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もしも徴兵制を導入するなら?

こんにちは。
さっき読み終わった本は松原直美氏の「英国名門校の流儀 一流の人材をどう育てるか」でした。
ケーススタディ的な部分があるにせよ、教育を考える上ではかなり示唆に富む内容だったと思います。

さて、本題です。
最初に断っておきますが、私は別に積極的徴兵制推奨派ではありません。
現実的な問題として、自衛隊に徴兵した人間を訓練できるほどの基盤があるとは思えません。
教育人員にせよ、教育設備にせよ、備品その他の充足の面でも、勤務・訓練基盤的にもです。
という理由で、左翼のパッパラパーどもがよく言う「戦争法案ダー!徴兵ダー!」ってのは、そもそもバカの戯言に過ぎません、何の根拠もありません。
まぁ、個人的には国民皆兵、少なくとも国民総予備役が望ましいとは考えているんですけどね。
まず、徴兵のメリットとは何でしょうか?
歴史を紐解くと、近代的な徴兵の元祖はフランス革命後の国民軍となります。
それまでは長らく貴族に率いられた傭兵の軍隊だったものが、国民一人一人が主体的に戦争に貢献するという考えで、大変士気が高く、粘り強く戦う軍隊を作る事ができました。
ナポレオンの快進撃は、本人の有能さもさることながら、こうした能力も士気も高い国民軍に拠るところも大だったのです。
それ以降、形は様々なれど、徴兵という形は一般的になりました。
現代では、徴兵制は少しずつ採用国が減少し、志願制に移行しつつあります。(当然自衛隊も志願制です。)
徴兵のひとつのメリットととして、国民が主体的直接的に国の安全保障に貢献できる、というものがありますが、デメリットととしてやる気のない人間も軍隊に入ってくるというものがあります。
現代の軍隊は一般的に専門化高度化が進んでいるため、やる気がある人間をしっかりと教育訓練して戦争に備える、という形が一般的になっているようです。
しかし、将来には軍事と民間の境目が曖昧となり、再び徴兵の方が有利とされる日が来る可能性は否めません。
例えばサイバー戦なんてものは軍民の境界はありませんし、一般市民が攻撃対象にされる事態はテロに然り、正規戦に然り、結構な頻度で起きています。
テロではアメリカの同時多発テロやロンドンのマラソン大会のテロなんかは有名ですね。
正規戦もウクライナやガザを見ていればご納得頂けるでしょう。
そうなると、平素の一般人としても、戦闘行為は他人事ではありません。
左翼がよく「徴兵制であなたやあなたの子供が戦場に送られる!」だなんて戯言を言っていますが、現代においては自分の生活しているこの場が突然戦場になっても何もおかしくないのです。
そもそも、自衛隊は外征軍としての能力を保有していないので、我が国が他所の国に攻めに行くだなんて誇大妄想も甚だしいとしか言いようがありません。
一方、今の生活が危機と隣り合わせなのであれば、平素から国民全員、少なくとも大多数が危機に対応する訓練を受けていた方がいい、という考え方はあるかもしれません。
別に兵器を操作する訓練や銃を撃つ訓練だけが訓練ではありません。
確かに個人的な構想である国民皆兵構想では、国民総ゲリラ化するとすると、やはりそういった訓練は必須な気はしますが、ここではそれは置いておきましょう。
東日本大震災の時なんかは帰宅難民なんてものも出ましたね。
そういった時に、若い時に一定の訓練をしていれば、「しゃあねぇ!歩いて帰るか!」となるかもしれません。(まぁ、実際は仕方なく歩いて帰った人は沢山いた気がしますが…)
サバイバル的な訓練も非常事態には役に立つでしょう。
なんせ、安全保障上の脅威も多いですが、我が国は災害大国です。
非常事態はいつ起きてもおかしくないのです。
また、個人的に一番重要だと思っている能力が、危機対処能力です。
普通の人は、突然大きな危機に出くわすと、大概がパニック状態に陥ります。
しかも、大多数が同時にパニック状態に陥ることによって、避難が困難になったり、下手するとパニックを原因とする人災(将棋倒し的な)が起きたりもします。
一般的に、軍隊の様な所では、あえて平時から突発的に危機的な状況を作り出す訓練をしています。
そうした訓練をすることによって、パニックを起こすのではなく、頭の回路を危機回路とでも言う様な非常事態用の回路にバキッと切り替えられる様になります。
冷静かつ淡々と、かつ勇気をもって事態に対処できる様な頭に切り替えることができるようになります。
これは、災害を始めとして、今後民間人も危機的状況に陥るリスクを考えると、国民の全て、少なくとも大多数が持っておくべき能力ではないでしょうか?
