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2021年度 Xデザイン学校 ベーシックコース 振り返り

今年2月に最終日を迎えたXデザイン学校のベーシックコース。
約10カ月の間、バックグラウンドの異なる社外のメンバーと協働して、架空のスタートアップ企業をつくり「大手企業のプラットフォームを使用して新規サービスを考える」課題に取り組みました。最終日には企業の方に向けて各チームでピッチを行い、フィードバックをいただく貴重な経験ができました。

反省点は多々ありますが、それ以上にたくさんの学びを得ることができました。実際に、講義後の業務ではクリエイティブの質が高まったと声をかけていただくこともあり、本当に有意義な経験だったと実感しています。
全体を通しての振り返りや、今後の取り組みについてnoteにまとめました。

キャリアの見直しと学校との出会い

これまでのキャリア
私は2012年から株式会社ルート・シーでデザイナーをしています。
Web制作がメインですが、紙媒体の広告やパンフレット、ロゴデザインなどの制作も行なっています。

私の最初のキャリアは、前職の広告代理店でアシスタントデザイナーとして働くことからスタートしました。下積み期間を約1年経て、雑誌広告のデザインや自社で発行したファッション誌の取材、編集にも携わりました。

広告代理店で6年間働いた後、ルート・シーで働いていた友人の紹介で2012年に転職。Web業界は未経験だったので、たくさんの失敗を経験しながら、必要なスキルはほぼ現場で身に付けてきました。
その後出産・育児を経験し、仕事とプライベートの両立に苦戦しながらも少しずつ仕事の幅を広げ、将来はアートディレクターになることを目標に日々の業務に励んでいました。

価値観の変化
しかし、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、生き方や働き方の価値観が大きく変わりました。
世の中が不安定な状況になるにつれて、本当にやりたいことは何か、今の働き方を続けていて良いのか、漠然と不安と焦りを感じるようになりました。
また、デザインのコモディティ化も進む中、自分には突出して優れたスキルがないことにも危機感を抱いていました。

これまで以上に上流工程の知識や経験が必要だと感じながらも、何から手をつけたら良いか。もやもやした気持ちを抱えつつ、仕事の合間にUXやブランディング、ビジネス関連の書籍を読んだりウェビナーを視聴したりするなど、独学を一年ほど続けていました。
2021年のはじめに、当時グロービス経営大学院でMBAプログラムを学んでいた上司に「経営者の視点でデザインを提案出来るデザイナーになりたい」とキャリアの相談したところ、ビジネスの視点が身につくのでは、と紹介されたのがXデザイン学校でした。

一番の学びは「自分ごと化」すること

物事を自分ごととして捉えることは、サービスを考えたりワークに取り組んだりする上で最も重要だと感じました。

サービスの自分ごと化
常に「なぜやるのか」「あるべき姿は何か」を追求しながらサービスを考える必要がありました。
人々が本当に価値を感じるサービスとは、自分も心から取り組みたいと思えるものでなければならず、ビジネスの動機が詰め切れていない状態で進めるとすぐに壁にぶつかります。また、講義が進んでからの軌道修正は容易ではなく、いかに最初の設定が重要かを学びました。

難しさを感じた反面、課題に向き合う中で、人の行動の背景からインサイトを探ることの楽しさを知ることができました。
自分の考えていることは他人とは違う、しかしその根本にあるニーズは重なっているかもしれない、と気付けたのは大きな学びでした。

ワークの自分ごと化
学校初日は講義についていくのに必死で、メンバーの意見に耳を傾けるだけで終わってしまったのですが、受講後ふと頭に浮かんだのは、「主体的に学ばないとこの先の数カ月が無駄になる」ということでした。
メンバーの多様な価値観に触れることは毎回とても刺激になりましたが、自分なりの学びを得るために、常に「主体的に学ぶ」ことを意識しながら自分が出来る役割が何かを考え、発言し、チームの課題に向き合いました。その結果、後半の期間ではチームのファシリテーションの経験もでき、自分でも想像以上の成長ができたと感じています。

包括的に学んだ10カ月

講義はブリコラージュ
ブリコラージュ(Bricolage)は、「寄せ集めて自分で作る」こと。
「今の学びはブリコラージュ」だと浅野先生はおっしゃいましたが、この10カ月の講義もまさにブリコラージュで、回を重ねるごとに点と点がつながり、最終発表直前には一気に解像度が高まる感覚がありました。

ビジネススキルの基礎を学び直す
「考える」とは頭を抱えて唸っている状態ではなく、まずは経験してみて、その経験の中で得た情報を整理して構造化すること。
課題に没頭して視野が狭くなっている時ほど思考停止に陥りがちですが、先生が講義の中で客観的な視点に切り替えられるようにサポートしてくださったので、正しく考えようとする癖がついたと思います。
また、物事を民主的に進める弊害について、無難な案に着地させる危うさを知ることができました。チームで課題を進める上での判断基準をどこにするかなど、改めてビジネススキルの基礎を見直す良い機会になりました。

最終発表を終えて

ピッチ後の講評では、想定していたリアクションとは異なり厳しい結果となりましたが、自分たちが気づかなかった視点を知ることができて大変勉強になりました。もっと多角的に物事を見つめ、相手の環境や前提条件を考慮してアプローチの仕方を工夫していく必要があると感じました。
最終発表の悔しさをバネに、今後も貪欲に学び、伝える力を身につけていきたいです。

社会人の学びのスタート地点

講義を終えて、自分の中にやっと発達するための土台が作れたと感じています。時代の変化に伴いキャリアパスも多様化していますが、デザイナーに関わらず、どんな仕事にも活かせるスキルをこの学校で学ぶことができました。今後は経験を積んで、人とサービスをつなぐデザイナーを目指していきたいです。

今後の取り組み

先日社内で、「年内にUXのワークショップを企画・開催する」と宣言しました。
すべてが初めてなので正直不安の方が大きいですが、参加してくださる方が楽しみながら、自分ごととして捉えられるワークにしたいと考えています。
無事に開催できたら、またぜひ共有させてください!

さいごに

たくさんの気付きを与えてくださった浅野先生、奥山さん、チームメンバー、学校で出会ったみなさんに心から感謝しています。
ここでの出会い、経験を糧に、失敗を恐れずに挑戦し続けていきたいです。
これからもよろしくお願いします!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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