リモートワークの在り方

リモートワークが推奨されている.コロナ禍という半ば強制力が働くことで,それまでの慣習にメスが入った.

自宅で働く方が効率が上がる,という人がいる.無駄な会議は減るし,通勤時間は省略できるし,食生活の質が上がる,と喜ぶ.

一方で,自宅で働くのが苦手だという人がいる.(自分はそうだ.)そういう人たちは,誰かの目や働きながらの雑談があった方が効率が上がるタイプだ.オフィスに通う方が資料が揃っているとか,印刷機などの機材が揃っているとか,そういうのは多分どうにでもなることで,誰かと同じ場所で働きたいという欲望の本質はそこではないだろう.他のことから切り分けられている不便さ,が重要である気がする.その人たちは,自宅で喜んで働ける人のように自己管理ができないことを,後ろめたくさえ思っているんではないかと思う.(自分はそうだ.)

どちらの人間も存在を許されるのがいい社会だと思う.

自宅で働くのが苦手な人も,同業者じゃなくてもコワーキングスペースでもある程度いいのかもしれない.オフィス,というものの概念自体が変わっていったら面白い.

場所にある役割を与える,というのは,ある意味で人の自由度を増す.例えばキッチンだとかトイレだとか,それに特化した場所があることで,スムーズに作業を進められて,その結果そこにかかるエネルギーを減らして他のことに回すことができる.仕事をする場所というのも,きっと同じ.でもその作業がその場所に限定されてしまうと,逆に不自由になってしまう.(トイレの数が少ないと,大変なことになる.)理想の職場は,家からそこそこ近くて,便利な場所にあって,機材がそこそこそろっていて,心地よくて,気の置けない誰かがいる場所,かな.家は,その他,の場所.何か形にならないかもしれないものを始めてみることができる場所.



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