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現地校と補習校の両立・・・親の視点

『現地校またはインターナショナルスクール+補習校』というダブルスクールは、決して楽なことばかりではありません。子ども達はもちろん、親もしかり。今回は、『苦労の中における親の責務』について考えたいと思います。以下、便宜上、『現地校+補習校』を例に話を進めていきます。

まず、現状を抑えておくと・・・子どもが現地校に通っている日数が一年に占める割合は約52%。それに対して、補習校に通っている日数が一年に占める割合は約11%。つまり、ドイツに住んでいる以上は当たり前の結果ではありますが、子ども達は一年の半分以上を現地校で過ごしています。

現地校、補習校・・・親にとっては、どちらも大変です。補習校に着目した場合、11%から最大の成果を得るに際して、「現地校中心の日常生活において、日本語を限られた時間の中でいかに維持向上させるべきか」という課題に直面します。現地校はというと、「一年の大半を現地校で送るに耐えうるドイツ語力をいかに習得させるか」という壁を乗り越えなければならないわけです。

僕は一度、ドイツで日本人もしくは国際児の子どもの育児に励む親と意見交換する機会をもったことがあるのですが、そのとき、親の『心の叫び』を聞いた気がします。親としては、子ども達が『言葉の壁』や『友人関係に起因するストレス』、『差別と偏見』、または『補習校の宿題が多いこと』などの問題と向き合わなければならない現状に頭を悩ませている様子でした。

今時、困った場合は、まずはインターネットで検索。しかし、ネット上に溢れる情報の真偽を見極めるのは難しく、検索前よりも検索後の方がナゾが深まったという経験をしたのは、僕だけではないはず。また、保護者間の情報共有も大切な情報源ではあるものの、根拠が不明であったり、単なる噂にすぎなかったり。特に、テストや進学の前などは、あらゆる情報が錯綜し、親なら誰もが困惑した経験をしているでしょう。

こういう場合はやはり、情報源に一番近い立場にいる学校、そして担任の先生を頼るのが一番なのではないでしょうか。学校が開催する説明会や父母会に出席する、また、個人面談を通じて担任の先生と直接話すのが、その一例です。僕の子ども達に関して言えば、学校で個人面談が定期的に開催されたほか、必要に応じて担任が個別に対応してくれたので、何か問題が生じた場合、それが未解決のまま残るということはありませんでした。

また、親が学校を信頼することも重要だと思います。噂話に翻弄されて、「あの先生は怖いらしいから嫌いだ」というような、根拠のないガードを自ら設けてしまうと、学校側もオープンに接することができなくなり、そのしわ寄せを受けるのは結局のところ、子ども達です。もし学校側に何らかの不満を抱いているとしたら、それを直接学校に訴えればいいのです。対話をしないことには、解決策は見出せません。

現地校と補習校を両立させるには、子ども達に努力してもらうのはもちろんのことですが、子ども達が努力できる環境を親が作ってあげることが、重要な前提条件であると思います。

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