見出し画像

【うたスト・詩】夜の出口 

一瞬輝く交差点
あなたが今渡るところ

視線の先の
唇が
わたしの名を呼ぶ

会えた喜びかくすため
今来たばかり
ふるえる声
凍える指先

あの角を曲がったら
手をつなごう
少し震えていた
わたしの手は
きっとプリンのよう

この道は
甘い香り
メロン模様の
迷路

笑うあなたに
幸せになり
笑わないあなたに
とりこ になる

何にも言えない唇
なにか
言おうとして
ふさがれた

背中に耳を当て
空中に発する前の
あなたの声
一人占めしている

寝返りの先で
あなたにぶつかる
行き止まり
ここちよくて


あなたを見た
肩寄せ合って交差点を渡っていく
昨日からめあった指先
じんじん痛い

もう誰も
愛せないと
言ってくれたのに
恋のうわさ

水底のよう
揺れて見えない
あなたの心

わたしだけを
見て
強く願ううちに
ひとりになった

別々に生きていく
悟ったこの長く冷たい
夜の出口
誰か教えて

翼のないわたしは
夜をさまよう
手を伸ばしたら
何に
とどくのだろうか


おわり



課題曲X







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?