あんたバカぁ?『とある女流プロに迷惑をかけしてしまった件』しくじり話②【後編】@リーグ戦記、第伍話
ペットボトル事件の余韻が冷めやらぬまま、リーグ戦は後半へ突入。
満を持して、いよいよあの方の登場です。
これまでの経緯はコチラ↓
後編、スタート
スカウターの本領発揮
対局中、別卓で凄まじいオーラを感じるんです。
その方向に目線を向けると、そこには気合の入った声で、発声をする勝気な女性の姿が・・・。
???「ポン、チー、ロン、12000」
キレッキレのキレの所作に、自信満々の攤牌。
(一体誰なんだ・・・)
それは昨年、最高位戦に入会された高島芽衣さんでした。
新人にしてこの迫力。
正直、ビビりました。
新人ってもっとたどたどしいものですが、そんな様子は微塵もありません。
この手のことは、卓内で感じることはあるんです。
しかし、卓外で感じたのは初めてでした。
そして特筆すべきはそのオーラ。
ひしひしと伝わってくるんですよ、天才だって。
なんたって卓外から伝わってくるんですから。
この場合、芸能関係者であるとみてほぼ間違いありません。
念のため、Twitterで調べてみました。
やはりそうでしたか。
最高位戦イチのスカウターをもってすればこれくらい朝飯前です。
そういえば、天才にして勝気な女性・・・。
誰かに似ていませんか?
そう、アスカですね。
前髪を垂らしてもらって、プラグスーツにインタフェイスで出来上がり。
舞台版ヱヴァンゲリヲン『麻雀補完計画』のアスカ役には高島さんで決まりです。
そして、オリ打ちした時は・・・「あんたバカぁ?」って言ってもらいたいw
否、言ってもらいたいのは私ではなく、そんな男性麻雀ファンは多いと思うんですよ。
えっと・・・。
話を元に戻しますw
そんな高島さんのオーラに圧倒されたよっしーは、ある行動に出ます。
こうなったらアレを使うしかない・・・
おい、最高位戦のイチのスカウターって機械頼りかよっ!
・・・。
「機械に頼って何が悪いんですかっw」
否、頼ってませんよ。科学的な見地にたって事実確認を行ったまでです。
(対局が始まる前は大してスカウター反応しなかったんだけどなぁ・・・)
あ、戦闘力のコントロールかっ!
思い出しましたよ。ベジータ対キュイ戦を。
まさか対局中に装着するわけにもまいりませんので、休憩中にこっそりスカウターで確認。
もちろん結果は・・・
(まさか残り四節、同卓することはないよな・・・)
嫌な予感が体内を駆け巡ります。
このあと、キュイはベジータの手にかかるわけですが、それは戦ってしまったからなわけで。
要は当たらなければいい。
当たらなければ打つこともない。
そう冷静に言い聞かせ、念のためテレフォンを選択。
今回もテレフォンを務めてくれるのは、私がいつも頼りにしているこの二人。
エンジニアのU氏と、某大手通信会社に勤めるジョン氏です。
さっそく、二人に問いかけてみました。
49名のリーグ戦で5節行われる場合、高島さんと同卓する確率はどのくらいなのかと。
するとU氏とジョン氏が数式を使って話を始めました。
私はというと、すっかり暇を持て余してしまいましたので、ヒーコーを片手にネトフリとしけ込みます。
一方、答えに窮したU氏は強硬手段に出ます。
知恵袋に投稿せんでええわw
どんだけ答えを知りたいねん。
今度は、沈黙をしていたジョン氏が、1枚の画像を送ってきました。
ジョン「excelで計算したw」
あのー、日中なんですけど、お仕事の方は大丈夫なんでしょうか?
お二方、今回もよっしーのくだらない暇つぶしにお付き合い下さりありがとうございました。
さて、改めまして、結論は約3割!
まあまあ当たるじゃないですかw
恐る恐る卓組表を見てみると・・・
こうなることは、薄々気づいていましたよ。でもね、何でよりによって最終節なんですか。
昇級ボーダー付近で迎えた最終節
ここまで19位+43.8pと、まずまずの位置につけることができました。
最終節の同卓者はコチラ、
そしていよいよ、対局前に高島さんへご挨拶をするわけですが。
正直、怖かったです。
なんたってあの勝気な姿で、卓上を暴れまわっていたのを目撃してしまったんですから。
そして、芸能のお仕事をされていらっしゃることからも、お高くとまっている系女流雀士じゃなかろうかと想像が膨らみます。
おそるおそるご挨拶申し上げますと・・・とても優しい表情でニッコリ。
(えっ!?・・・親しみやすっw)
なんともあどけない笑顔で挨拶を返して下さいました。
あまりのギャップに面食らいましたよ。
あの勝気な彼女の姿はどこにもありません。どこぞの女流プロとはえらいちがい・・・おっとそこまでだっ!
