見出し画像

継次の人>学習計画を立てることを支援する(そういう支援が大事だと気付かせてくれた塾の卒業生の話)

情報の認知処理「傾向(タイプ)」として、
同時処理傾向>初めに情報の全体像をざっくり掴み、その後細部を検討する
継次処理傾向>初めから細部を一つ一つ積み重ねるように処理していき、最後に全体を掴む
この二つの傾向のどちらかが強く出る学習者に向く学習法は何か?
経験や理屈から考えたことを書いています。

到達目標のある学習のためには、”学習計画”が必要だ。
学習計画というのは「学習手順を明確にする」ということだ。
継次処理の人は、手順がはっきりしていれば、うまく取り組めることができるのだが、その前段階にあたる「”手順”を自分で作ること」は、比較的苦手である。
このあたりに支援が必要なことがある。

やるべきことを、日数で割る。その方法に気づかない
それを教えてくれた塾の卒業生(継次傾向が強い人の例1)

修士時代(54歳頃)に、私の学習塾卒業生で「これぞ同時処理傾向の強い人!(私の認定)」にインタビューをした。
インタビューの前に、彼女はまず、私にお礼を言ってくれた。
「塾で教えてもらった計画の立て方を、仕事でも使っていて、ものすごく助かっています」
「計画の立て方・・・? どれのことだろう?」
「先生とやりましたよね。問題集のやるべき部分のページ数を数えて、取り組む日にちで割って、1日に何ページずつ進むかを決めて、それをマス目に書いていく。そして取り組んだらそれを消していく。
今、仕事で、大量なものがドンときても、自分でやり切ると決めた日までの日数でその分量を分割して、シートに書いて、日々こなしたらそれを塗りつぶすようにしているんです。どんな大きなものを頼まれても、分割して毎日処理していれば、絶対終わるはず、と思って焦らなくていい
んです。」
というようなことを彼女は言った。
「ほんと、助かってるんです。塾で学んだおかげです」
これを聞いた時は、少し驚いた。
私にとってそのやり方は、”学習計画”にも入らない「単純作業」だと思っていたからだ。
彼女がここでお礼を言うということは、それだけインパクトがあったということだ。
このやり方を塾生と一緒にやっても、「あー、はいはい。知ってる、わかる」という感じで流す生徒も多いが、その中で彼女はそんな受け止め方をしていたのか!
そして、仕事をしながらそれを思い出して、感謝してくれるくらい、大事なことだったのか。
大事なことになる、というのは、彼女にとって教訓を含んでいたということだ。
教訓というのは、うまくいかないことをうまくいくように示唆してくれるものだ。
どこが、うまくいかなくて、どのあたりに響いたんだろう?
彼女の”お礼”が、逆に私に強烈なクエスチョンとしてインパクトを残した。

それでもまだ、それが”継次処理傾向が強い人の特徴”と確信はしていなかった。
彼女個人の固有のものなのかもしれない。
全体を分割して、それを計画に落とし込む。それが継次傾向の人はそれが苦手なのかもしれない。そう思ったのは、大学の学部で学生の学習支援を始めてからだった(次回へ続く)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?