見出し画像

バッハの作品における聖書と象徴⑤ (Ludwig Purautzsch)

こんにちは。続きを書いていきたいと思います。大学在学中、この研究は人気がないと言われていたので、「誰が読むんだろう。需要がるのかな、まぁ自分のために記録しておこう」と思って始めたのですが、読んで下さっている方がいらっしゃること嬉しく思います。そしてスキボタンも押して下さりありがとうございます。相当、励みになっております。他の人と比べると少ない「スキ」ですが私にとっては相当の励みです。

では、今回はp.10の訳を書いていきます。今回は譜例が比較的多いです。

バッハの作品における聖書と象徴(Ludwig Purautzsch)10ページ

フレイ1-1

譜例1ー1(書き込みがお見苦しくて申し訳ございません。)

激しくスタッカートで分散されている音型は弦楽器に見られ視覚的・音響的に印象付ける。これはイエスの言葉の「羊が散る」の描写である。

ここで私からのワンポイント補足
マタイ受難曲1部の14番に登場するイエスの歌の部分です。
弦楽器にスタッカートの16分音符で音型が登場しています。
ちなみにこの歌詞の和訳は「わたしは羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散ってしまう」となります。
この「羊の群れは散る」の際に弦楽器によって、羊が散る様子を奏でて音響的に表現しています。
聴いてみるとジャカジャカしていて「そういえば散ってる気がする」という感覚になります。


フレイ1-2

譜例1-2

上昇音型は、2つのヴァイオリンに見られる。これはイエスの復活を表現する。

ここで私からのワンポイント補足
なぜバッハはヴァイオリンにこういった音型を置いたのかについては
理由があると思われます。そして本の後半に述べられているのでそこを読めば「なるほど」となります。
ちなみに、ここの歌詞はイエスの言葉が歌われていて、「わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」のところの、ちょうど「私は復活」の所です。単純に、復活音型は下行するよりも上行していたほうが復活ぽいですよね。


いかがでしょうか。今回は譜例で1ページが埋まっていたので
あっという間でした。
音楽修辞学やバッハの象徴表現についてご興味のある方にとっては
楽しいページになったかなと思います(そう信じたい)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?