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フリーランス美容師になる前に不安を取り除く記事【技術以外で学んでおいたほうがいいこと】

こんにちは、現在フリーランスとして美容師をしております加藤亮平と申します。

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簡単ではありますが僕の自己紹介と、なぜ【フリーランス美容師窓口】を立ち上げたのかについてはこちらの記事を読んでいただければ幸いです。



上記の記事でも書いてあるのですが、僕は正社員として9年、業務委託を3年経験し現在の働き方 (シェアサロンを利用したフリーランス)になりました。

この記事を読んでくださっている美容師さんの中には正社員として働かれている美容師さんであったり、業務委託として美容師をされている方もいらっしゃるかと思います。


そこで今回は、正社員と業務委託、二つの働き方を経験して現在の働き方に転向した僕が今だから感じる、「あの時これを経験しておいて良かったな、しておいたほうがよかったな」ということを実体験に基づいてお話ししていきたいと思います。


ちなみに今回はあくまでフリーランスとして美容師をしていく上で必要な考えや技術以外での内容にあります。

働き方の向き不向きは当然人によって違いますが、大事なのは自分が今後美容師としてどうなっていきたいかであり、フリーランスという働き方はあくまでそのための手段の一つです。

今回の記事を読むことで、フリーランスという働き方を検討されている美容師さんの参考にあれば幸いです。


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お悩みご相談は随時こちらから受け付けております!
(✳︎24時間以内には返信します)



また、この度フリーランス美容師さん限定のコミュニティを立ち上げました。

興味のある方はぜひ勢ご参加ください。


⬛︎雇用サロンで働いている美容師さんに伝えたいこと

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正社員としてお勤めの美容師さんはフリーランスという働き方に魅力を感じている部分もあるかもしれません。

とはいえ僕自身正社員の頃にやってよかったと思うことや、今になってやっておけばよかったということはたくさんあります。

ここでは正社員からフリーフリーランスを検討されている方にむけて、今だからこそやっておいたほうがいいことについてお話ししていきたいと思います。


■給与明細の内訳をしっかり把握しておく

毎月会社からいただく給与明細の内容はしっかりと確認していますか?

ついつい手取りの金額(差引支給額)ばかりを見てしまいがちですが、額面(総支給額)からどんなお金がいくら差し引かれているのか、その各種控除額についてもしっかりと把握しておきましょう。


というのもフリーランスになるとこれらの控除額(各種保険料や所得税、住民税など)を毎月の収入(報酬額)の中から自分で支払わなければなりません。

もちろん正社員からフリーランスになるとその金額は異なりますが、どういったお金を毎月支払わなければいけないのかということを知っておくことでフリーランスになった際の毎月の決まった支出を把握しておくことがでいます。


※正社員と違ってフリーランスになると毎月の収入は変動するため減ることがありますが出て行くお金は変わりません。
毎月の収入だけではなく支出もきちんと管理できるよにしておきましょう。


■役職を経験しておく

雇用サロンにはマネージャーや店長などの役職があるかと思います。

フリーランスになりたいと考える美容師さんの中には何にも縛られることなく自由なサロンワークがしたいと思っている方もいるかもしれません。

さらに踏み込んだ表現をすると煩わしい人間関係から抜け出すためにフリーランスを検討している美容師さんも多いように思います。


とはいえ知っておいていただきたいのはフリーランスになるとこれまで以上に他者との関わり合いが必要になってくる、ということです。


これはシェアサロンのようなオフラインでもそうですがオンラインの場合もそうです。

コロナ禍においてオンラインサロンやオンラインコミュニティがここ一年で一気に増えてきました。

僕自身も【美容師座談会】というリアルイベントを定期的に開催していますが、一人だからこそ他者とのつながりや関係性を構築し共有していくことがこれまで以上に大事になってくると思っています。



(先日の模様はこちら)


【美容師座談会】に参加してみたい!という美容師さんは下記の相談窓口のライン内にて定期的にご案内させていただきます。

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そして他者との関わりの中で必要になってくるのはやはりコミュニケーションです。

フリーランスというのはそれぞれに独自の価値観を持っている人が多いです。

もしかしたらその中には自分と違った意見や考えを持った美容師さんもいるかもしれません。

だからと言ってその都度相手を突き放していてはいつまでたっても円滑なコミュニケーションをとることができません。


雇用サロンにおける優れたマネージャーや店長というのは店舗運営の舵取りだけでなく、先陣を切って相手の気持ちを考えた言動を心がけていかないといけないポジションだと思います。


