最新の花粉症治療法
こんにちは、耳鼻咽喉科医の野島です。
今回は花粉症治療方法についてお話しします。
大きく分けると投薬治療と手術治療があります。
投薬治療には
・通常の内服治療
・舌下免疫療法
・IgE抗体療法
・ボトックス療法
手術治療には
・レーザー治療
・後鼻神経切断術、粘膜下下鼻甲介骨切除術
があります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
通常の内服治療は、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン拮抗薬、点鼻噴霧ステロイド薬を混合し治療を行います。TV宣伝でも放送されているあれぐらは抗ヒスタミン薬に分類されます。
舌下免疫療法は、現在スギ花粉症、ダニ、ハウスダストアレルギーがある方に適応があります。事前に上記のアレルギーがあるかどうかの血液検査が必要になります。即効性はありませんが、長期間継続することで、アレルギー症状が徐々に改善していくことが期待されます。奏功率は8割前後です。投与期間は最低3年以上としている機関が多いかと思います。治療を行なった期間が長ければその後のアレルギー症状を抑える期間も長いとされています。
IgE抗体療法は最近新たに追加された治療です。現在はスギ花粉症に適応があります。既存の治療でもアレルギー症状が抑えることができない重症、最重症のスギ花粉症に適応があります。2月〜5月に皮下注射する治療です。既存の治療ではなかなか効果が足できない場合には、大変有効な手段かと思います。
美容クリニックなどで行われていることがあることもありますが、ボトックスも鼻の症状を抑えるのに有効とされています。鼻汁分泌は鼻内の副交感神経の興奮により起こりますが、その神経の伝達をボトックスが抑えることにより症状を抑制します。一般の耳鼻咽喉科ではあまりやっていない施術です。
ここからは手術治療に間することを書いていきます。
レーザー治療は広く耳鼻咽喉科クリニックで行われている治療です。鼻の中の下鼻甲介というところを炭酸ガスレーザで焼灼します。化学焼灼といって硝酸銀を塗布して焼灼することもあります。効果は1年〜2年程度持続しますが永続的ではありません。
後鼻神経切断術は、鼻の中の蝶口蓋孔というところからでる神経を切断します。これは鼻汁分泌に関係している神経であり、アレルギー症状の中の特に鼻汁症状に効果を示すします。鼻づまりがひどい場合には下鼻甲介骨切除術も追加で行います。日帰り全身麻酔手術で行われているクリニックもありますが、総合病院では術後出血のリスクもあることから入院で行うことが多いです。
以上最新の花粉症(アレルギー性鼻炎)治療についてお話ししました。
辛い花粉症もたくさんの治療の選択肢があります。それぞれにあった治療法をみつけ治療していくことが大切です。
治療はお近くの耳鼻咽喉科にご相談ください。