見出し画像

追体験(イメージ)することが、授業を一番良くする

新しいことを始めた。
ボランティアで、地元で、日本語を教えることになった。
 
私は、アメリカで、日本語教授法をみっちり7週間学んだし、少ないけれど、大学で教えた経験もある。帰国してから『日本語教育能力検定試験』にも合格した。
地元には、日本語学校がなく、ボランティアで日本語を教えるシステムが、……おそらく日本のトップクラスで発達している。
受講する方の料金もほぼ無料に近いので、たくさんの外国語話者が申し込みに来るが、それに対応するボランティアが足りない。
それで、私も、外国語話者の方には様々な形で助けてもらったりお世話になったりしたので、恩返しの意味も含めて、日本語を教えるボランティアを始めることにしたのだ。
教えることが好きで、日本語を教える資格まで持っていて、それで教える人が不足しているのに、知らんぷりもできなかった。
そのうち、オンラインなどで有料で教えるのもいいな、その練習にもなるよな、という思惑もなくはない。

だが、少々?勝手が違う。

以前、アメリカで教えていたときは『げんき』というテキストを使っていた。教える対象はアメリカに住む学生であり日本で暮らした経験はほぼない。学生は授業に参加し、「単位を取らなければならない」という強制力もあった。週に3回は授業があった。
自分自身が「日本語教授法」を学ぶときは、英語で学び(セントルイスのワシントン大学のサマースクール)、生徒が理解できないときは、英語を使った。

今回は、テキストを使うなら『みんなの日本語』にしてくれという。教える対象は、日本で暮らす主に技能実習生。受講する生徒の中には留学生も少数いるが、私は当面技能実習生を教えることになりそうだ。生徒自身も参加自由だし、週に1回程度の受講となる。
日本語の教え方を検索するときは、日本のサイトを見るので、文法用語にまずめんくらった。そして、教えるときに英語を使うと、英語が堪能な国の生徒だけに有利になってしまうので、そういった意味でも英語は禁じ手である。

少々でなく、だいぶ勝手が違う・・・。
と気がつき、四苦八苦している。

今日家で私がやったのは、学ぶ文型をテキストの順に書き出して整理していくことだ。

これが良かった。

書きながら(表ソフトに入れていくのだが)、このテキストを使って学ぶ学生の頭の中を追体験できる。
教える項目は、テキストにも、また様々なウェブサイトでも一覧になっているのだが、自分で書いて整理していくことによって、丁寧に生徒の頭の中の変化を追うことができる
これが、私の場合、授業構成(教案作り)にも欠かせないことだよなぁ、とあらためて思った。

あらためて、というのは、
自分が、自分の個人学習塾を運営しているときも、同じだったことを思い出したからだ。
生徒と丁寧に対話をした後、生徒の頭の中に残っている知識や理解から出発するように授業構成を決めていた。
一つ一つの授業内容も、一旦構成した後、
生徒の頭になって追体験(イメージ)し、わかりにくいところはないか、どうしたらスムーズに頭に入っていくか、定着するかを考えて、構成に修正をかけた。
それをしっかりやった授業は、うまくいったし、何より、生徒の「わかった」という表情や高揚感が違った。そういえば、それはアメリカの大学で教えるときにもやってたなぁ。

今、急いで授業に対応できるようにならないといけないので、考えなければならないこと、準備しておくことがいろいろあるのだが、
時間がかかっても、
生徒がどう学んでいくのか、学んできたのか、
テキストから追体験することは、

やって良かった


まだ途中なのだけれど、これをやっておくと、
授業中も、生徒に違和感を与えるような表現や進め方を、極力少なくできるのではないかと感じ、
少しホッとしている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?