※相手の立場に立ち、全てのことを受け入れ理解することができるマインというのはフリーランスにおける他者とのコミュニティでも必ず役に立つスキルになります。


あと、役職ではないですがサロン内の業務で面倒なイメージがある「材料の発注係」も率先してやっておくことをオススメします。

これはフリーランスになると自分で行わなければならない材料発注の感覚をつかむ練習になるためきっと役に立ちます。


■技術スピードの限界を知っておく

雇用サロンのように組織で動くサロンワークというのはシャンプーやカラー、パーマなどはアシスタントが行い、スタイリストはカットだけというパターンもあるかと思います。

チームで行うサロンワークの魅力というのはアシスタンとの技術向上のためにも必要であり、任せることができる技術はどんどん任せる方が僕自身もいいと思っています。

僕自身が今こうやってフリーランス美容師ができているのは、自分もそういう環境を先輩方から与えてもらえていたからというのもありますし、何よりチームで動くというのは雇用サロンの醍醐味だでもあると思うからです。


とはいえフリーランスになると基本的にマンツーマンでサロンワークを行わなければいけません。

以前に「この環境が長く続いたことでいざマンツーマン施術をと考えるとサロンワークの組み立てをイメージすることができない」という相談をいただいたことがありました。


例えばいま現在カット以外の施術を全て一人でやったとしたらどのくらいの時間がかかるか自分自身で把握できていますか?

・カラー塗布の一人塗り(カップやハケの片付け)
・ワインドの一人巻き(中間水洗からロッドアウトに片付け)
・ドライやフィニッシング

ちょっとした時間の積み重ねですがそれが全て1日のサロンワークを構成していきます。


フリーランスになると収入のコントロールをすることも可能になり、今現在よりも毎月の収入も上がる人もいます。

とはいえ今現在チームでサロンワークをしているからこそ担当できるお客様の数というのはマンツーマンになるとおそらく減少します。

それをカバーするために出勤日数を増やして稼働時間をこれまで以上に増やすこともできますが、時間の自由も手に入れることができるところもまたフリーランスの魅力の一つです。


※限られた時間の中で自分のプライベートも充実させつつ、どうやってサロンワークを組み立てていくか、その感覚を早く掴むためにも今のうちに自分の施術スピードを知りコントロールできるようにしておきましょう。


■アシスタントがいなくても成り立つ予約を組み立ててみる

アシスタントとチームを組んでサロンワークをすることは雇用サロンの醍醐味であり後輩の育成のためには大事ことだとお伝えしました。

ですが自分の限界を超えるためにアシスタントに手伝ってもらうというスタンスだと売り上げを上げることが主な目的になってしまうような気がしています。

もちろんお店の売り上げを上げることはとても大事です。

とはいえ本来チームで行うサロンワークというのは、後輩の技術の向上とお客様との関係性を構築することを目的とすべきだと思います。


売り上げばかりを意識した無理なサロンワークというのはちょっとしたミスが起きやすくなりそれによってお客様に負担をかけてしまう危険があるだけでなく、自分自身のキャパを超えてしまうとそのミスさえもカバーできなくなる恐れもあります。

アシスタントとチームを組んで行うサロンワークは雇用サロンの魅力ですが、僕がオススメするのは自分一人でも対応できるお客様の数で予約を組み、その中でアシスタントとチームで動くということです。

そうすることでアシスタントの育成に注力できるだけでなく、マンツーマンになった時の自分のサロンワークもイメージすることができます。


フリーランスになった時にマンツーマンでどのくらいの売り上げれるかわからないという美容師さんは自分のキャパを超えたサロンワークをしている可能性があります。

もちろん会社の売り上げを意識することは雇用されている側の義務でもあります。

とはいえフリーランスというのは限られた時間で一対一でお客様を対応するスキルが求められます。


※自分一人でも成り立つ予約構成を把握した上で数字も意識しつつ、今のうちに自分の技術力以上に「サロンワーク力」を鍛えておきましょう。


■アシスタント業務もこなせる余裕を持つ

これも上記二つに付随してくるのですが、マンツーマンの施術というのは技術だけではありません。

その間に行う床の毛クズ掃きや道具類の片づけなど、細かな作業も全て自分で行う必要があります。

普段こういった作業はアシスタントが率先して行うと思いますが、どういった場面でどういう作業が必要になるのかということを意識することと、手が空いているのなら自分でも率先して行っていきましょう。
(スタイリストになると意外と忘れているものです。)

マンツーマンの施術ではお客様の時間を必要以上に奪うことで負担をかけないようにしなくてはいけませんし、不快に感じさせないようにしなくてはなりません。



※他人に頼ることなく自分がどれだけ細かなことに先回りをして気付けるかということが重要になってきます。


■サロン運営における数字を把握しておく

サロンの売り上げや個人の売り上げはもちろんですが、もし可能であれば広告費や家賃などの固定費、出来るだけ多くの数字に興味関心を持ち把握しておくこともお勧めします。

フリーランスになると面貸しなりシェアサロンなり、毎月の固定費がかかってくることがほとんどです。

また個人集客においてもSNSを使った無料でできるものもあれば個人で打てる有料のネット広告などもあります。


※数字の大きさは異なりますが、店舗における数字を理解し把握しておくことで個人で運営していく際のお金のウエイトやバランス感覚も掴むことができます。


⬛︎業務委託サロンで働いている美容師さんに伝えたいこと

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僕は現在の環境で美容師を始める前、3年ほど業務委託を経験しました。

