奴(企業)は、得てして、そもそも発注の仕方がヘタクソ

**この記事は2018-08-22にフロカレHPにアップされたものを再掲載しております。**

ここ数年は、人材開発を担当している私。
事業成長のために研修講師をしたり、研修企画を立てたりする部門です。
講師業務ばかりが目立ちますが実は主たる業務は企画業務です。

この企画業務を通じて、学んだこと。
それは、「発注がへたくそだと、できあがる企画もしょぼいものしかできない」ということ。
そして、「異常に企画の完成に時間がかかる」
更に、「アイツ(あの会社)は使えない」と連呼する奴(企業)は、得てして、そもそも発注の仕方がヘタクソだということ。

え?発注者は神様?そんな希望でも形にしてこそ、真の企画者だろう?ですって?
だいたいろくでもない発注者に限ってそういいます。
そして、企画者をパートナーではなく、「単なる聞き分けのよい便利な下請け」くらいに思ってます。

そして、企画者はこう思うのです。「おいおい、丸投げかよ。」
こうなると一気にやる気は低下、とにかくこの案件を通すことに集中し始め、本質な
*この辺は企画職やアウトソーサーの皆様は強く共感いただけるのではないでしょうか。私だけですかね(笑)

~エピソード~
顧客から「学習意欲を高めてほしい」というオーダーを受けたN田さんは、しっかりと顧客のニーズをヒアリング。
様々なところにインタビューにいくなど状況調査も実施し、問題点を明確にしていきました。
そして、一生懸命、関連する事例や書籍・論文を読み漁り、知見を深める&材料集めに奔走しました。
そして、それらしいコンテンツ案をつくり提案しにいくことに。発注者が「すごい!完璧だ」と驚く顔を想像して…

そうこうして2週間が経ち、進捗報告と次のアクションの提案に向かいました。
喜んでくれるだろうと思い臨んだミーティングでしたが顧客の反応は意外なものでした。

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とりあえず、問題解決してもらう立場なのになぜか、上から目線。
*マウントくそ野郎と呼んでいます。
金払ってんだこっちは!という理屈もわからんではないですが、
病院で「金払ってんだこっちは!さあ治せ!」なんてバカいないですよね。
なのにこの人はとにかく上から目線でした。ひっぱたきたい。

さっそく提案をすると「うーん、なにか違う。もっと○○という要素が欲しいんだよね」
あれ、発注時そんなこと言ってたっけ?

「そもそも、これやるとどうなるんだっけ?学習意欲が上がった状態ってどんな状態なの?」
えっ、それはこちらで考えること?っていうかこないだ自分で言ってた話、忘れてる?

「対象者は先日のオーダー通りで本当にいいの?」
えっ、それもこちらで考えること?こないだのニーズ通りでいいんじゃないの?
なにいってんのこのおっさん………

結局、企画は振り出しに戻り、「ちゃんと対象者やゴールイメージ煮詰めて考えて企画作ってよ!」と怒られてしまいました。
更には「あー、どこの研修屋も全然期待通りのもの作らないし、効果でないんだよな~!」

聞けば、N田さんに依頼するまでに、複数社研修を外部に委託していたとか。
そして、どこの企業にも今回とおんなじことをぶつけたそうです。

その時、N田さんはピンときましたね。
「悪いのは俺じゃない。犯人は、そこのお前だ、この野郎!!!」
*オリジナルの名言です。パクリではないです

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さて、このケース何が問題だったでしょうか。
結論、「発注者がアホ」でしかないのですが、ここは代表ブログ。この辺の愚痴・悪口は身近な後輩=生贄にでも
吐きだすとして、ちょっと他責マインドをグッとこらえてそれっぽく体裁上、反省していきましょう。

ここでは様々な問題点が隠れていますが、結論、これは企画側のTOBE確認=あるべき姿&ゴール設定が甘かったことが要因です。


ラーメンに置き換えると「うまいラーメンが食べたい」とお客様に言われたから反射的に作ってしまったという状態。
結果、出してみたら、「もっとトッピングが欲しかった」「濃いめが好き」「魚介系はちょっと…」など、様々なクレームを
起こしてしまったようなものです。そして、企画者はこういいます。「一生懸命やったのに…」。

一流の料理人でも本人にあった「うまいラーメンだしてよ!」といった雑なオーダーにドンピシャで
「ぴったりのオススメラーメン」をノーヒントで出すのは不可能です。
ラーメンといっても太麺細麺平面ちぢれ、かん水有無、生めんインスタント麺、あっさり系こってり系、魚介系肉系、
濁りスープ透明スープ、つけ面ラーメン油そば、薬味は生姜にんにくネギこしょう煮干し魚粉一味七味コーレーグース、
生卵ゆで卵味玉燻玉、トッピングは…後味や香りは…あう飲み物やサイドメニューは………
ラーメン一つとってもこれだけ聞かないといけません。

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そして、認識しなきゃいけないのは、だいたいの場合「うまいラーメン」というものが発注者自身、その定義が明確に定まっていないことがほとんどということ。

そして、企画者はこういう発注者をみてこう思います。
「あー、発注ヘタクソだな。発注慣れしてないな。メンドクセ」

とはいえ、ラーメンでも企画でも、相手は「どうしてほしいという方向性は持っているが詳細は持っていない」ものなんですね。
みなさんも「いい生活がしたい」「いい会社に勤めたい」と思うでしょうが、詳細を聞かれると「?」となったりあれもこれも…となり
選べなかったりしますよね。人間そんなもんです。そして、発注者もそんなもんです。
そう発注者だって、「にんげんですものね。」
*オリジナルの名言です。パクリではないです

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そのことを認識し、一緒にTOBE=あるべき姿を一緒に明確に描いていきましょう。
加えて、このTOBEが本当に正しいTOBEかをプロとして、健全に批判することも忘れずに。
発注者が「正しい発注をする」とは限りません。


とはいえ、世の中、いい顧客=仕事がスムーズに進み、お互い納得の結果が出やすい顧客というのも多くあります。
そういう顧客は「企画に必要な材料これで足りますか?他にも協力できるところありませんか?」と聞いてくれます。
一方、今回のクソ野郎のような顧客とは全然違います。そもそも、問題解決はどちらか一方が頑張っても非効率なんです。
やっぱり一緒に考えないと。

発注者も企画者も、目指すべきゴールは一緒。
単なる下請けではなく対等に接して最短最善の解を共に見つけましょう。

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