見出し画像

(飛行機のあれなに?これなに?) その6


まずは写真をご覧下さい。


WINGから燃料が流れ落ちています。

これWINGの先端から、飛行機を横から撮影した写真です。
中型機とも呼ばれるサイズの飛行機で10人乗りくらいのビジネスジェットです。

映画でよく出てくる、富裕層やビジネスマンが乗っている飛行機のイメージですね

製品には
CESSNA社が製造する「サイテーション」
GENERAL DYNAMICS社の製造する「ガルフストリーム」
などがあります。


飛行機のWINGの中には何が入っている?

ズバリ燃料が入っています。
WINGの中は、基本空洞なのでそのスペースを使って燃料タンクにしています。
ここでは説明は省略しますが、飛行機の強度的にも何かと都合がいいのです。
飛行前にタンクローリーなどで給油し、地上でAPUや、飛行中にENGINEに使用されます。



ここで問題です。

写真に戻ります。
画像では飛行機のWINGから燃料が流れ落ちていますね。
なぜ流れているのでしょうか?

A、燃料タンクの温度が高すぎるのを感知して、爆発防止のために外に排出した
B、飛行後はタンクを空にするので、残った燃料を排出している
C、給油者が操作を間違った






さくっと答え合わせ


正解は
C「給油者が操作を間違った」 です。

冒頭ではあえて「燃料が流れ落ちている」と表現しましたが、
これはタンク内の大量の燃料を外に排出させている「アクシデント」です。

写真だけでは直接的な原因までは断定できませんが、
可能性として以下のようなことが考えられます。

・OVERFILL(タンクの容量の限界を超えて燃料を入れた)
・DRAIN VALVE(燃料を排出するバルブ)を開けてしまった

燃料は空港のスポット上には、決して燃料を漏らしてはなりません。
火事の原因になりますので、空港規則などで禁じられています。
もし漏らしてしまうと、数台の消防車が出動したり、空港職員による事情説明も行われます。
整備作業でも誤って燃料をこぼした時は、慌てて拭き取ります。
(あきらめて上司に報告・謝罪することもあります。)


ちなみにBの「タンクを空にする」というのは
格納庫で重整備(車でいう長期的な車検)するような時で、頻繁に飛行する際の運用ではありません。

運航中の飛行機の基本的な燃料の取り扱いについて簡単に説明します。
1、飛行前に「飛行に必要な量+α」になるまで給油します
2、飛行後に余った「+α」の量は、そのままWINGのタンクに残しておきます
3、次回の飛行時に1と同じように、「飛行に必要な量+α」になるまで給油します。

INSTAGRAMにはこの画像の元になった動画をアップしますので、ご興味のある方はご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?