聖地臨海〜きっかけ④〜

ここにおける「臨海」とは「市原緑地運動公園臨海競技場(ゼットエーオリプリスタジアム)」を指すが、現在も臨海を「聖地」と呼ぶジェフサポがどれほどいるだろうか。
私がジェフユナイテッド市原・千葉のサポーターであることは先の投稿で記載しており、臨海は苦しみと喜びを長年味わったスタジアムとして、今も私の中で特別なものがある。
そんな臨海で、新たな発見をしてしまうのであった…。

・はじまりはいつも臨海とジェフ

2021年4月10日。
この日、臨海では「プレナスなでしこリーグ1部第3節 オルカ鴨川FC vs NGUラブリッジ名古屋」の試合が行われようとしていた。
前回の投稿で、このオルカ鴨川FCには児玉耀選手と渕上野乃佳選手がジェフレディースユースから加入したことを記載した。
また、オルカ鴨川FCにはジェフレディースに在籍経験のある深澤里奈、鶴見綾香、古舘知都の3選手や、ジェフレディースユース出身の山田彩未選手も在籍している。つまり、きっかけはまたもや「ジェフ(に関係する選手が多数いる)だから」と言う単純なものだった。
この試合に出場したのは、新人2選手以外の4選手。
しかし、この試合で最も私の琴線に触れた選手は、オルカ鴨川FCの右サイドバックで躍動する背番号2だった。

・溢れるキャプテンシーと正確無比なキックを併せ持つ渡部那月

オルカ鴨川FC背番号2 渡部那月。
彼女は島根県平田市(現出雲市)出身。日ノ本学園高等学校から早稲田大学を経て、2019年にオルカ鴨川FCへ加入した、主にサイドバックを主戦場とする選手。

日ノ本では現在はジェフレディースに所属する藤尾きらら選手とチームメイト(藤尾選手が2学年下)。
また、ジェフレディースにも所属した木付優衣選手とは高校、大学とチームメイトであった。

この試合でも右サイドを上下し、チームのために身体を張った守備をしたかと思えば、時折、サイドを駆け上がり、相手ゴール前へクロスを上げていた。
相手のセットプレーで仲間を鼓舞する姿勢などなど、私の琴線にガッツリ触れるプレースタイルを存分に出していた彼女を応援しない理由がなかった。

決定打になったのは、練習での仲間やサポーターへの対応。

具現化出来る言葉を見つけられないのが悔しいが、彼女が彼女を取り巻く人たちを、どれだけ大切にしているか、それを目の当たりにしたことで、渡部那月と言う人間を、サッカー選手としてだけでなく、一人の人間としても応援したいと思った。

・Ultras スパイクプロジェクトへの参加

2021年7月。
私はとあるプロジェクトに参加することとなる。
それが「Ultras」と言う、プロジェクト参加選手をスパイクスポンサーとなって応援するもの。
これは、ジェフジュニアユース出身の浅川隼人選手が発起人となって行われているもので、そのプロジェクトに渡部選手も2021年より参加している。

その存在を知った私は、プロジェクトのWebサイトを見た。
そして、手の動きが止まる。

決して安くはない金額。

それなら直接送った方が…とも思ったが、何日か悩んだ末に、申し込み手続きを行った。

AWAYハリマ戦とHOMEスフィーダ戦の2試合が、7月に予定されていたリーグ戦であったが、いつも以上に緊張して試合の行く末を見守っていた。
と言うのも、この2試合で渡部選手が履いていたスパイクは、私が提供したスパイクだったためだ。
結果としては、1勝1分。
HOMEのスフィーダ戦では、ゴール前でシュートも放っていたので、提供者としては大満足だった。

後日、NIKEのシューズボックスに入ったシルバーのスパイクが送られてきた。
シューズボックスの裏には私への直筆メッセージもあった。
スパイクにはサインと共に、以前会話した際に出た造語が、丁寧にタンの部分に書かれていた。

このスパイクとメッセージ、今は私自身ががんばらなくてはならない場面の前に必ず見るようにしている。

昨年12月末、私にとってとても悲しい出来事が起きた。
今も立ち直ることが出来ていないのだが、今の状態程度で済んでいるのは、その日、家を出る前にそのスパイクと、メッセージを見たからであると思っている。

・なでしこアクアライン移籍

2021年12月、渡部選手のニッパツ横浜FCシーガルズへの移籍が発表された。
シーズン中から「きっと来年、ここにはいないんだろうな」と言う予感めいたものを感じていた私からすれば、「来たな」と言う感じだった。

2022年シーズンが始まり、シーガルズ渡部那月を初めて観戦したのは4月9日。
そう、その一年前には臨海で初めて見たのだから、なんとも縁のある日程だ。

2021年、彼女にとって決意の移籍。
鴨川を選んだ理由に「島根と似てるから」と話していた彼女。
そんな「第2の故郷」とも言うべき鴨川を離れる決心をした以上、このチームで必ず結果を残す…と言う決意は、一試合の中でも手に取る様にわかる。

そんな決意を私は応援したいし、見届けたいと思っている。

チームメイトがゴールを決めれば、俊足を飛ばして抱き合いに行くなつさん。
ピンチになればチームメイトを鼓舞するなつさん。

これからもどの様なパフォーマンスを見せてくれるのか、毎試合楽しみだ。

長文、乱筆、失礼しました。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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