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薄い求人情報誌

病院に行くため、街へ出た。
駅のラックにある求人情報誌を少し手にしてみたが、予想通りに薄い。大恐慌の入り口で求人は極端に減っている。

私が18歳の頃というから38年前、1982年の日本では求人情報誌は有料だった。概ね、1冊100円。正社員のための情報誌は200円だったと思う。
その中で日刊アルバイト情報はその名の通り毎日発行されていた。それは分厚く、たくさんの求人が掲載されていた。
ライバル誌のフロムAは火曜日発行で150円だったか? 後に金曜日にも発行されるようになった。フロムAはクリエイティブ系の求人がたくさん掲載されていたのでお世話になった。

今はインターネットで検索できる時代となり、紙媒体のそれも有料の求人情報誌はほぼ絶滅した。数誌がフリーペーパーという形式で週に一度発行している。
暇なのでたまにそれらをもらってきて眺めていると、毎回求人を出している会社が多くあることに気がつく。実はこれはからくりがあって、求人を出していることで業績が順調に見えるようにするためだ。そうすれば銀行からの融資も受けやすい。また、企業名を覚えてもらうことにもなる。一般の広告は高いが、求人広告はそれほど高くはない。

金欠の若者の味方といえば日払いアルバイト。代表的なのは山崎製パン、大日本印刷、冷食のアオイ、東洋製罐といったところか。私もお世話になったが、死ぬほど働かされてすずめの涙ほどの給料をもらってむなしく帰る日々だった。
その後、企業は自ら採用活動をやめて日雇い派遣が増殖した。高いカネを払っても、算盤が合うのだろう。

さて、大恐慌は始まったが、ここで政府は弱者を救済しないとかえって国家を運営するコストは高く付く。犯罪が増え、衛生状態が悪くなり、給料が下がって税収が減るからだ。
でも、今の政府がまともな政策を打ち出すとは考えにくい。そうなると、世界の中で日本だけが一人負けの状態になる。それもみんなが政治に関心を持たず、政治的な発言をする人を叩いた結果だ。甘んじて受けよ。私はもう先が長くないのでどうでもいい。この国が滅ぶのを見届けたい。

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