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組織環境の重要性

先日、カウンセリングに関する研修を受講した。いわゆる心理学の分野やマネジメントの研究でよく言われている、「直そうとするな、分かろうとせよ」という内容のものだ。福祉、特に介護の場においてこの考え方は特に重要でありながら、業界特性上、入職してからこういった知識を身につけていく人が多い為、こうした研修を行う事は非常に重要である。

自分が相手を手助けしたいと思うかどうか。
相談援助の技法はその思いを実現する為のコンテンツやデリバリーの一種であり、いわゆるテクニックに過ぎない。重要なのは自らのマインドであり、その思いに忠実であれば、相手に対する自らの言動は、広く一般に教えられているカウンセリングの技法に自ずと寄っていくものであると思う。

しかしながら(これは福祉に限った話ではないのだが)本来、「相手を手助けしたいと思うかどうか」は、その人の性格によるし、相手がどんな人であるかによっても変わってくるものだ。仕事など関係なく、この人の手助けをしたいと思う事はよくあるし、また逆にたとえ仕事だとしてもこの人には関わりたくない、と思う相手もいるだろう。
手助けしたいと思える相手なら問題ないが、関わりたくもない相手に対して「手助けしたい」と思えるような状態に自分のマインドを持っていく事は、非常に難易度が高い。

それよりも、今ある環境を見直して、職員が自分の出来る事に集中出来るようにした方が、よっぽど得策なのでばないか。そもそも職員一人ひとりが持つスキルやノウハウ、マインドはそれぞれ違うのだから、全員が同じ事をする必要はなく、それぞれ得意な事をやればよいのだ。手薄な所だけ、そのスキルが高い人がやるなり新たにその穴を埋められる人を雇えばよい。
そうして、職員一人ひとりがスキルを上げる事で、新たな事にも手を出せるようになっていく。

昔は人手が足りず、少数の職員で大人数を相手にしなければならなかったから、得手不得手関係なく全員が同じことを出来なければならなかったのだ。今は環境を整え、採用の知識のある人がしっかりマネジメントすれば、人は来る。
そんな事を知らないから、もう環境は変わりつつあるのに、考え方だけが昔のままになっているのだ。

昔のように、全員一律で同じ事をする必要は、
もうない。
仕事だから、出来ない事をやれという根性論は、
もう古い。

職員一人ひとりが自らスキルアップを目指す事はもちろん大前提であるが、職員が自分の業務に集中できるような環境をつくる事に力を入れた方が、福祉の理想をより早く達成出来ると私は思う。

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