ノアはグルメ(呪いの臭み)
フランス、アルザスのアパートでのことだ。アジの干物が大好きな私は、さっと焼いたものをタッパーにつめ、日本から持ってきていた。フライパンでもう一度火を通そうとして、かなりの匂いが出ることに気づいた。換気扇をまわし、窓も開け焼いていると、突然、バサリ!と大きな音を立てて、黒い猫が窓から飛び込んできた。近所のアパートの窓でねそべっているノア(黒と言う意味で私が名付けた)だ。
フランスの猫もアジの干物が好きなのか?
驚いたがニャアンとすり寄るので、ほんの少し食べさせてみると美味しそうにモグモグ。ペットといる楽しさを味わった。
数分後、飼い主が心配しているかも、とノアを抱いて2件ほど先のアパートを訪れた。玄関に現れた中年女性は一瞬表情をゆがめノアを奪い取った。
メルシーくらい言ってもいいのに・・・
台所に戻ると干物の匂いが充満している。ノアの体に匂いが染みついていたのだろうか。飼い主さんのあの表情・・・自分の猫についた異臭を呪ったのかもしれない。
おわり(420文字)
たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします。
今週のお題は「呪いの臭み」です。こんな経験があってよかった!
白菜の漬物も持って行きましたが、こういうのは持って行っちゃいけなかったのかな?
でもアジの匂いは近所の家では迷惑だったかも、とその後は諦めました。
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