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電車に乗れば

    座席に耳を当てていた
男の子
すいと身を起こすと
お母さんに報告
    電車さんがんばってるよ!

右の高校生は数学
左の中学生は漢字
蛍光ペンの黄緑揺れて
東横線はもうすぐ
銀杏並木へ続く駅に着く

向かいの席の
中年男性
     袋とじを丁寧にはがしている
両隣の女性
不穏

ぎゅうと詰められ柘榴の実
はじき出されて鳳仙花
満員電車もなんの園(その)
花も実もある
サラリーマン

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電車の窓は意地悪鏡
皺くっきり
疲れた顔を写しだし
ほら見てごらん と
そらせた視線を引き戻す

夕日を浴びて走る電車は
それぞれの窓から
一直線に差し込む光に
串刺しにされ
身を震わせる

電車の窓から
走り去る家並みと
 どこまでもついてくる月を見る
家並みは若い日
月は心に沈む悩みかと

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             電車の短詩、集めてみました。あなたは、どれがお好きでしょう?

        わたしは、「意地悪鏡」かな?きれいに映してくれる窓は、    
       まだ見つかりません。

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