【横浜FC】『原点回帰〜立ち戻るべきスタイルに〜』 J2リーグ 第15節 vs ブラウブリッツ秋田
○スタメン
前節から7人もスタメンを変更しています。5連戦の最終戦であったため、疲労を考慮してのことでしょうか。また、特別指定選手に登録された近藤選手とハイネル選手が今シーズン初めてベンチ入りをしました。
○スコア
ブラウブリッツ秋田 1(0-0)0 横浜FC
後半40分 小暮(秋田)
○総評
横浜FCは試合開始から、徹底してサウロミネイロ選手と小川選手の裏のスペースにロングボールを入れていました。また、守備では早いプレッシングからボールを奪い、少ないタッチ数で攻撃へ移行することを意識していたように感じます。これは、開幕戦からの数試合で見せてくれた我々の本来のスタイルであり、目指すべきものではないでしょうか。しかし、後半に入るとディフェンスラインとフォワードまでの距離が開くことになり、中盤が大きく間延びしてしまいました。結果的にそのスペースを秋田に使われることによって、失点をして敗戦をしています。
○立ち戻るべきスタイルとは
今シーズン四方田監督が開幕戦で見せてくれたスタイルは、ボールを奪ってから少ないタッチ数で素早く前線の選手へパスを繋ぐというものでした。それが試合を重ねるごとに、手塚選手を中心にボールの主導権を握りながら相手の隙を突くというサッカーへ展開されていました。しかし、試合を重ねるごとに対戦相手のチームも分析をし攻略をする中、勝ちきれない試合が続いていました。
今日の試合で見せてくれたスタイルは、まさに原点回帰であり、立ち戻るべきスタイルであったことは間違いありません。うまくいかない時や迷いながらプレーしてしまう時は、自分たちの土台としている部分(スタイル)にフォーカスを向けることでやるべきことがはっきりするからです。試合開始から、サウロミネイロ選手や小川選手へ向けた早いタイミングのロングパスがそれを物語っていたのではないでしょうか。選手も相手チームからボールを奪うと、顔を上げてまずこの2人の位置を確認していたように思います。果敢に裏のスペースを狙っていたことで、秋田のディフェンスラインも不用意に高い位置へ押し上げることは難しく、有効的な手段ではありました。また、ハーフタイムの四方田監督のコメントから、その狙いがあったのではないかと感じさせられる前半でした。
しかし、後半に入ると、前線へロングパスを入れることで横浜FCのディフェンスラインからフォワードまでの間のスペースが空いてしまい、間延びしていたことも事実です。その間延びしていたスペースからボールを運ばれ、後半43分の失点シーンにも繋がってしまいました。
○スナイパー手塚
毎試合手塚選手を中心に攻撃がスタートしていることは、今更語るべき事ではありません。『パスを受ける』『パスを出す』『ドリブルで運ぶ』、どれをとってもピカイチです。しかし、なぜどのプレーも高いレベルでこなせるのでしょうか。それは、手塚選手がボールを受けるべき瞬間の体の向きにヒントがあります。手塚選手は攻撃を組み立てるべき柱でありますが、ボールを受ける際は常に前を向いてプレーすることを意識しています。このパスの受け方を工夫しているのです。俗に言う、『半身で受ける』というものです。手塚選手のように中盤のラインとフォワードの間でパスを受けると、いつも囲まれた状態になってしまいます。しかし、身体の向きを横向き(半身)にする事で、前のスペースも後ろのスペースも横のスペースも全体的に見れるようになるのです。もし、攻撃方向に背中を向けてパスをもらうと、首を振って自分の後ろのスペースから相手選手のプレッシャーが来ているのか確認しなければいけません。その手間をパスの受け方を工夫する事で、相手より先に優位なプレーを選択する事が可能になります。結果、スナイパーのごとく相手の嫌なところへパスを出す事が出来るのです。
逆に、半身で受けられず、攻撃方向に背中を向けて受ける事が増えるのであれば、横浜FCの攻撃が停滞する一つの合図になってたりします。
このように簡単にプレーしているように見える手塚選手ですが、ボールを受けるための理論が前提にあるため、いつも良いプレーを見せてくれるのではないでしょうか(^^)
昇格を向けて闘ってる中で、連敗をしてしまいました。負けたことを悲観的に捉えるのではなく、勝つための準備と捉えたいと思います。高くジャンプするためには、膝を深くまで曲げないと飛べません。次節はホームで徳島戦です。スカッ！とするような勝ちを期待したいです
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