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2023菊花賞(GⅠ)

「菊の季節に桜が満開!菊の季節に桜!サクラスターオーです!」
杉本清の名実況が生まれたのが1987年の菊花賞、今から36年前のことである。かつての名馬たちの栄光は今もなおずっと語り継がれている…。時代が変わり、世相が変わっても、競馬本来の魅力は変わらずそこにあり続けているからだ。
今年は2冠馬が誕生するのか?はたまた新たな王者が現れるのか?後世に残る名実況、名レースになるのか?
果たして………。

「第84回GⅠ菊花賞、まもなく出走です。」



はじめに

というわけで今年の菊。2023年クラシック最終戦です。
今年は3年ぶりの京都開催。
皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラで現在2冠を分け合っており、どちらに3冠目の軍配が上がるか。あるいは新星が戴冠を果たすのか…。大きな注目を集める一戦となりそうです。
オッズは現在(10月21日正午)のところソールオリエンスが1番人気で2.5倍。2番人気がタスティエーラで5.7倍となっており、3番手に神戸新聞杯勝馬のサトノグランツが6.3倍で続いています。多少変動はあるものの、人気順はおそらくこのままでレース当日を迎えるでしょう。

菊花賞最初のチェックポイントですが、単勝1倍台の圧倒的人気馬を欠く年は荒れる傾向にある、ということですね。まあそりゃそうか。
したがって今回は森タイツ的推奨馬3頭の他、「狙ってみたい穴馬」1頭をピックアップします。上位人気2頭、バッサリ行こうと思ってますので、リスクは背負いますが当たった時の配当はそれなりの妙味を味わえるのではないでしょうか…。

コース攻略

今年4月にリニューアルされた京都競馬場。3000m戦は3歳馬にとって未知の領域。

周知の通り今年は阪神内回りから、新京都外回りへレースが戻ってきました。ざっくり比較すると、阪神開催時の方がスタミナを要していたという見方が出来ると思います。
直線に急坂のある阪神内回りではスパート地点が早めになり残り2F~1Fは本当の意味での体力勝負になった反面、京都外回りでは直線が平坦なため(ペース次第だが)ロスなく回ってこれる器用さと、上りへの対応力が求められ、切れ味勝負になりやすいです。したがって、ロスのない内枠が優勢なのは言うまでもなく、馬群に揉まれても好走できるかなどもポイントになるでしょう。
また過去10年で関西馬が7勝と顕著な傾向があり、これは関東馬にとっては初の長距離輸送だけでなく、「輸送からの3000m長距離戦」であるいうことがネックになっていると思われます。
世代ではソールオリエンスとタスティエーラの2強、という雰囲気が感じられますが、関東馬である彼らにとって大きな不利があることは間違いなく、とくに後者はダービーからの直行という臨戦過程なので、より注意が必要でしょう。
それでは本命馬の発表をいたします…。

本命推奨馬

◎サトノグランツ

3歳牡馬・サトノダイヤモンド産駒 栗東・友道厩舎 鞍上・川田将雅

ダービー惜敗も夏を越して大きく成長し、菊の主役へと躍り出たサトノグランツを本命に推します。
今回推奨した理由を箇条書きにしてみました。

・関西馬であること
・非根幹距離での勝利経験があること
・鞍上が継続騎乗
・馬体重500㌔以下(が望ましい)
・GⅠ出走及び重賞での連帯経験がある
・前走、上がりタイムが上位2位以内だった
・+αとして京都での出走経験があること

以上の好走データを満たした本馬を改めて本命として発表します。

前走神戸新聞杯での上がり3F33.1秒は全体の2位、比較的長い距離でもスピード勝負ができています。注目したいのは11着と大敗を喫したダービーの際の上がりタイムも33.1秒で、33.0秒だったべラジオオペラに続き2位の実績でした。あの時は外枠に泣かされ思うようなレースが出来ませんでしたが、既に潜在能力の高さを覗かせていたのではないかと思います。
ソールオリエンスに比べると、切れ味勝負になった際に一抹の不安を感じますが、ロングスパート能力と馬群を苦にしないレースセンスは菊の舞台向き、鞍上・川田将雅の魅力もありここを本命にしたいと思います。

おそらく1、2番人気になるであろう2頭は序文にも書いた長距離輸送からの長距離戦、という理由で外します(入れても紐まで)。
もし来てしまったら…、まあしょうがないね(笑)

対抗推奨馬

○サヴォーナ

3歳牡馬・キズナ産駒 栗東・中竹厩舎 鞍上・池添謙一

神戸新聞杯2着馬。
メイクデビューから10戦して3勝。現在2勝クラスまでで重賞勝ちは無しと下位人気なのは妥当なのかもしれませんが、掲示板を外したのが1度だけ(青葉賞6着)と安定した戦績を残してきていますし、なにより前走神戸新聞杯でみせたしぶとい末脚、あの再現に期待をかけたいと思います。サトノグランツの一差しがなければ、勝っていてもおかしくありませんでした。
1月のGⅢ京阪杯2000mを4着で終えてからは徹底して2400m以上のレースで使われており、ここを目標にしてきた感はかなり強い。実際陣営からも自信ある発言が散見されています。前走から続き池添謙一が騎乗、菊の勝ち方を知る勝負師に久々のGⅠ戴冠の予感がします。

