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デス・レター(無題)

俺が山下達郎だったら、ジャニー喜多川の墓前に向かって、こう言う。
「あなたは私の師だ。私はあなたに恩義を感じている。だが、悪いことをやったあなたを、私は非難し、告発する。尊敬をしながら、尚。

「なぜならあなたは私にこう教えてくれたからだ。『正しい/信じると思うことをせよ』自分の信じていないことをやったら、それは必ず音に出る。聞くものはそれを絶対に見逃さないだろう。それは私の、音楽家としてのキャリアの破滅だ。」

「あなたは私に、矛盾する謎をかけた。『師を信じろ。師が悪事を働いても、師を守れ』と。私にとって師を守ることは、師の言葉を守ることだ。その師がたとえ、出まかせでこの言葉を私に言ったとしても、そのときその言葉を信じた私があったからこそ、今の私があるのだ。その言葉を裏切ることは、師を裏切ることなのだ。」

「だから師よ、あなたは安心して罪を償え。地獄だかなんだか知らないが、あなたが罪を償い終わったとき、私はあなたを暖かく迎えるであろう。なぜなら、あなたは私の師だからだ。それが証拠に、俺はあなたの言葉を守った。これで一時、私は音楽業界から抹消されるだろう。しかしそんなもの、痛くも痒くもない。「自分が正しいと思うことを」言って行うこと。これを守りさえすれば、いい人生は必ず送れる。だから師よ。安心して豪華に焼かれよ。そして戻ってきたとき、私はあなたを抱きしめるだろう」

これは、なまなかな気持ちで、あるいは脊髄反射的に言えるものではない。相当の覚悟で、震える身体で、振り絞って言うべき言葉である。であるから、俺は、いつでもこれが言えるように、日頃から覚悟をしておかなければならない。

生きることは楽ではない。だがこれが生きるということならば、引き受けるより、ない。



・という俺たちロケンローラーのいっときの楽しみである。諸兄におかれては、ぜひこの楽しみを味わってほしい。

Made In A Garage #6
“CREATURES”
@越谷イージーゴーイングス
8/17(木曜日) 18:00会場18:30開演
前売り2500円/当日3000円(共に1ドリンク)

出演
Thee BlackDoor Blues
Tha HEALs
Very Ape
The BBB
Little Radios

ニシモトヒサオ(絵)

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