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中学生の家庭学習用参考書つれづれ

久しぶりに書店の中学生用学習参考書コーナーに行って、
「ああ〜〜、やっぱりかー・・・」と、かなりがっかりした。
学習参考書や問題集の種類が、ごっそり減っていたからだ。
私は2006年頃から2017年まで”中学3年専門塾”を開いていたのだが、それを閉じた理由の一つに、これらの本の種類の減少にあったことを、あらためて思い出した。

塾を運営するにあたって、私にとって、学習参考書や問題集の種類の多さは重要だった。
私の塾は「義務教育の内容(中学生で学ぶ内容)を独自体系で網羅的に教えます」というのがウリの塾だった。
「独自」なので、固定した参考書や問題集を持たなかった。
自分の理想とする問題集などがあれば良いのだが、どれも帯に短し襷に長し、だったので、教える箇所に応じて、様々な問題集から優れた部分を抜き出したり改変したりして”私が理想と思う”内容で教えていた。

そもそも、生徒は、得意不得意が違うし、躓き方も様々であるから、取り組む問題は、それぞれ違うものでなければ、実力を効率的に伸ばすことはできない、と思う。
そこに臨機応変に対応するために、問題と解説のストックは重要だった。

また、中三も冬くらいになって「自分で家で勉強したい」と言い出した時に、どの問題集に取り組むか?は、上記の理由から個々人に応じて違った。
冬くらいには、生徒も「自分にはどういう勉強が合うか、心地良いか」がわかるようになっているので(そういうことを考えられるように授業の中で仕向けていたので)、私の方から何冊かの問題集を見せ、それぞれの特徴も説明すると、最適な1冊を選べるようになってくる。
そのためにも、参考書や問題集の種類の多さは大切だった。

しかし・・・
学習指導要領の改編があるたびに、参考書・問題集の種類は減っていった。
特徴のある、売れ筋でないものから消えていくのだ。
おそらく、学習指導要領の内容に応じて中身を変えて再販する出版社としての体力がないのだろうな、と思った

良いと思ったのに、なくなっていく参考書は、急いで古本でかき集めてストックしていたが、
塾をやめようと思う頃には、もうこのやり方は限界かな〜、と感じていた。

最近、また、中学生を教えるのもいいかな・・・
と思うことがあったのだが、
改めて書店の参考書売り場を見て、
種類の”貧相さ”が残念だった。

国は、学校教育を様々なやり方でいじっていて、
それはもちろん、学びの「基本」となるものなのだから大切なのだけれど、
学校外で学びをしようと思った時に、
独自の学び方を選べなくなったら、
それはつらいし、”学ぶ元気”がどんどん先細りそうな気がする。

そういえば、自分の塾のコピーは「元気が出る塾」だったなぁ。・・・・。



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