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雨ヶ森 |詩

雨のなかの ひとしずく
針葉樹の枝が ゆれれば
ひとひらの 霧の子がうまれる

ざわめく鳥は 恋のお年頃
残響にも似て 近く 遠く 
きのうの夢も 伝言も
も少しで 思い出せそうなのに

このうつつは いつから
小雨のように 途切れては 
また ふいに降りかかる

清らかな水を呼びこむ
ここは 夏を待つ森

木々は伸び 雲は切れ 
ヒスイ色の蛾たちが ふわり
裏庭へと落下する


~ 名もなき裏山に捧ぐ~



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