星が綺麗に見える部屋でした

18歳でした。受験生が新入生になった春でした。

オープンキャンパスにも行かず、二次試験の時に初めて最寄り駅から大学までの行き方を知りました。

試験後に持ち帰った、学生向けの不動産のチラシの電話番号に積み重ねてあった上から電話を掛けました。合格発表日の昼過ぎのことでした。

「合格発表頂いてます。お部屋空いてますか」「四畳半の和室でしたら」「決めます、契約書ご郵送頂けますか」「……見に来られなくても大丈夫ですか?」

「遠方なので、お伺い出来ないんです。お願いします」

実家は築50年の日本家屋だったけど、自分の部屋は6畳ぐらいはあったと思う。四畳半の部屋、というものを初めて見た。

半分天袋?のような押し入れ込みで四畳半。ベッドと机でぎっちぎち。土壁で、畳張りの。

私の城になったそこに、四畳半に5人も6人も友達を呼んで語ったのが懐かしいです。


荷物の積み込みを終え、布団だけ取り出し、母と並んで初めてその部屋で眠った夜。

電気を消すと、前の住人の方が天井いっぱいに貼った星の蓄光シールが淡く光りました。母と二人、歓声を上げたことを昨日のように思い出します。

現在その部屋は改装され、洋間になったのだとか。天井も貼り替えたらしいので、あのプラネタリウムはもう二度と誰も見られないんだなと思うと、失うということを想います。


キラキラ女子大生にはなれなかったなあ。頑張って卒業しような、私。

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