それにしても、ツンデレキャラなところもアスカに似ていますね。
実際に高島さんと同卓してみると・・・
やっぱり強かった。
1回戦からキッチリ1着を取られてしまいました。
勝気なだけあって攻めの麻雀なのですが、攻め一辺倒かといえば、まったくそんなことはなく、オリるところはきっちりオリる。
その場面々々での状況判断が的確なんです。
しかも、それをあの打牌スピードの速さで行っているのだから末恐ろしい。
これぞ天才の所以。
彼女がサウスポーなのも頷けます。
魔が差す時間帯・・・
それは3回戦の中盤で起こりました。
時刻にして夕方、3時か4時ごろ。
まさにときは、逢魔が時。
親番の私が配牌を取り終え、南家が一枚ツモり、対面の高島さんが牌を四枚つかんだところで場がフリーズします。
何かがおかしい・・・。
同卓者全員が顔を見合わせます。
ここで高島さんが四枚取ってしまうと多牌になってしまいます。
(ちょっと待って、変だ…おかしい…)
(そうか…そういうことかリリン!!俺が少牌しているじゃないかっ!!)
完全にやらかしました。
東家の親は最後、二枚取らなければなりません。
俗にいう、チョンチョンです。
それを一枚しか取らなかったわけです。
よっしー最大の不覚。
こんな昇級を競ってる場面でチョンボ(反則)なんてしたら即脱落。
最高位戦ルールでチョンボをしてしまいますと即、四万点を失います。
直ちに立ち会人を呼び、肝を冷やしながら裁定を待ちました。
裁定の結果は・・・。
全員お咎めなし!
(良かったぁ・・・)
何が良かったって、私がチョンボにならなかった事よりも、私のミスが起因となり、高島さんが何かしらの咎めを受けなかったこと。
高島さんが四枚の牌を掴んだところで、間一髪、気づいて下さったのが幸いしました。
立会人の裁定に従い、四枚を元に戻し、西家、北家、東家と一枚ずつ取り、そのまま続行となりました。
高島さんにおかれましては、この場を借りてお詫び申し上げます。
大変申し訳ありませんでした。
昇級の行方へは、もつれにもつれ・・・
ここまで3着、2着、3着と苦戦をしいられて迎えた最終半荘。
ざっくり結論から申し上げますと、最後の半荘は2着以上を取れば、ほぼ確実に昇級という状況になりました。
そこに立ちはだかるのは、やはり高島さん。
東発も高島さんの4000オールから始まります。
待て待て、2着でいい。1着を取る必要はない。
冷静に打とうと、心の中でそっとつぶやき、局を進めます。
結果、想定通り2着でオーラスを迎えることができました。
そして最後の親は私。
このまま伏せて終われば、ほぼ昇級です。
ただ、一抹の不安は素点であります。
下位陣が大きなトップを取ってしまうと、抜かれてしまう危険性があり、予断を許しません。
よしゃあいいのに・・・
今思えば、さっさと矛を収め、2着でこの半荘を終わらし、昇級の行方は天に委ねれば良かったと反省しています。
あろうことか、連荘して、何なら1着までいっちゃおうかと企んでしまったのが良くありませんでした。
迎えたオーラス1本場。
あがりに向かうかどうかという微妙な手牌で、中をポンしてしまいました。
するとすかさず、高島さんのリーチが入ります。
やはり来ましたか。
かくなる上は祈るだけ。
せめて安いあがりで・・・
高島さん「ツモ、3000、6000は、3100、6100」
跳満ツモ!?
手牌を見れば、タンピンの高め三色。しかも待ちの形が亜リャンメンで高めをツモっちゃうんだから敵いません。
結果、よっしーは3着に落ち、高島さんがトップ。
こうして47期前期リーグ戦は、残留という形で幕を閉じたのでありました。
あとがき
ここまで前後編とお付き合いただき、ありごとうございました。
以前、囲碁界の大御所、趙治勲先生が対局中に記録係のお茶を飲んでしまうという事件がありました。
やっぱり人をバカにしてはいけませんね。
数年後、自分が他人のペットボトルに手をかけてしまうんですから。
そしてチョンチョンの取り忘れ。
自動配牌の癖で一枚しか取らなかったわけですが、その逆もあります。
そう、Mリーグでたまに見かける少牌。
こちらはチョンチョンを取ったものだと思い込んで一枚切ってしまうわけです。普段、サイコロでの取り出しが当たり前の麻雀プロにとっては、さもありなんという感じがあります。
しかし、決して犯して良いミスではありませんので、懺悔の意味を込めまして、記事にさせていただきました。
最後に高島さん。
彼女は近い将来Mリーガーになるんじゃないでしょうか。
麻雀のセンスにスター性、申し分ない逸材と言えます。
よっしー「最高位戦イチのスカウターが言うんだから間違いない!!」
終文
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