一方通行風呂
もうすぐ一年ぶりのデート、織姫は心がときめいていた。
天の川で身を清めようと川のほとりで静かに衣を脱いだ。あたりは深い霧・・そろり歩を進めたところで足をとられ、深みにはまってしまった。
「助けて!」
気がつくと女性が顔を覗き込んでいる。
「ああ、よかった、ワイン飲んだあとお風呂になんか入るからよ。
おねえちゃんよ、わかる?引っ越したから来て、って言うから来てみれば飲みすぎて湯あたりするなんて。全くチズったら!」
「おねえさん?」
わたしは天の川で湯あみしていたはず・・
「姉」は素早くわたしをタオルで包みベッドまで付き添ってくれた。
「ほら、お水飲んで。じゃあまた来るから」そういうとあたふたと帰って行った。
そういえば、私、引っ越したんだ、新しいお風呂にゆっくり入っていたら眠くなって・・・
そうだ!きっとうちのお風呂はあの天の川とつながっている!
けれども天の川に戻る方法は霧のなかだ。
そのとき、天井から下がったお気に入りの星型ライトがキラリ光った。
おわり(416文字)
たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
ちょっと図々しいかな、織姫さんごめんなさい。
「真夏の夜の夢」です。(≧▽≦)
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