アーティスト富士葵の歌を聴け

みなさんVtuberという存在をご存知だろうか。2017年頃から２Dまたは３Dのモデルを用いてそれに演者が魂を吹き込むバーチャルな存在である。当時はキズナアイ、輝夜月といったVtuberがじわじわと話題を集めていたバーチャル黎明期、多くのVtuberが生まれていた。各自魅力的なモデルを使い、３D技術で如何に面白い企画が実現できるか凌ぎを削っていた。そんな中「富士葵」一風変わった存在だった。

え？モデルそういう感じなんだ。。。

少し見てもらえばわかると思うが、３Dモデルのクオリティは決して高くはない。腕はぬいぐるみみたいになっている。しかもその企画ヴァーチャルである必要性のかという疑問はもはや問題ではない。Vtuber各陣営のルックスを見てもその差は歴然。

どうですか。レジェンド的な二人と比べてはいますが。富士葵のモデルは明らかにルックスでの集客力が低い。一体どういうつもりなんだ。

そんな心配を抱きながら私は一本の動画を観た。

誰かの歌声を聴いてこんなにも心動かされたのはいつ以来だろうか。

当時多くのVtuberが歌唱動画を上げていた。しかしその中でも明らかに富士葵の歌唱動画は異質だった。RADWIMPSのオリジナル楽曲でもピアノ弾き語りから始まる。そこは同じ。富士葵の圧倒的な歌声の表現力がズバ抜けていた。透き通った、それでいて確かな芯のある声質、そのお世辞にも綺麗とは言えないモデル（失礼）の体から絞り出すように歌い上げる姿に自然と涙が溢れてきた。ヴァーチャルであろうとなかろうと富士葵の歌声は本物だ。ヴァーチャル技術によって発展してきたVtuber業界だったが、いわゆるアナログな一人の人間の歌声の力に改めて気付かされた。

オススメ動画の紹介

ここからは熱い気持ちをぶつけるフェイズです。時系列順に

テルーの唄

アカペラから始まるイントロ。これでもかと彼女の歌声を堪能できる。彼女の素直な歌声は自然に耳から身体へ流れ込む。伸びやかな高音が爽やかな風を運んできてくれるかのよう。あ、ガンには効きます。

セーラームーンメドレー

特にタキシードミラージュが素晴らしい。そもそも選曲が天才すぎる。バラードでこそ富士葵の真価が発揮される。伸びやかで広がりを持つ歌声が心地よく包み込まれるようだ。

サザンカ

こちらはセカオワの名曲。第一声に心を鷲掴みにされる。語りかけるような優しい歌い方が見事にこの楽曲のメッセージを表現している。歌詞に単純な字面以上の情報量が含まれていることが非常によくわかる。おそらくかなり歌詞を読み込んでいるものと思われる。

歩いて帰ろう

こちらでは富士葵の力強い歌声を聞くことが出来る。前述した彼女の声質に含まれる「芯」の部分に注目して欲しい。楽曲のリズムに合わせて泳ぐように跳ねるような歌声の躍動感を存分に感じられる。

彼女、富士葵の歌手としての魅力が伝わっただろうか。彼女自身の歌声が素晴らしいのももちろんだが、その歌声の個性を存分に発揮できる曲選びを「正解」し続けたVtuber富士葵陣営の活動に尊敬の意を表す。

ぜひ富士葵の動画を観てくれよな！

To be continued...

続き↓