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周波律 〜新しい調律に見る数の規則性〜

今回は新しい音律、周波律による数遊びです。この調律から導き出されるヘルツに見られる様々な数の規則性を見ていきましょう。(周波律については、初めの記事をご参照ください。)

まずは、以下の曲をお聴きください。
・Ave Maris Stella /Frequency Intonation(A=432hz)

この音源は、最初にデモンストレーションとして取り上げた A=432hzとする周波律の半音階から作られています。この音律に見られる数の規則性を見ていきます。この音源に用いられた音程と、そのヘルツは以下の通りです。

算出されたヘルツの”数字和”に注目して下さい。
数字和とは、ある数を分解して足した後に出てくる数のことです。たとえば、上の楽譜の一番左、243ヘルツを見て下さい。この数を一つずつ分解して足します。

2+4+3=9

9という数が出ました。これが243の数字和です。

同じようにして各ヘルツの数字和を導き出します。二桁の和は一桁になるまで数を足していきます。どうでしょう。下の図を見て答え合わせです。

こうして見ると、A=432hzの周波律から導き出される音階のヘルツは、すべて9の数字和に収束することが分かります。たとえ音程が上下しても、この法則が変わることはありません。(ここに登場しない音程は、最初の記事より確認できます。)

さて、この規則性はAの基音を432hzとした場合に見られたものでした。それでは基音が432hz以外なら、どうなるでしょう。

現在の国際基準はA=440hzです。周波律の場合、基音を12で割ることから音階を導き出すため、12で割り切れない数は計算が煩雑になります。440は12で割り切れません。少しピッチを上げて、A=444hzで考えましょう。

A=444hzの周波律におけるヘルツは以下の通りです。上がヘルツ、下がその数字和になります。

数字和は、3,4,5…と順番に数が並ぶ形になりました。9までいくと、また1に戻ってパターンが繰り返されます。
444hzの完全五度上、E=666hzを基音にした数字和も見てみましょう。

こちらは、9,6,3と数字和が繰り返されます。
このように、どのヘルツを基音とするかによって、周波律から導き出される音程の数字和には様々なパターンが見出されます。

これまでは、基音を12で割った場合の数の規則性を見てきました。
西洋音楽で主流とされる十二半音階を離れて考えるなら、どの数で割れないこともありません。試しに基音を12で割った場合以外の規則性に目を向けましょう。

440hzを8で割ることにします。55の値が出たので、440hzに順に55hzずつ積み立てます。以下が、そのヘルツ一覧です。

数字和は8から順に数を繰り、9から1に戻って、また数を繰り上げます。
440hzの完全五度上にある、660hzを基音にすると、どうでしょうか。

こちらは、3,9,6のパターンを繰り返します。

整数で割り切れる数を積み立てた場合、数字和には例外なく何らかの規則性が現れるようです。おそらく方程式があるのでしょうが、筆者はその方面に疎く、数式として記述することができません。詳しい方は、ご指南をいただけますとありがたく思います。

周波律の調律手順と実際の音に関しては、以下の動画よりご確認いただけます。

・周波律の紹介/Frequency Intonation

今回は周波律に現れる数の規則性について書かせていただきました。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。

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