真夏の稲毛海浜公園〜きっかけ③

・2019年8月17日

普段なら行くはずのない真夏の稲毛海浜公園。
しかし、女子サッカー観戦にハマりつつあった私は、この日17時から行われる「ジェフレディースU-18 vs 尚美学園大学」の試合に向かった。
ジェフレディースユースのメンバーは以下の通り。
---
スタメン:
1 GK 伊藤七海
2 DF 堀越柚衣
5 DF 朝倉陽菜
16 DF 児玉耀
19 DF 内田果菜
8 MF 甲斐碧海
14 MF 稲山美優
27 MF 遠藤真緒
10 FW 中尾萌々
11 FW 錦織美紀
13 FW 山﨑綾乃

ベンチ:
17 GK 佐々木里玲
25 GK 大熊茜
6 MF 渕上野乃佳
7 MF 北村美羽
29 MF 鈴木京響
30 MF 菅野向日葵
9 FW 高梨夕花
18 FW 伏谷香穂
28 FW 岩下楓
---

この試合を見て、更にレディースのサッカーに惚れ込むこととなる。

・走る戦うをユース世代でも体現するジェフレディースU-18のサッカー

33分に稲山美優と渕上野乃佳が交代する。
するとその3分後に尚美が先制し、そのまま前半を終える。
HTでのメンバー交代、ジェフ側はなし。
66分に遠藤真緒、山﨑綾乃に代わって北村美羽、伏谷香穂が入る。
攻撃態勢を整えるジェフはシュートこそ打てど、なかなかゴールを割ることが出来ない。
しかし、その時はやってきた。

85分錦織美紀のゴールに始まり、86分伏谷香穂、88分渕上野々佳と僅か3分で3得点を奪い逆転。
アディショナルタイムには渕上野々佳の、この日2得点目が生まれ、終わってみれば4-1。
ジェフのシュート15本(前半1本/後半14本)に対し、尚美は試合全体でシュート2本、後半はシュート0とジェフからすれば完璧な試合運びだった。

この試合でも感じたのは、「どんな状況でも走る戦うを体現できる選手たちの素晴らしさ」だった。
どんな状況でも諦めず、相手よりも走り、貪欲にゴールを目指す姿。
その姿に私は「自分が見たかったサッカーってこれだよな」と言う、確信めいたものを感じた。
加えて、「少なくともこの選手たちが卒業するまでは見届けたい」とも思った。

・ひかり耀く背番号16と素晴らしき才能の背番号6

この試合で最も私の目に止まったのは、背番号16の児玉耀選手と背番号6の渕上野々佳選手だった。
最初のうちはチーム全体を見ていたのだが、気がつけばふたりの姿を追っている自分に気がつく。
児玉耀選手はパスやキックの精度、渕上野々佳選手はドリブルと得点能力に目を見張った。

2020年11月15日に行われた対筑波大学戦では、児玉耀選手のFKに錦織美紀選手が合わせ、ドローに持ち込んだシーンがあったが、このシーンを見た私は「この選手を応援し続けたい」と思うようになった。

ご存知の通り、現在は2選手(児玉選手、渕上選手)ともジェフを離れ、同じ千葉の「オルカ鴨川FC」に籍を置く。
今年からふたりは、レギュラーとしてオルカ鴨川の躍進に欠かせないメンバーとなり、毎試合戦っている。

オルカは全国的にも珍しくなった「女子サッカーで練習を一般公開するチーム」だが、そこで彼女たちが試合出場に向けて必死に練習している姿を見て、自分も勇気づけられた。

児玉耀選手は昨年のセレッソ大阪堺レディース戦で途中出場しオルカデビューを果たし、次の伊賀FCくの一三重戦では、スタメンデビュー。
向かうところ敵なしだった伊賀を2021年ホーム初勝利と言う形で破った原動力のひとりとなった。

渕上野々佳選手に至っては昨年、全く試合出場が叶わなかった。
これは2020年に大きなケガをしてしまったため。
そのリハビリに黙々と励む彼女の姿は、何よりの勇気となっていた。
練習に部分的に参加出来たとき、持久走でチーム内上位を取ったときのチームメイトから発せられた「ふっちー(渕上選手の愛称)、めっちゃ走れるね」の言葉…
少しずつ、少しずつ「その日」が近づいているのを実感していた。

今年の開幕戦でスタメン出場した渕上選手は、ホームとなった市原臨海での伊賀戦で、スクランブル出場。
遂に見ることの出来たふたりが同じピッチに立つ姿。
私が見たのは、冒頭に触れた稲毛以来、実に2年ぶりだったためか、熱いものがこみ上げ、涙が溢れてしまった。

藤代真帆という選手を追うことで、出会うことのできた新たな選手。
このようにして女子サッカーの楽しみはどんどんと大きくなる。

次回は、このふたりを追っていたからこそ出会うことのできた選手について触れようかと思う。
長文、乱筆、失礼しました。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?