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「100ゼロ思考」からの脱却 お金と心のとても深い関係

FPとしてライフプランやファイナンシャル・プランの相談に関わっていると、お金と心の間にはとても深い関係があると感じます。

例えば、退職後のお金に関する不安。
リタイアしたあと、生活費は足りるだろうか。
医療費、介護費はどのくらい準備しておけば良いだろうか。
人生の途中で、金融資産が尽きてしまうことはないだろうか。

これらは将来が見えないことからくる不安=心の働き です。

また、資産の運用でも、
市場が下落を始めるとだんだん心配になってくる。
(どこまでも下がっていきそうな気がする)

これも心の働き。

これらの心の動きは、その後の行動に良い結果をもたらす場合もあれば、「行き過ぎた不安」となって、息苦しさや、望ましい行動を抑制することもあります。

そもそも「不安」をかんじるというのは、人類が長い間かかって獲得した生き残りの遺伝子。
「不安」を感じることが外敵から身を守り、生き残りることにつながったとのこと。
だから、それはDNAレベル。

そうだとすると、「お金の不安」をコントロールするのは案外難しいと感じます。
(常に冷静に合理的に行動できる人は少ない?いない?)

しかし「行き過ぎた不安」はなるべく避けたいもの。
心配し過ぎ。あまりに慎重。保守的になり過ぎて、せっかくのチャンスや新しい可能性をつんでしまうのも残念です。

そこで提案したいのが「100ゼロ思考からの脱却」です。

「100ゼロ思考」は、物事を100かゼロかで判断する見方、考え方。
良い・悪いや ◯✖️、正解・不正解で考えることも同じです。

「100ゼロ」で考えると、物事のYesかNoかがはっきりして分かりやすい。スッキリ感もあります。
また、学校で正解を問われることを繰り返してきたこともあって、つい「100ゼロ」で考えたくなります。

しかし、身の回りには正解や不正解が見えない、答えが分からないという事の方が多い。
これから先のこととなるとなおさらです。

また、メリットの反対側には必ずデメリットもある。
いいと思っていたことも、時間がたつとそうでもない、など、正解もなければ不正解もない、というものもあります。

そんなときに「100ゼロ思考」で考えていると、思考が直線的になり、「行き過ぎた不安」につながりやすい。

そこで意識したいのが 「バランス」

少しだけ行動してみる。ちょっとだけやってみて、あとは様子をみる、ということで、不安と安心のバランスを意識しながら、向き合うことも解決法。

また一方向に気持ちが傾いたときに、ほんとにそうか?と疑ってみるのもバランス。

スッキリ感は出にくいかもしれませんが、行き過ぎた不安が 「そうでもなさそうだ」と思える可能性は高まる、と考えています。

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