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これから小学校へお子さんをご入学させる若きパパママへ〜学級編制にまつわるエピソード(3)〜
お話が長くなっていますが、今回で最終回です。
自分が首の皮1枚で教員として正式採用されたお話↓
からの、熊本県天草の小さな小さな分校に赴任したお話↓
からの今回です。
分校では児童9名、教師4名でした。
当時を思い出して、ボールペンで走り書きしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1713762777148-ZH993HA5lt.jpg?width=800)
自分が1回目の電話を受けていた3月の終わり頃、この分校のそばに住む
5人家族のS家では、この4月から3年生になるカズヒロ君と
新1年生のコウイチ君を、自宅近所の分校に通わせるのか、
はたまた自宅から5kmほど山道を下ったところにある二浦小学校に通わせるか、
まだ決められてませんでした。
決めようにも、一家の家長であるお父さんは、漁師として船で遠くの沖合に
漁に出て不在なため、お父さんを頼るお母さんは、一人で迷っておられ、
町の教育委員会から電話があっても、
「すみません、主人と連絡が取れないものですから・・・」
と、決定を伝えられずに悶々とされていたのだそうです。
それでも、もう待てない、という日が来て、
また教育委員会からの電話があったので、
「それじゃ、漁協に相談して、漁業無線でお父さんに聞いてみます」
と、返事をしたのだそうです。
お父さんは海の上で寮の仕事に忙しい。
奥さんからの無線の連絡に、
「そんなことはお前に任せるから、決めてくれ!」と、一任。
お母さんは、まあ、家も近いし、毎日クルマの送り迎えというのもな・・
と、仕方なく一人で決断を下し、
「じ・・じゃあ、うちの息子たち2人、分校で・・・・」
と、心細げに教育委員会に返事の電話。
さあ、慌てた教育委員会。
二人の子が分校に来る、となれば、
法律上、現状のままの二人指導体制から4人体制へ、
つまり教員を二人新しく見つけなければなりません。
と・・・いうのも・・・
法律上、こんな分校のような小規模校の複式学級は
「一学級に二学年のまたがりまではOKだが、三学年以上の混在はNG」
と決められていたからです。もう一度、図をご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1713763682459-x0Juzo9w0G.jpg?width=800)
二人が分校に来てくれたことで、分校の子たちは9人になりました。
新1年生コウイチくん、2年生1人で低学年学級、
担任はご夫婦でこの分校に来られている奥様の方のK先生。
自分は3年生4人の担任、このうちの一人がS家のカズヒロくん。
そして、5年生の2人と6年生の1人、3人の複式学級、
担任は、自分と同じ新規採用のT先生。
ご夫婦のダンナさんの方、A先生は分校主任の専任の業務担当。
これがもし、S家の二人の息子さんたちが分校に来なかったら
2年生1人と3年生の3人をK先生が受け持ち、
5年生2人と6年生1人をA先生が受け持つ、という二人体制のまま
だったんです。
自分と、T先生はその年度からの正式採用は無し、また来年
採用試験をお受験・・・ということになっていたんだと・・・
ここまで長くお読みくださり、ありがとうございました。
つまり、お伝えしたかったのは、
一人のお子さんのカウントで、その学校や地域が
すったもんだの大騒ぎになるくらい、
学級編制に関する法律にまつわるエピソードは日本中に
あるのだ、ということをご承知おきいただきたかったんです。
いやあ、おそろしいですねえ・・・
あの時、S家のお母さんが、
「じ・・じゃあ、二浦小に・・」
と、お電話口でおっしゃって言われていたら、
どうなっていたことでしょう・・・😱
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