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詩の会・5月

①せつない想いを
 秘めてうつむくエゴノキの花
 白いじゅうたん敷き詰める
 やがて薄緑の実を飾る
 山道の楽しみ

②トンボ鉛筆を
 ボンナイフで削り
 意地悪な漢字を
 ノートに書き写す
 ぼくの昭和が懐かしく匂う

③大丈夫よ
 あなたは悪くない
 安心して
 そうよ
 私には私がついている

④お目覚めか
 庭の片隅
 バランの根元
 私を呼んで
 アマガエルの第一声

⑤誰もいない川原で
 青空泳ぐ鯉のぼり見上げ
 胸を張り両手を拡げ わぁ~
 少し周りを窺って
 わぁ~ いいね わぁ~


⑥例えば煮物の出来映え
 年経る程に増していく
 まぁいいか・・・
 そんな自分も許しちゃおう
 まぁいいよ って

⑦駐車場の
 車の影から
 猫が馬のように
 走って来る
 黒雲が追いかけて来る

⑧丘を登り目にしたのは
 忘れられたかの
 苔むした石仏一体のみ
 そっとホタルブクロが
 寄り添い咲く今

⑨同じ背丈でふたつ並んだ
 たんぽぽの綿毛
 同じ風に乗り
 同じ空き地に着地して
 ず~っと一緒だといいね

⑩ホーホケキョ ホーホケキョ
 聞いて聞いて
 上手でしょう!
 覚えたばかりのさえずりに
 私も笑みをもらう


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以上詩の会の作品集です。
一席はどれだったでしょう?あなたの採点は?
チズの作品、わかるでしょうか?

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結果発表!
一席 ⑨ !!!
 同じ背丈でふたつ並んだ
 たんぽぽの綿毛
 同じ風に乗り
 同じ空き地に着地して
 ず~っと一緒だといいね


皆さんのコメント
*「ず~っといっしょだといいね」に惚れました。タンポポの綿毛を見てここまで想像するって何を見ても楽しめる人だと思いました。私もそのそばにいさせてもらいたいと思いました。
*ほんわりした景色が世情不安の今、安らぎをいただけます。
*散歩道に見かける景色です。お互いの思いをのせて着地するのでしょうね。メルヘンの世界。

二席 ⑥ 
 例えば煮物の出来映え
 年経る程に増していく
 まぁいいか・・・
 そんな自分も許しちゃおう
 まぁいいよ って

皆さんのコメント
*「まぁいいか」最近私も感じております。気持ちが軽くなりますね。
*年齢を経て増していくのはベテランの味かと思いきやの3行目。許容範囲が増すことは年齢を重ねたからの事か
*性格が寛容になったのか、面倒くさがり屋になったのか、いずれにしても、まあいいんじゃな~い。正直さが良く判り面白い詩歌。 

三席 ➁
 トンボ鉛筆を
 ボンナイフで削り
 意地悪な漢字を
 ノートに書き写す
 ぼくの昭和が懐かしく匂う

皆さんのコメント
*意地悪な漢字どんな字?ってすごく知りたい。「ぼくの昭和」という表現光ります。
*懐かしい名前が並びます。本当に漢字はパソコンの変換に頼っていると、実際に書く際に漢字の意地悪さを感じますね、同感です。
*鉛筆削り、漢字書き取り、昭和の匂いが。
小、中学生のころ、漢字の書き取り、難しい字を書き取る時は難儀しました。昭和カラーはどんな色でしょうか。

ところで私の作品は⑦!
 駐車場の
 車の影から
 猫が馬のように
 走って来る
 黒雲が追いかけて来る

皆さんのコメント
*普通の光景が突然現実離れするのは作者の独特の感性ですね。
*ムダのない言葉で描かれた5行全体からその場面がありありと見えてきました。私も猫の察知能力を信じる派です。

ドラマチックでいい出来だと思ったのですが、ブービー賞・・・
でもいいコメントがいただけて、満足でした。

みんなとのおしゃべりが楽しく、二次会の生ビールがたまらなく
おいしかった日でした。
   
               おわり

 







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