正直この3年間があったからこそスムーズに今の働き方に移行できたかないと思います。

現在業務委託をされている美容師さんは是非参考にしてみてください。


■自分の材料費率を把握しておく

業務委託サロンの特徴は材料費と集客のバックアップしてもらえるということです。

基本給があるところもあればないところもあると思いますが、報酬の多くは歩合によって決まるかと思います。

面貸し(フリーランス)になると完全歩合になるため材料費を抑えることができればその分収入は上がります。

ほぼ歩合で決まる毎月の自身の売り上げに対し、どのくらいの材料費がかかっているのかを把握しておくと完全歩合である面貸しとしてフリーランスになった時の収入もイメー時しやすくなります。


■自分がよく使う薬剤を把握しておく

業務委託と違い面貸しになると材料は全て自分で用意しなくてはなりません。

面貸し(フリーランス)として独立する際は基本給がないということに加え、どれだけ収入の見込めるかがわからないと不安を感じている方もいらっしゃいるのではないでしょうか。


これまでのお客様が100%来てくれるかもわからないですし、当然これから自分で集客をしていこうと考えている方だっていらっしゃるかと思います。

であれば初期費用はなるべく抑えたいと思うもの。

ちなみに独立にあたってホームページの作成や名刺の作成などをする美容師さんもいらっしますが当然これにもお金(初期費用)はかかります。

材料費に加えて普段から自分がどんな薬剤を多く使っているかを把握しておくことで、面貸しとしてフリーランスになった際も無駄な材料を用意して初期費用がかさむリスクを抑えることができます。


■単価を上げるための価値のつけ方を考えておく

業務委託サロンの強みはしっかりとした広告費をかけることによる集客力だと思います。

その反対に面貸し(フリーランス)美容師というのは自分で集客をしなくてはなりません。

個人で集客を行う場合に大前提として重要なのはしっかりとした技術力です。

とはいえ業務委託サロンのように店舗単位での広告費をかけることは難しくなってきます。

そこで必要になってくるのが数多くある美容室や他のフリーランス美容師さんに負けない魅力、つまり付加価値をどれだけ感じてもらえるかということです。

これは自身のメニュー単価を決める際の基準にもなりますし、その後価格を上げていく際に必要な要素でもあります。


僕もそうだったのですがお客様は待っていれば勝手にきてくれるものだと思っていました。

会社が集客をしてくれたお客様を施術する上で料金を上げるということはできませんが、自分ならこんな価値を提供してこのくらいの料金をいただこうというイメージを掴んでおきましょう。


■マンツーマンに慣れておく

業務委託サロンさんの場合も歩合が収入に大きく関わってくきます。

そのためタイトな予約を取ってしまいがちな美容師さんもいるのではないでしょうか。

スタイリスト同士のヘルプやアシスタントによるヘルプでサロンワークをされている場合もあるかと思いますが、限られた時間と歩合が大きく関わってくる環境下でお客様対をマンツーマンで対応するスタイルに今のうちにしっかりと慣れておきましょう。


僕が今の働き方になる前に業務委託をやっていて一番良かったのはこの部分で、マンツーマンでお客様対応する感覚をしっかり体に叩き込むことができました。

それに加え当然一人で掛け持つこともありましたが、薬剤コントロールや予約の取り方、技術の組み立て方などはもちろん、間に行う掃除や片付けの雑務のこなし方を身についけることができたように思います。

そしてマンツーマン施術において何より一番大事なことは、お客様を不快な気持ちにさせない接客や言葉遣いを身につけなければいけないということです。

せっかく優れた技術を持っていても、個人が作り出す空間に居心地の悪さを感じられてしまってはお客様の気持ちにも逃げ場がなくなり不快に思われる場合もあります。

タイトな予約の中でのマンツーマン対応に慣れつつ、余裕を持った施術と接客ができるようにしていきましょう。


■自分の限界を知っておく

マンツーマンでひと月どのくらいのお客様対応できるかを把握しておきましょう。

こうすることでいざ面貸し(フリーランス)になった時にどのくらい売り上げることができるか、つまりどのくらいの収入が見込めるか判断する基準になります。

また、自分の限界値を知り売り上げ見込みを把握しておくことは、休みや自分の時間をどのくらい作ることができるかということの基準にもなります。


⬛︎まとめ

今回はフリーランスになる前にそれぞれの環境でどんなことをしいておいたほうがいいかについてお話しさせていただきました。

僕は正社員と業務委託を経て今の働き方に辿り付きましたが、今になって思うのは決してフリーランスが一番ではないということ。

どんな働き方であってもそれぞれに魅力がきちんとあり、美容師である上でどれであってもいいということです。

一番大事なのは今の自分にあった働き方であるかどうかです。

美容師の目的は目の前のお客様を可愛く、かっこよくすることです。


その目的を達成するために「フリーランス」という働き方が自分にとってベストなのかもと思っていただけるのであれば、是非今回の記事を参考にしていただければ幸いです。


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