離島なんてあげちゃえばいい?

そんなことを言うオツムの弱い政治家もいましたね。
では、その人は指の一本くらい喜んでくれるのでしょうか?
本格的侵攻は現代の日本に対して起こり得ないと言う人がいる。
確かに、日本は国土を全周海に囲まれた、侵攻するのは極めて難しい地政学的特性がある。
ただ、航空機(と厳密には艦艇(潜水艦を含む))の発達により、精々極めて面倒臭い、というレベルにはなっているし、実際に大東亜戦争という遥か昔にアメリカはその気になれば日本列島を蹂躙できたのである。
アメリカが今もその気になれば出来るのか?というと、軍事基地もあるので、かなり難易度が高いなりに出来るかもしれない。
まぁ、コスパ合わないから常識的にはアメリカは勿論他の国もやらないだろうね!というのが3年前の常識だった。
3年前、ロシアがウクライナに対して本格的侵攻をかましたせいで、大国による小国への直接本格的侵略が現実に起こり得るものだと再認識されることになった。
確かにその8年前にクリミア半島をロシアはウクライナから奪っている。
ただ、この時は建前上、ロシア軍は直接的に関与していない、ということになっている。
ハイブリッド戦と呼ばれた前回と違って、今回の侵攻は普通に通常戦力を初っ端から使って、しかも領土の端っこを掠め取るだけでなく首都に直接侵攻しようとしたのである。
結局は断念して、端っこを削り取る方向性となってはいるが。
で、日本はどうかと言うと、確かに日本を直接侵攻するとなると、今や強大な海軍力空軍力と上陸作戦能力を持つ中国であっても、相当にハードルが高いのが実情である。
しかし、端っこを削り取るだけなら、超えるべきハードルは対米関係と国際的な批判と、あとはまぁ海空自衛隊?という程度の話になる。
対米関係は、アメリカにとって世界的なプレゼンスを維持する価値が減少したのならば、黙認を勝ち取れるかもしれない。(トランプが今の調子なら可能性はある。)
国際的な批判なんてあってないようなものなのは、ウクライナ戦争を見ても分かるだろう。
殆どの国は口先だけ、精々懐の痛みを気にしながら小銭を出すだけである。
そもそも、世界は欧米だけではないので、そもそも中国を原則支持するという国は割と少なくないのである。
自衛隊は、よしんば質はトントンだとしても、そもそも量で押し切れる、となりかねない。
と考えると、日本全体で主権を失うような本格的侵略は起こる可能性はまぁ、無いに等しいが、端っこを削り取るくらいなら、ほとんど大きいハードルが無いというのが実態である。
つまり、有事はいつ起こっても不思議では無いのである。
とすると、また出てくるのが標記の馬鹿な議論である。
領土の端っこくらいあげてやれよ?的な?
最初は小指の例えをしたけれども、今回は別の例えをしよう。
例えば尖閣諸島を要求されたとしよう。
あげたとしよう。
次は与那国島を要求されるかもしれない。
百歩譲ってあげたとしよう。
次は沖縄を要求されるかもしれない。
千歩譲ってあげたとしよう。
次は九州四国を要求されたとしよう。
本当にあげるの?
次は北海道?本州?
国家の三要素は一般的に主権、国民、領域と言われている。
どれとして簡単に諦めて良いものは無いはずなのに、国民が大切だと言う偏った人間は、主権と領域は簡単に手放そうと言い出す。
その理屈なら、日本人何人か死ぬくらい問題なくね?という発言が正当なものだと言うことになる。
国家の為に国民を死なすのか!?とか言う人間もいるが、国民も国家の一要素なのである。
国民を失うことと主権や領域を失うことは等価なのである。
国民が大切だと言うならば、それと同様に主権と領域も大切にする必要があるのである。

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