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【映画批評】プレデター:ザ・プレイ

※昔書いた記事の復旧です

「ザ・プレデター」とぬかすアホ映画が数年前に公開されたことを記憶されている諸氏がどの程度おられるのか存じませんが、ワタクシはアレ見てプレデターシリーズ全体に対するガッカリ感を強めたのは否めません。

あいつらプレデターというよりただのハンターなのよwww

などとステゴロで喧嘩したこともなさそうなインテリ女科学者に馬鹿にされたワタクシは本当激おこぷんぷん丸でした。つうか、激おこぷんぷん丸という表現をたった今人生で初使用したのだが、それほど今振り返ってもぷんぷんクる映画です。控えめに言って許せない!無かったことにしてしまいたい!

でも正統続編作品がハンターなのよwwとか言うからには、ハンターだったのか‥シュワルツェネッガーと素手で格闘してたアイツは単なる猟師サンだった訳?ヤバくなったら原爆を使用して自爆する彼は単なる猟友会のオジちゃんなの?(猟友会を馬鹿にしてるのとは違う)

アメリカ政府が最新の技術と優秀な科学者、研究者、諜報員など総出を上げて捕獲しようとしたアイツは単なる賢いドーブツだったのかな?

スーパープレデターだのアルティメットプレデターだのなんだのと、入社して3週間の新人に瞬殺される熟年ベテラン平社員の古きオリジナルプレデター達‥俺が一個3万円も出してフィギュアを買い集めていたプレデター達は無価値なウンコみたいな雑魚野郎だったのかね?どうなんかね?

そ、そうだったの?いや、マジ辛い。。死にたいです。死んでもいいですか?殺してください。ダメなら死に方を教えてください。。。

てな訳で、いたく人生を否定されたワタクシはかなりの傷心で、以来「プレデター」シリーズを観ることはなかった。

単に家のDVDプレーヤーが壊れて買い直す気力も時間もなかっただけではあるが、大体年に一回はシリーズ全部を見直すファンの姿は既にそこには無かった。1人のファンが死んでしまったのである。あの「ザ・プレデター」のせいで。

ある日、たまたまテレビをボケーっと観ていると、プレデターシリーズ最新作であるかのような「プレデター ザ・プレイ」という作品が宣伝されていた。なんだか「ザ・プレデター」にタイトルが似てるというか、あー過去作品が適当なサブスクで無料販売でもされだしたんかな?プレデターもいよいよ客寄せパンダかよなどと毒づいたものですが、よく観るとこれ、完全新作だなんて謳ってる訳でして、あー?だったら映画館でみるかな?と探すとなんとディズニープラスとかいう聞いたこともないサブスク限定のオリジナル作品だという。

プレデターがディズニーって‥。

俺はまたしても盛大にため息をついた。どこまで落ちていくんだよ。スターウォーズといい、過去の偉大な名作を地に突き落として金儲けの道具にのみ恣意的運用する巨大資本の醜い姿、それに踊らされる大衆‥世の中はクソだな。

などと確かに思った3日後には、生まれて初めてサブスクに課金していました。というか、スマホやパソコンで観ろというのか?画面もちっこいしサウンドもスカスカやんけ!と、もう観る前から文句ばかりです。拗らせた中年の末路ですよ。(←エゴサした時こう言ってる人がいて、うまい表現だなあと思いました)

ディズニーって、もうスターウォーズの続編もディズニー制作で悪い記憶しかないわけでして、もうそれでも観てしまう自分の愚直さが嫌になる。

ストーリー観てると、ほらまた来たよ、アメリカ先住民の小娘が主人公。やたらとマイノリティを崇め奉るいつものスタイル。女優はアメリカ先住民の出身らしいのだが、とてもそうは見えない見事な白色人種である。にもかかわらず、親兄弟は普通にジッパーアイズの黄色人種って感じなんで違和感が偽善的に思えて許せなかった。最初だけね。

細かいことごちゃごちゃ言うやつは地獄に落ちろ!

