ライラック杯・俳句三句
自転車の猫背しなって春夕焼
じてんしゃのねこぜしなってはるゆやけ (季語・春夕焼)
青年が自転車を漕いでゆく。猫背の身体、しなわせながら。
家路へ急いでいるのだろうか。春の夕焼が美しい。
葉桜に覆はれてゆく園舎かな
はざくらにおほはれてゆくえんしゃかな (季語・葉桜)
仕事帰りに通りかかる幼稚園。満開だった桜がすっかり葉桜になり
園舎を日一日と覆ってゆく。
薔薇の芽や舌にころがす金平糖
ばらのめやしたにころがすこんぺいとう (季語・薔薇の芽)
ベランダの紅い薔薇の芽が、日に日に育ち、もう小さな蕾さえつけている。
ちょっといがいがする喉をうるおそうと、金平糖を口にいれて
眺めている。
以上三句、よろしくお願いいたします。
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