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読書記録*お前になんか会いたくない

「お前になんか会いたくない」
著:乾ルカ/中公文庫

高校を卒業してから、10年後の同窓会でタイムカプセルを開けることになった。いじめられていた子の復讐があるのではないか、と噂が囁かれるが、コロナ感染が広まっていく。果たして無事に開催されるのか?本当にいじめられっ子の復讐は実行されるのか?そんな話です。

この話では、スクールカーストという言葉が頻繁に出てくる。

いじめられっ子にも、女子に人気の男子も、女王と呼ばれるようなクラストップの女子も、その取り巻きの女子にも、「カースト」で人を判断したりしている。

中には、どの序列にも属さない「カーストエラー」なキャラもいる。

確かに、中学や高校はそんな感じだったと思う。
指示を出すグループがあったり、陰で目立たないグループがあったり。

私はというと、多分、陰で目立たないグループだったと思う。
目立たないグループながらも楽しかった。

けれど、中学三年間も高校三年間も「カースト」という存在を意識してきたことは一度もなかった。

そういう概念というか言葉を知らなかっただけかもしれないけど。

印象に残っているのは「後ろめたいことがないからこそ同窓会に来れる」というようなセリフだ。たしか花田(モテる男子)あたりの言葉だったかな。

それは本当だなと思った。
私自身、目立つタイプでもなかったけれど、成人式の同窓会で、ほとんどが大学生をしている中で、私は働いているということが自慢で、同窓会に行った1人だ。

おまけに小学校の同窓会まで3年連続で幹事をやったりした。そのくらい、昔より社会人になってからのほうが、私は私でいられる感じだった。

だから、同窓会に行くっていうのは少なくともそうなのだと思う。今が後ろめたいから、忙しいことを理由に行かない。そういう人も少なからずいるのだ。

それか物語の井ノ川のように、過去に未練も何もない人か。この井ノ川が、どうして最後にあんなふうに変わってしまったのか違和感が残る。てっきり、参加さえしないと思っていたし、もう一悶着あるのかなと期待さえ抱いた。でもなかった。それがリアルな同窓会なんだなと思うと、腑に落ちるわけなんだけど。

コロナ禍の時代背景の小説は初めて読んだので斬新で刺激的でした。あの物語の中で好きなキャラは三井です。苦手なキャラは木下かな。みんなキャラが立ってて、私もこんな多様なキャラを書けたらいいなぁ😌

ではまた👋

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