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右脳vs.左脳? 全体感vs.詳細処理?


■前回の記事で書いたこと


前回書いたように「「読む」という外見上同一の行為に対し、脳のどこの部分を組み合わせて、どうそれを使って、読み、理解しているかが、人によって違うのだ」という本の中の指摘は、情報の処理の仕方の違いに、科学的(物理的)根拠があることを示しており、それなら、私が「全体処理」と「順次処理」の2極がある(*1)、と仮定して研究(と言えるのかわからないけど)していくのも、おかしいことじゃないんだ(勘とか感覚的な問題じゃないんだ)と、安心して「私、これを追求します」という気持ちになったのでした。

それから、その情報処理の2極の話と、ディスレクシアの特徴が、ごっちゃになって混乱したという話も、前回の最後に書きました。

■『ディスレクシアだから大丈夫』(2021.10刊)にある脳の構造と機能の話


そうしたら、その「ごっちゃになった」理由がわかるような中身の書籍がありました。

それが『ディスレクシアだから大丈夫』と題されたこの記事の上部写真の書籍です。今から3ヶ月前の2021年10月に日本版が発行されています。元となる『The Dyslexic Advantage』は2011年の発行です。(英語版も購入してあり、大学院時代に頑張って読もうとした跡があります。でも、面白いと思っても、自分の読解力に自信がなかったのです。日本版が出て、ようやくシッカリはっきり色々わかりました。)

この本では、第3章と第4章で、筆者が、ディスレクシアの人たちの典型的な困難と強みの根底にあると考える「脳の構造と機能」の4つの違いを述べています。
その4つのうちの3番目と4番目の指摘が、表題に挙げた「右脳vs.左脳」「全体感vs.詳細処理」の話です(*2)。
この書籍では、「認知特性 cognitive features」「認知スタイル cognitive style」「情報処理  information processing」という言葉を多用しています。
つまり、私の興味関心と丸かぶりです。わたしの思考が「ごっちゃになる」のもやむを得なかったよな!となる内容でした。

書籍では、「ディスレクシアの人」と「ディスレクシアでない人」を分けて論じていますが、私は個人的に「全体処理型」と「順次処理型」のうち、「全体処理型」の中にディスレクシアの症状のある人が存在する、と考えているので、この本での説明は、私にとっては「全体」と「順次」の話です。

その中で、とりわけ興味を引いた「全体感vs.詳細処理」の話を次回書きます。

*1:処理(勉強)しなければならない情報が、一定程度の量をもって与えられたとき、それをどう処理するのかについての、まーみの定義
「全体処理」;全体を先に把握する方が好きで、学習順序は問わない。
「順次処理」;全体を先に見せられるのは好まず、前から順に処理していくのが好き。

*2:
1番目は、音韻処理とワーキングメモリの話。
2番目は手続記憶と小脳の話。
3番目は、ディスレクシアは右脳人間か?という話。
4番目は大脳皮質を構成するミニカラムとアクソンの話(次回書く)



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