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「オチ」が好きな人たち。

連日の晴天。気温もぐんぐん上がって夏日になる模様。朝から足場屋さんがメッシュシートの結束作業を行っています。昨日までは現場事務所(施工対象のビルの1部屋を借りているのです)からの眺めが壮観でした。それも、解体までしばらくお預けです。遠くに山が連なり、高層のビルやマンションが所々顔を出すものの、やはり、近いところも目立つのは草木の緑。大阪ではなかなか目にすることのない、神戸ならではのコントラストでした。

今週の日曜日は久しぶりのゴルフです。初訪問の大神戸ゴルフ倶楽部。メンバーは高校時代の同級生と野球関係の後輩。今晩から夜は打ちっぱなし三昧になるでしょう。先週はソフトボールだったので、スウィングの感覚を早めにゴルフへ戻してやらないと。僕のイメージでは、ダウンスウィング以降の下半身の捻れ戻りを、野球よりもさらに一拍程度我慢する必要があります。これが一筋縄ではいきません。

我慢といえば、昨日は野崎まど「タイタン」を我慢しました。今晩はさすがに読了予定。きっと、辛抱しきれないはずです。

小説に限らず、すべてのストーリーの「ラスト」に価値を見出す人は多いようです。宣伝文句でも、「衝撃のラスト」や「大どんでん返し」などが度々用いられます。しかし、そもそもそのコピー自体が完全にネタバレですから、一体誰が得しているのかな、とふとした時に考えさせられます(すみません。実際はそんなに暇ではありません)。

「衝撃のラスト」が好きな人は、わざわざ時間を使って冒頭から読まずとも、そのオチだけを知れば満足するのでしょうか。実際、そういう人は多いのでは? 無数のネタバレサイトが存在しているのも、PVが稼げるからだし、つまり、それだけ需要がある証拠。もちろん、そういう嗜好を悪いと言っているわけではありません。完全に個人の自由です。

僕自身は、読者をミスリードする過程に感動することはあっても、オチそのものが最後までわからなかったことはありません。ミステリーなら、最後の謎解きシーンが始まるやいなや新品の状態の本のページが破られていて、「あとは神のみぞ知る」くらいで結ばれていれば驚くでしょうが(すでに存在していたらスミマセン)、きっと非難轟々でしょう。驚きよりも読者に怒りを与える新ジャンルを切り開けるかもしれません。有り余る勇気をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください。間違いなく話題にはなるはずです。

ミステリーのトリックに代表される、「読者を驚かせるパターン」はもはや弾が打ち尽くされた状態です。換言すれば、本を読めば読むほど読み手は驚かなくなります。しかし、優れたミステリーはいつの時代も現れてきましたし、それはおそらくこれからも変わりません。これこそが、オチそのものに価値はなく、作品の価値はそれ以外に現れる、という証左でもあります。






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