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流れていく時間の中で/ミニエッセイ

いつものように太陽が昇り
いつものように流れていく朝の時間。

いつものように朝ごはんを作り
いつものように夫を見送る。

その流れていく時間の中で
笑ったり、驚いたり、共感したり、探したり(笑)
(夫のゴルフのズボンが見当たらなかった…)


どれだけの瞬間が流れていったのだろうかと思うと
その瞬間が流れていくことが本当にありがたくて
思い出していく時間も楽しくて
きっとまだまだ
わたしに気づかれずに流れていってしまった瞬間もあると思うと

もっと味わったり、感じたり、浸ったりするために
一日がもう少し長ければいいのに、なんて思ったりもする。


わたしは、明日から東京ということもあり
今日はなんとなく、家のことをしようと決めていた。

今日は歩いて行ける距離にある近くのスーパーがお休み。
でも、夕飯の買い出しには行きたかったので、
それ以上頭であれこれ考えるのをやめにして、車でスーパーへ行くことに身を委ねた。
その時ふと浮かんだスターバックス。

「よし、今日はスタバで一人でお茶をして帰りにあのスーパーへ寄ろう」

そんなふうに
インスピレーションとともに自分計画を
心の中で立てるのだ。

一瞬、英語の勉強をスタバでしようか迷ったのだが
わたしは勉強に関してはカフェでは集中できないタイプだったと
過去の経験から思い出し、堂々とゆっくり過ごすことにした。

いつもならブラックコーヒー。
でも今日は、いつもと違う選択をしてみたくて
「チャイティーラテをホットで下さい。マグカップでお願いします」
もうそこには新しいわたしが立っていた。

席に座るとそこに広がる空間にはいろんな人がいる。
誰一人と同じ服装の人、同じ髪型の人、同じスタイルの人はいない。
そして、きっと、心の中にある秘密ごとも
握りしめているものも、違うのだろう。

新聞を読みながら一人で過ごしているあのおじいちゃんは今朝は何を食べたのだろうか?
隣に座るこちらの女性は、さっきまで何をしていたのだろうか?

いろんな人生が
今日も動いて流れているのだと思うと
「今日も、わたしを生きていこう」
そんな思いを握りしめて、
席を立った新しいわたしは
次なる目的地でもあるスーパーへと向かうのだった。




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