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カガクの扉を開く読本その2 カガクで世の中を見る編

はじめに


 カガクの目で見ると、色々な世の中の仕組みが見えてきます。その中で、本当はしっかりと見極めていかなければならないテーマについての本を紹介します。

この現実から目をそらすなの10冊


1.『奪われし未来』
 シーア・コルボーン他:著 長尾力:訳 翔泳社
(最近、あまり話題にならなくなった、環境ホルモン(正式には外因性内分泌攪乱化学物質といいます)。短絡的な犯罪の増加、性同一性障害、ガンの増加など、近年の色々な問題が実はホルモンの撹乱が関わっているのでは? と言われています。しかしホルモンというのは、微量で作用する物質なので、実験的に再現することができません。だから、最近は環境ホルモンなるものは無かったことにしようという方向になっています。では、なぜ環境ホルモンという考えが出てきたのでしょうか? それは、ある細胞を培養する研究者が、容器をガラス製からプラスチック製にたまたま変えたところ、細胞の増殖率が劇的に増加するという現象を発見。その原因が、プラスチックに含まれる微量の添加物が原因と突き止めたのが始まりです。)

2.『記憶する心臓』
 クレア・シルヴィア:著 KADOKAWA 角川文庫
(心臓の臓器移植を受けたシルヴィアさん、退院後、今まで食べたことの無いハンバーガーが食べたくなってしまい、私の体はどうなってしまったの、移植された臓器はドナーの記憶を持っているの? そんな疑問から、ドナーの家族を捜し当てて・・・。臓器移植では、移植後の心のケアが大切だというお話です。)

3.『ファストフードが世界を食いつくす』
 エリック・シュローサー:著 楡井紘一:訳 草思社 草思社文庫
(ファストフードの実体がよく分かる本です。なぜ、某ハンバーガー店では、おもちゃを配っているのか? それは、子供の頃に親しませておけば、一生食べてくれるからという戦略があるからなのです。あなたは、そうやって、餌付けされていることに気がついていますか?)

4.『死の病原体 プリオン』
 リチャード・ローズ:著 桃井健二・網野慎哉:訳 草思社
(一時、狂牛病という病気が流行して、世界中で牛の肉が食べられなくなるという事件がありました。この、狂牛病という病気は人間の利益優先主義が作り出した病気の一つです。その病気について色々な角度から調べている本です。) 

5.『クローン羊 ドリー』
 シーナ・コラータ:著 中俣真知子:訳 アスキー出版局
(初めて、体細胞の核を使用したクローン動物である、ドリー誕生までの研究過程を書いた本です。クローン生物を作るのは、意外と大変だったというお話です。)

6.『朽ちていった命』
 NHK「東海村臨界事故」取材班:著 新潮社 新潮文庫
(「東海村臨界事故」の記録です。この事件では放射性物質を扱う人のずさんな実態、そして、ヒトが中性子線という放射線を直接受けたらどういうことになるのかを知らせてくれています。改めて、放射性物質の恐ろしさが分かります。)

7.『証言 水俣病』
 栗原 彬:著 岩波書店 岩波新書 新赤658
(日本の四大公害裁判の一つとして知られる水俣病、裁判が終わってしまえばもう解決済みであるかのように、学校では教えています。とんでもない!! 汚染物質であるメチル水銀は未だに海に放置されたままだし、水俣病の患者は病気が治ったわけではありません。そんな、水俣病患者の生の声がおさめられています。)

8.『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』
 櫻井よしこ:著 中央公論新社 中公文庫
(エイズという病気が、世界中で流行していた頃、日本では血友病という病気の患者の中で、エイズに感染するヒトが急増していきました。それは、ある血友病専門医の、治療方針の変更が原因であることが分かって・・・。)

9.『外科医の夜明けー防腐法ー絶対死からの解放』
 J・トールワルド:著 大野和基:訳 小学館 地球人ライブラリー
(昔の医者の外科手術というのは、麻酔も無かったし、消毒もしなかったし、傷口を縫うことも無く、傷口に汚いガーゼを被せられればましな方。麻酔とか消毒をするようになったのは、つい最近の話なのです。)

10.『まだ、まにあうのなら』
 甘藷珠恵子:著 地湧社
(チェルノブイリ原発事故を知った、一人の主婦が書いた手紙です。最近は、EU諸国などが中心に、原子力発電=二酸化炭素を出さない=クリーンなエネルギー。などという謎の等式が流行っているようで、原子力発電を推進するような動きが出ています。そして、日本の石炭火力発電に対して、止めるように圧力をかけてきていますが、本当にそれは正しいことなのでしょうか??) 


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