実際問題、パニックを起こした民衆ほど邪魔なものはありません。
沖縄戦だって、住民を守りながらという制限が無ければ、きっともっと効果的に戦う事ができたでしょう。
別に、徴兵された国民を戦力に、だなんて考えてはいないのです。
パニックを起こす事なく、危機回路に頭を切り替えて、冷静に避難したり、相互に救護したりしてくれる国民が大多数であれば、自衛隊は戦闘行動に専念できます。
危機的状況において、個々の国民が自分にできることをしっかりとやる、という態勢はとても重要です。
被災地の避難民がお客様状態で我儘三昧なんて事態も無くなります。
また、軍隊的な生活を送る事で、協調性や責任感、厳しいことをやり切る経験を得る事もできるでしょう。
ハッキリ言って、徴兵した人らを戦力として考えないのであれば、自衛隊の新隊員教育である約半年くらいを過ごすのが良いのではないかと思っています。
徴兵を採用している諸外国が2〜3年の徴兵としているのは、あくまで国の防衛に任ずる人間を徴兵しているから、その期間なのですからね。
さて、徴兵対象者はどの様にすれば良いのでしょうか?
まず、現時点で徴兵がないことから、若い人だけに課すのは不公平でしょう。
とはいえ、あんまりおじいちゃんおばあちゃんを集めても仕方がありません。
なので、40代から順次若い人に対象を移して行くのが良いのではないでしょうか?
対象者は、健康な男女です。
当然、女性も対象です、男女平等の社会なのですから。
自衛隊にも女性隊員が沢山活躍されていますよ?
さて、除外される対象はどうしましょうか?
まず、健康でない人は対象外です。
障碍持ちや病気などの場合ですね。
次は、子供を産んだ、又は妊娠している女性、並びにひとり親で幼い子供を養育している男性は除外します。
当初はそれなりの年齢の人が徴兵になるので効果は微妙かもしれませんが、そのうち若年者が兵役の義務を負う様になるとかなりの効果を発揮します。
女性が兵役が嫌なのであれば、若いうちに妊娠出産しておけば兵役が免除になるのです。(なお、妊娠で兵役免除になっても、出産まで出来なければ兵役の義務が復活することとします。兵役免除になった瞬間堕胎するなんて許されませんからね。)
これは少子化対策に大変有効です。
男性は諦めて下さい。
次は、男女問わずですが、金銭納付によって兵役回避する方法です。
これは金持ち優遇ではないか?と思われるかもしれません。
確かにそうです。
金持ちは経済的な手段によって国益に貢献するという観点から、免除金の納付によって兵役を免除されるようにします。
金額としては2000万円くらいでどうでしょうか?
確かに、ズルく見えますが、一般国民が身体でご奉仕する一方で、金持ちはお金でご奉仕するのです。
所得の再分配としても効果を発揮します。
徴兵にも金がかかりますしね。
また、大学生、大学院生については徴兵延期、大学院生については顕著な実績を認められた場合については徴兵免除という形にすると良いです。
これによって、我が国の学際的な能力も向上するでしょう。
理想的にはこの様な形でやるべきですが、当面の話としては、個人的には全公務員は予備自衛官となるべきだと思っています。
当然、政治家も含めてです。
非常時には国民の避難誘導や救助救護に当たるのは多くが公務員です。
それらの人に対して軍事的なマインドを体験的に理解してもらうのは効果的です。
政治家は彼らが銃を持って最前線に出る訳では当然ありません。
しかしながら、国政や自治体の責任ある立場として、国民や市民を指揮する立場として、最も過酷な場面を体験して、それを踏まえて非常時においても政治を続けなければなりません。
さて、徴兵に対する補償や待遇の話もしておきましょう。
韓国で大問題になったのが、徴兵制は男性だけに課されていて、徴兵された男性は就職で有利になる制度があったのですが、それをフェミニストが男女差別だと廃止させたそうです。
そりゃあ、男性はキレますわな。
そのため、当然の如く兵役に女性も義務化しろという活動が起きています。
というので、兵役後の就職は厳密に確保されなければなりません。
公務員になりたいなら兵役は必須にすれば良いです。
また、一般企業には、兵役修了者を採用したら補助金を出すか、税制上の減免措置を行うのが良いでしょう。
衣食住は兵役期間中は当然確保されますし、俸給も現状の自衛官の俸給で良いでしょう。
兵役経験者は、年金で一定額の加算をするといったことも良いかもしれません。
そう考えると、意外と悪くないのではないかと思ったりしませんか?
ご検討頂ければと思います。(誰が?)

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