結論を申し上げますと、これは100点やとまでは言えませんが、十分楽しめる、しっかりとした続編でした。俺的に「プレデター2」のラストでエルダープレデターがダニー・グローバーに勇者の証として手渡すマスケット銃‥‥今更こんなもんの伏線回収なんかするはずも無いと諦めていたんだが、不十分ながらもきちっと回収してくれたので盛大に涙腺が緩みました。

小娘は確かに色々アレでご都合主義の塊ではあるが、皮肉屋で拗らせた中年の俺でもなんか色々許せました。落とし所がきっちりハマっていたと言いますか‥‥

コマンチ族の勇猛さもやりすぎない程度のリスペクトを感じましたし。。

最初は狩も満足にできない未熟な小娘にイライラしたりもしたのですよ。「まさか今回はこんなウサギも狩れない雑魚娘に殺られちゃうわけ?んだべな。ただのハンターだもん。仕方ないべ」なんてことを考える程度には!

今回のプレデターはなんと、最初狼とか熊とか狩ってご満悦な感じだったんですわ。え?マジかよ!?本当に猟師サンじゃん‥‥ともう俺は別れた女に3年ぶりに連絡取ってみたらブロックされてたことに今頃気づいたぐらいの虚しさ、悲しさ、お胸イタイタ丸ですよ。。もうやめて‥勘弁してけれ‥

しかし、小娘の仲間達…屈強なコマンチ族の狩人たちがおおむね皆殺しにされるという絶句する展開に加え、中盤ぐらいにね。いよいよ現れるんですよ。この惑星の暴力の神、殺しの主、破壊の申し子‥白色人種達が‥‥

ここからこの映画の空気がガラッと変わってね。いいの?いいの?ディズニーなのに‥本当にいいのっ?!ねえっ!いいのっ?!って感じになる笑

つうか、ディズニーたる巨大資本が、圧倒的力のマジョリティー、白色人種をくさすことに命を賭ける集団ならば、彼らがスターウォーズでやらかしたこともこの映画でやってのけたことも、同じ流れなのかもしれない。

この白人達の野蛮さが本当よかった。もちろん、メルギブ「アポカリプト」の如き最高級の野蛮人を描けていたとは言えず、アタマのおかしさを表現できていたとも言えない。しかし、少なくとも野蛮に描こう、アメリカ大陸侵略の歴史、インディアンホロコーストを野蛮な行為だったとしっかり認識できていなければこうはならなかった筈である。

この野蛮な「破壊する者達」が、プレデターを捕獲しようと総出で最新のテクノロジー(マスケット銃)を持ち出し襲い掛かる!その勇敢さたるや、野蛮と勇敢は紙一重ということなのか。全滅するまで戦い続ける白色人種(多分スペイン人?)のど迫力。

それを鎧袖一触で一掃するプレデター。
この惑星を牛耳る破壊のモレクをきっちり皆殺しにするプレデター。その神々しさたるや‥格好良さと来たら、、、
俺はこれが観たかったんや。。と泣きましたよホント。なんなの。やってくれたやん。。またフィギュア買わせようってのか?!持ってけドロボー!

という感じで興奮できてよかった‥久々にクライミング以外で興奮できました。アレ?最高級の賛辞じゃないか?まあ、パソコンのちっこい画面でコレなんだから、劇場の大画面爆音で観れていたらより良かっただろうにとの悔しさは否めないのですが‥とりあえずテレビと繋げられるようそういうケーブルを買いました。(のちにブルーレイディスクも購入しました)

今回の何が良かったって、言うまでもないんだが、プレデターがかっこいい!マスクのデザインもクールだし、多種多様な殺しのテクノロジーもクソクール! 前回意味もなくマスクを脱いだり、ステルス迷彩全然使わなかったりとか、本当許せなかったんだが‥今回はシリーズの伝統をブラッシュアップしつつ、「おー、こんな武器もあるのかね(ゴクリ)」とできる程度にはハリネズミな感じが表現できていた。控えめに言ってサイコー!

小娘との死闘も、最後らへんには許せていました。なるほど、そういう手を使ったのか。。沼を出しつつ泥を使用しなかった制作者のカウンターバランス。素晴らしい。AVPみたいにいきなり握手して友達になっちゃわないのか滅茶苦茶心配だった手前、最後まできっちり殺りあってくれて良かったですホント。

これはフィギュアが出たら買うかもしれん!カッコ良すぎる!やるだろたぶん!ホットトイズなら!(注:税込65000円)

ただ、今回例のマスケット銃がエルダープレデターの手に渡るまでは描かれていなかったため、もう一本ぐらい間に挟まるのではないでしょうか。

これはもう少し生きるしかねえな。

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