単穴推奨馬

▲ファントムシーフ

3歳牡馬・ハービンジャー産駒 栗東・西村厩舎 鞍上・武豊

こちらは神戸新聞杯3着
昨年末のホープフルS4着の後、GⅢ共同通信杯優勝。皐月賞は1着ソールオリエンスに0.5秒差の3着に敗れたものの、大器となる期待をファンに印象付かせました。3番人気で臨んだダービーは8着に敗れましたが、掲示板を外したのは7戦してダービーのみと、前述のサヴォーナ同様安定感ある走りが持ち味です。
血統的な背景を探ると、父ハービンジャーの産駒にはディアドラ(秋華賞)、ペルシアンナイト(マイルCS)、ブラストワンピース(有馬記念)など、3歳秋以降に急成長を遂げる馬が多いです。裏付けとしてデインヒルのクロスを持つ血統は2~3歳馬時に大きくトモを成長させ、力強い走りを完成させる傾向があります(うろ覚えです間違えていたらスイマセン…)。
皐月賞は差し脚が届かず、神戸新聞杯は逃げ切れず、と脚の使い所の難しい印象を受けますが、鞍上は菊花賞5勝のレジェンド、期待してみてもいいのではないでしょうか…?

ここまで

森タイツ的な推奨馬を列挙してきましたが振り返ってみて、アレ?…神戸新聞杯の1~3着やないか~い笑
結果的にですが、やはり前哨戦で結果を残した3頭を自然と評価することになってしまいました。
データ的に京都で行われた菊花賞過去8年、連対馬16頭の内10頭が神戸新聞杯3着以内。神戸組が必ず連帯しています。
中山のセントライト記念で実績を残した馬ももちろん菊花賞で活躍しているのですが、今回は序文にあげた不安点とやはりソールオリエンス(安定感欠く?)、タスティエーラ(ローテーションが?)という点で関西馬中心に印を打たせてもらいました。ソールとタスティで1・2フィニッシュも十分にあり得ると思いますが、ここは荒れる菊を期待して、ということでお願いします。では、最後に穴馬を発表したいと思います。

穴馬推奨馬

☆ナイトインロンドン

3歳牡馬・グレーターロンドン産駒 美浦・大竹厩舎 鞍上・和田竜二

血統的に注目してみたい一頭、父グレーターロンドンは中京記念勝ちなどマイル戦で活躍し、繁殖入り後はロンドンプランを輩出。種牡馬としても早々に活躍しています。一見すると長距離適性が高くないような気もしますが…。森タイツは本馬に潜在的な長距離適性を感じます。理由は以下の通り。

祖父ディープインパクトの中・長距離での活躍は説明不要。また祖母ロンドンブリッジの血統にはオークスを制した名牝・ダイワルシエーロがおり、ここに潜在的な長距離適性の高さをうかがわせます。
さらに注目したいのが母父メジロマックイーンの存在、天皇賞2連覇など競馬史に残る屈指のステイヤーとして活躍した、誰もが知る名馬です。母血統の近親馬には重馬場巧者リュヌルージュや京都ハイジャンプで2着だったワーウルフがおり、ここからもスタミナ血統であることを匂わせます。
2000mだった新馬戦こそ12着に敗れたものの、これはおそらく距離が足りなかったからで、1勝クラス2400m、2勝の阿寒湖特別2600mと、距離延長の度に力強い競馬をみせ、菊の舞台に挑んできました。

かつてキタサンブラックが菊花賞を制覇した際、その長距離適性を疑われましたが結果は知っての通り。ナイトインロンドンも両父母血統の中にあるステイヤーの血が覚醒すれば、淀の3000m走破も現実味を帯びてくるのでは…?
ブラッドスポーツと呼ばれる競馬の醍醐味を期待して穴馬に推奨します。

最後に

穴推奨のナイトインロンドンですが、まあ…ぶっちゃけ前走負けすぎなのでここも厳しいのでは?と正直思わなくもないのですが…(;'∀')
この馬なりの競馬が出来れば馬券内に入ってもおかしくないとも、思ってます。
くどいようですが人気決着してもおかしくない今年の菊花賞ですが、森タイツは敢えて上記の馬たちを推奨いたしました。穴党ってわけでもないんだけど、まあこういう記事の方が注目浴びるかなと…笑
いや当たらなきゃ意味ないんだけどね…。

それでは、皆さんもクラシック最終戦悔いのない馬券購入を!ではまた!


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