その後の藝大生

今年の春くらいから「その後の藝大生」というインタビュー企画をしています。

これは藝大を卒業したけど、プロのアーティストにならなかった(または、なれなかった)人たちに話を聞くという企画です。

僕がそうであるように藝大を出てもアーティストになれない人は沢山いるし、おそらくそちらのほうが多いと思います。

でも藝大的な価値観で言えば、「プロのアーティストになること」や「芸術で生計を立てること」が成功で、それ以外は失敗みたいな雰囲気があります。

僕は長らくその価値観に疑問を持ってなかったのですが、近年プロを諦めて自分が本当にやりたい音楽活動をできるようになってから、そういった「成功」とされる価値観に疑問をもつようになりました。

さらに言えば、そもそも芸術活動や人生に「成功」も「失敗」もないんじゃないか、あるのはただ「生き方」だけなんじゃないかと思うようになりました。
僕がそうだったようにプロになることやアーティストとして生計を立てられるようになることだけがゴールではないと思います。どんな生き方も尊重されるべきだと思います。

そんなことを考えるにつれ、僕は次第に、僕とある意味同じように「藝大を出たけどプロにならなかった(またはなれなかった)人」に興味を抱くようになりました。元藝大生達は今一体何を思って、何をしようとしているのかということを知りたいと思うようになりました。

そんな経緯があり、既述のように今年の春から「その後の芸大生」というインタビュー企画を行っています。
自分自身の人脈を頼りに現在までに数名の方に話を伺いました。そして、それを文章化もしました(文章化したものはインターネット等にあげておらず、取材対象や紹介者のみにお送りしました。今後は匿名でも公開できればと思っています)。

インタビューをして感じたのは、「上手い下手」や「才能」への葛藤、表現者としての承認欲求、他者からの決めつけや押し付け、ジェンダーの壁といったものでした。それと、そもそもアーティストになるために藝大に行ったわけじゃないという話も聞きました。

そして、お話を伺ったお二人の元藝大生は、現在芸術に関係ないところで自分らしさを探求し、懸命に生きていました。僕自身とても嬉しかったですし勇気と元気をもらいました。

この企画は引き続き続けたいと思っています。

でも実情としてインタビュー対象者が見つかりません。そもそもアーティストにならなかった元藝大生がとても見つかりにくい状況です。(音楽家や芸術家になった友達はその後も演奏上の付き合いで連絡をとることがあるものの、音楽家にならなかった人達とは連絡をとる必要がなくなるので疎遠になりやすいという面があります。)

それで、ここからは個人的なお願いです。

もしこの記事を読んだ方でインタビューに応じてくれる方や紹介できそうな方がいたらご一報頂けると嬉しいと思っています。

oxyges8nuque@yahoo.co.jp  遠藤直幸

謝礼はお支払いできないのですが、真摯にお話を傾聴したいと思っています。

興味がある方はご一報を頂けると嬉しいです。

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